基本情報
内容詳細
本書は、イスラム主義の過激な派生現象としてのジハーディズムと、移民とその子孫が構成する「フランスのイスラム教」とに焦点をあて、パリを襲ったテロの「起源」を描き出す。ヨーロッパ市民として育った若いイスラム教徒や改宗者が、家族環境、社会・経済・政治状況に方向づけられつつ、「アルカイダ後のジハード」の遂行者に変貌するプロセスのケーススタディである。ウェブ時代にあってイデオロギーの拡散に国境はない。日本人犠牲者も出た。本書を通じて浮かび上がるグローバル・ジハードのパラダイムは、ジハーディズムの今後の変転と世界の根本課題を再点検する上で、重要な示唆となろう。エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か?』への批判的論考を含む注目作。
目次 : プロローグ 「ブールの行進」から「『シャルリー・エブド』襲撃」と「バタクラン襲撃」へ/ 1 潜伏期―クリシーの暴動からサルコジ時代へ(二〇〇五年〜一二年)(二〇〇五年、転換期の始まり/ 「イスラム教徒の票」から「イスラム教徒票」へ/ メラ事件とコンテクスト)/ 2 噴出期―オランド大統領誕生から「『シャルリー・エブド』襲撃」「バタクラン襲撃」へ(二〇一二〜一五年)(フランスのジハード、シリアのジハード/ イスラム教徒票の逆転/ #シャルリークリバリ(#CharlieCoulibaly))/ エピローグ 「カラシニコフ」と「カール・マルテル」の間に
【著者紹介】
ジル・ケペル : 1955年生まれ。政治・社会学者。現代アラブ・イスラム世界研究。パリ高等師範学校地中海・中東研究講座ディレクター。パリ政治学院教授。ニューヨーク大学、コロンビア大学、LSE(ロンドン経済・政治学院)などで教鞭をとった。現代イスラム主義研究の先駆者として著書多数。大都市郊外でのフィールドワークによる「フランスにおけるイスラム教」、さらに「西洋におけるイスラム教」の研究でも著名
アントワーヌ・ジャルダン : フランス国立科学研究センター(CNRS)研究員。パリ政治学院欧州研究センター。パリ、マドリード、バーミンガム郊外の大衆地区における投票行動の比較研究で博士号取得(2014年)
義江真木子 : 東京大学仏語仏文学修士。フランス政府給費留学生として渡仏(パリ第3大学、パリ高等師範学校)。パリ在住。翻訳・リサーチ活動に従事。パリ第3大学通訳翻訳大学院(ESIT)講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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