隆明だもの

ハルノ宵子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784794973832
ISBN 10 : 4794973837
フォーマット
出版社
発行年月
2023年12月
日本
追加情報
:
296p;19

内容詳細

吉本家は、薄氷を踏むような家族?だった。
長女・ハルノ宵子が、戦後思想界の巨人と呼ばれる父・吉本隆明のことを綴る。
故人を讃えない、型破りな追悼録。
〈ハルノ宵子(長女)と吉本ばなな(次女)による「吉本姉妹対談」も収録〉

【著者紹介】
ハルノ宵子 : 1957年東京都生まれ。漫画家・エッセイスト。父は思想家・詩人の吉本隆明、妹は小説家の吉本ばなな(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    著者は吉本隆明さんの長女。「吉本家は、薄氷を踏むような家族だった」という一文が全てを象徴している。隆明さんと妻の和子さん、次女の吉本ばななさんと(そして、著者自身も)、登場人物のキャラが余りにも立ちすぎて、抱腹絶倒の面白さ。吉本隆明信奉者の幻想を粉砕してしまったのではと著者は心配するが、そんなことはない。ここに描かれている隆明さんの実像には、妙に腑に落ちる納得感がある。父と母を偽悪的に戯画化して描きながらも、深い理解と愛情に支えられた文章は、正に、吉本隆明全集の月報に相応しい素晴らしい連載である。面白い!

  • アキ さん

    「群れるな。ひとりが一番強い」と父に刷り込まれた長女で漫画家ハルノ宵子の父親に関するエッセイ。娘から見た父親は、タダのオヤジであり、かの吉本隆明でも同じである。吉本家は薄氷を踏むような家族であり、その緊張を長女の多子が和らげていた。天草生まれの隆明が西伊豆の海で溺れた1996年を境に戦前・戦後のランドマークとなり、ボケてからの下の世話も長女がした。しかし父の圧倒的な仕事の量と質、そして何の組織にも属さず大学教授などの定期収入もない中で家族と猫を養い続けてくれた並はずれたパワーに、感謝と尊敬と誇りを感じる。

  • どんぐり さん

    漫画家ハルノ宵子のエッセイと姉妹対談、菅原則生が著者に聞く“隆明だもの”の3部構成。「群れるな。ひとりが一番強い」と父・吉本隆明に刷り込まれたハルノ宵子が、父親と家族の思い出を語る。自傷タイプの母親、サヴァン症候群だったのではないかという父親、7歳差の妹吉本ばなな。お互いに踏み込んではいけない家族の領域があり、見ない聞かない言わないことでかろうじて“家族”が成り立っていた吉本家。そんな家族のエピソードがポロポロと出てきて、吉本隆明に抱く幻想を粉砕してくれる。→

  • ネギっ子gen さん

    【あの隆明が、友達から奥さんを奪ってしまった、と生涯悩んでた】吉本教信者の幻想粉砕本(笑)。書影:著者によるイラストが絶品。本文イラストも良し。父親や家族のことなどを綴った書。妹・ばななとの対談も収録。「吉本隆明全集」の月報連載等に加筆。宵子は、<詩はいつだって根底にあった。父の書物は、すべてに見える――と言ったら、私は頭のヘンな人だろうか。初期の正に人々を凍らせ、未来ある若者をドロップアウトに引きずり込むような、瑞々しくも暴力的な詩のことばは、なりをひそめても、詩と科学と霊性が、父の思想の地下水>と。⇒

  • まこみや さん

    夫婦喧嘩は犬も喰わない。余所の夫婦・家族のことはブラックボックスで内実はわからない、わかりたいとも思わない。この本に惹かれるのは他ならぬ吉本隆明の身内の証言だからである。キモは“高機能自閉症”という発言だろう。そう考えれば、隆明の飛躍した理論も、和子の幽明境を接する俳句の才能や長女に対する異常な支配依存も、娘たちのADHD的行動もすんなりと納得できる。やがて父も母もボケてゆく。それは著者にとって別な意味で修羅の道であったに違いない。この本は告発の書ではない。苛酷な体験を経てなお敬意と伴に鎮魂する書である。

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ハルノ宵子

1957年東京都生まれ。漫画家・エッセイスト。父は思想家・詩人の吉本隆明(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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