トマス・アクィナス

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君主の統治について 謹んでキプロス王に捧げる 岩波文庫

トマス・アクィナス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003362129
ISBN 10 : 4003362128
フォーマット
出版社
発行年月
2009年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,238,5p

商品説明

中世最大の哲学者であり、大著『神学大全』で知られるスコラ学の代表的神学者トマスの政治思想論文。西欧文学に伝統的な〈君主の鑑〉とよばれる文芸ジャンルの体裁にのっとり理想の君主像や統治の形態などを論じる本書は、トマスの著作のなかで政治学に関する唯一のものであり、またトマス思想全般の理解にも不可欠の書である。

内容詳細

中世最大の哲学者であり、『神学大全』で知られるスコラ学の代表的神学者トマスの政治思想論文。西欧文学に伝統的な“君主の鑑”とよばれる文芸ジャンルの体裁にのっとって理想の君主像や統治の形態などを論じる本書は、トマスの著作のなかで政治学に関する唯一のものである。“君主”とは、いかにあるべきか。

目次 : 生活を共にする人びとは誰か王によって慎重に統治されるのが必要であること。/ 生活を共にする人びとにとっては、一人の人間によって統治されるほうが、複数の人間によって統治されるよりも、より有益であること。/ 一人の支配が正しいがゆえに、最善であるように、その反対は最悪であること、そのことは多くの理由および論拠によって証明される。/ ローマ人の間で支配権はいかに変遷したか、またかれらの間ではむしろ多数者支配の国家がしばしば発達したということ。/ 多数の支配においては、一人の支配におけるよりも、しばしば僭主制的支配が生じること、したがって一人の支配のほうが優ること。/ 一人の支配が確かに最善であるとの結論。民衆はその人に対してどのような態度をとるべきか、を示す。それは僭主制に陥る機会をかれから取り除くことが必要だからである。そしてより大なる悪を避けるためにこの支配が認容されるべきであること。/ 本章で聖博士は、現に王の統治において主要な動機となるのは名誉か栄光のいずれであるか、そしてさらにそれらのいずれを守るべきか、について見解を示す。/ 本章で博士は、王をして善き統治へと促す真の目的とは何か、について説き明かす。/ 本章で聖博士は、王侯君主の報酬が天上の浄福において最高の位置を占めることを説き明かし、そのことを数多くの理由と実例によって指し示す。/ 王侯君主はそこより生じる自己自身の善と利益のために善き統治を熱心に求めねばならないこと。その反対から僭主制的支配が生じること。〔ほか〕

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヒロキです さん

    君主の統治について纏めた本。マキャヴェリの君主論と比べて、王の統治がどうしようもない時は神が助けると述べたりしていて宗教臭さがあって、中世の感じが強いが、マキャヴェリと異なり君主が如何にあるべきかもともかく、王政のメリットについて強調している所が特徴的であるとおもう。国民の気持ちを汲まない駄目な王は僭主となり最悪の体制にとげるとして僭主を激しく糾弾している。アリストテレスの抜粋が多かったので今後アリストテレスについても読めたらと思う。

  • Francis さん

    「神学大全」の聖トマス・アクィナスが政治学の著書を書いているのに驚いて購入。王制が一番望ましい政体としているが、一方で僭主政を批判するなど、スコラ哲学が参考にしたアリストテレスの考え方も取り入れられている。引用に「知恵の書」「シラ書」などあまり例のない旧約聖書の文献を用いてるのも興味深かった。解説も充実しており、読みやすく、面白い。

  • うえ さん

    「古代人の間では、力の強い者は誰でも「僭主」と呼ばれていた…もし不正な支配が…数名の人間たちによってなされる場合には、その支配は寡頭制、すなわち少数者の支配と呼ばれる…邪悪な支配が多数の者によってなされる場合には、民主制、つまり人民の支配と呼ばれる」「君主制はたとえそれが僭主制に転じることがあるとしても、そこから生じる悪は多数の貴族たちによる支配が腐敗して生じる悪に比べればより少ない」「僭主に対して反乱を起こしている間に、あるいは僭主を打倒した後に支配のあり方をめぐって、民衆は必ず党派に分裂する」

  • 1.3manen さん

    本文と解説が半々くらいの分量。「社会を形成する民衆にとっての善ならびに福祉とは、かれらの統一の保全であり、これが平和と呼ばれる」(25ページ)。平和は善と福祉なのだ。不正に権力を掌握した僭主からの恐怖の基盤は虚弱(71ページ)。人民、民衆を不幸にする。正しい行動は幸福なのだ(56ページ)。有徳な生活や人が集うのは共に善く生きること(86ページ)。民衆の善は永続的(93−94ページ)。商人は享楽に浸り、精神鈍化、身体虚弱(106ページ)。都市は環境悪化、ストレスで不健康な人が増えるのは現代も同じなのだろう。

  • Fumoh さん

    あの『神学大全』を著した聖トマス。その彼が書いた「君主論」。よくマキャアヴェリとの比較がされるが、現実主義的なマキャヴェリはルネサンス期の人物であることを考えれば、この聖トマスの「君主論」も実はけっこう大胆な論理であることが言えると思う。もちろん宗教性も大切だが、ここでは「論理性」に頼る箇所が随所で見られる。聖トマスなりの現実主義がこの形なのだと思う。宗教性への寄与を目的とするのでなく、実際に優れた君主を生み出すつもりでこの書は書かれていると思う。また理路整然とした、無駄の少ない論説も目立っている。良書。

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トマス・アクィナス

1224ころ?‐74。イタリアの神学者、哲学者、聖人。ロッカセッカの騎士の家に生まれ、5歳で修道院に入る。ナポリ大学でドミニコ会やアリストテレス哲学に接し、家族の反対に遭いながらもドミニコ会で修業を続け、パリ大学神学部教授に就任。イタリア各地のドミニコ会学校で講義しながらアリストテレス研究や新プラト

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