【中古:盤質A】 『メサイア』（グーセンス版）　ビーチャム＆ロイヤル・フィル（３ＣＤ）

ヘンデル：オラトリオ『メサイア』全曲
ビーチャム指揮ロイヤル・フィル
グーセンス版を用いた有名な演奏！

1959年ステレオ録音。若い頃からヘンデルの音楽を愛し、コンサートや録音でその作品をたびたび取り上げてきたトーマス・ビーチャム[1879-1961]は、1927年に『メサイア』の初の全曲録音をおこなった指揮者としても知られています。そのときの使用楽譜は当時一般的であったプラウト版でしたが、20年後の1947年、ビーチャムはその版に不満だったのか、今度は自身の編曲による比較的まともなヴァージョンを用いて2度目の全曲録音をおこなっています。
　これら2種類の録音はどちらも古いモノラル録音で、サウンド面ではかなり物足りないものだったこともあってか、飛躍的に音質が向上したステレオ時代が到来すると、ビーチャムは3度目の全曲録音を企図、どうせやるならと（？）、作曲当時の『メサイア』演奏が、ロンドンの一大イヴェントであったことを意識、友人の作曲家で指揮者のグーセンス[1893-1962]に現代的な編曲を依頼、それをもとにどこまでも派手に演奏して完成したユニークな『メサイア』がこのＲＣＡによる全曲盤です。
　トロンボーンやクラリネット、トライアングルまで含む大編成オーケストラを用い、ハレルヤ・コーラスではシンバルも入るなど、ド派手な響きに驚かされますが、叙情的な部分では息長い濃厚な美しさもみせるなど、極度に拡大された表現がマニアには大きな魅力となっています。
　さらに、オケや合唱だけでなく、歌手もなかなかのつわもので、ジョン・ヴィッカーズによるオテロばりの力強い歌唱など、けっこうクセになる要素も多数。話のタネにもなる非常に面白い『メサイア』です。（ＨＭＶ）

【収録情報】
・ヘンデル：オラトリオ『メサイア』全曲（ユージン・グーセンス編）
　ジェニファーヴィヴィアン（ソプラノ）
　モニカ・シンクレール（メゾソプラノ）
　ジョン・ヴィッカーズ（テノール）
　ジョルジョ・トッツィ（バス）
　ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団＆合唱団
　サー・トーマス・ビーチャム（指揮）

　録音時期：1959年4,6月
　録音方式：ステレオ（セッション）