劇的物語『ファウストの劫罰』　J-C.カザドシュ＆リール国立管弦楽団、

ベルリオーズは医者の父によって医学を修めるためにパリに出されましたが、作曲を学ぼうと音楽院に入学しました。ベルリオーズが劇的物語と名づけた「ファウストの劫罰」は、ゲーテの「ファウスト」のジェラール・ド・ネルヴァによる仏訳版に基づく作品です。作品の粗筋は、ファウストとメフィストフェレスとの契約、マルグリットの誘惑、マルグリットの母殺しの咎での入獄と救済、ファウスト自身は地獄に堕ちて劫罰を受けるという内容です。こうした場面はすべて、ベルリオーズの手による熟達した劇的な管弦楽書法で生き生きと表現されています。この作品には、有名な「ラコッツィ行進曲」と二つのよく演奏される舞曲、「鬼火のメヌエット」と「妖精の踊り」も含まれています。

カンタータ集（8555810）、『夏の夜』（8557274）に続く、カザドシュとリール国立管ほかによるベルリオーズ最新盤。2003年11月、リールにおけるライヴ録音で、叙情的な側面を前面に出した演奏が特徴。その背景にはフランス・バロック・オペラが見え隠れしているかのようです。24bit録音＆編集。

・ベルリオーズ（1803-1869）：劇的物語『ファウストの劫罰』

マリー・アンジュ・トドロヴィチ（メゾ・ソプラノ）
マイケル・マイヤーズ（テノール）
アラン・ヴェルヌ（バリトン）
ルネ・シルラー（バス）
フィリップ・ジェラール（イングリッシュ・ホルン）

スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団
（合唱指揮：ジャン・ロゼーナル）

リール国立管弦楽団
ジャン＝クロード・カザドシュ（指揮）