タヴナーの新作レクイエム
ペトレンコによる世界初演ライヴ
タヴナーの新作『レクイエム』は、リヴァプール・カルチャー・カンパニーの委嘱で「2008ヨーロッパ・キャピトル・オブ・カルチャー・プログラム」の一環として作曲されました。
近年、非西欧の混合した音楽的要素を作品に取り込み、1970年代にはロシア正教会に加わっているジョン・タヴナーは、この『レクイエム』について「今日、全ての伝統は互いに争っている。それゆえ永久の真実を自作の中で統合することに関心を持つアーティストにとって聖なるものが主要のものとなる。『レクイエム』はキリスト教のミサ、コーラン、スーフィのテキストとウパニシャドからのヒンドゥー教のテキストを含んでいる。...」とスリーブノートでコメントしています。
タヴナーはこの作品を、十字型の空間で演奏するように指示し、チェロが中央、合唱と金管は東側、弦楽合奏、トレブルとテナーのソロは西側、パーカッションが北と南に配置され、聴衆はこれらの演奏者の内側に位置して着席することになっています。
『レクイエム』の演奏は、首席指揮者のペトレンコ指揮するロイヤル・リヴァプール・フィル&合唱団と、イギリスの新進アーティストによっておこなわれています。
ウェールズ出身のソプラノ、エリン・マナハン・トマスはクリアな声質で古楽系グループで注目され、テナーのアンドルー・ケネディはボーレッティ=ブイトーニ・トラスト賞、2006年度ロイヤル・フィルハーモニー協会ヤング・アーティスト賞を獲得、BBCラジオ3の新世代アーティスト・スキームのメンバーでもあります。チェロのジョセフィン・ナイトは2005年BBCプロムスにデビュー、すでに世界のオケとも共演して活躍中。ヴァイオリンのパーマーはブリテン出身、クラシカル・ブリット・アウォードの2007年度ヤング・ブリティッシュ・クラシカル・パフォーマーを獲得しています。
【収録情報】
ジョン・タヴナー:
・『レクイエム』(世界初演)
エリン・マナハン・トマス(ソプラノ)
アンドルー・ケネディ(テナー)
ジョセフィン・ナイト(チェロ)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー合唱団
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
ワシリー・ペトレンコ(指揮)
録音時期:2008年2月28日
録音場所:リヴァプール・メトロポリタン・カテドラル
録音方式:デジタル(ライヴ)
・『マハーシャクティ』(ソロ・ヴァイオリン、タム・タム、弦楽合奏のための)
・『エターナル・メモリー』(チェロと弦楽合奏のための)
ルース・パーマー(ヴァイオリン)
ジョセフィン・ナイト(チェロ)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
ワシリー・ペトレンコ(指揮)
録音時期:2008年4月15日
録音場所:リヴァプール、フィルハーモニー・ホール
録音方式:デジタル(セッション)