啓蒙思想2.0 政治・経済・生活を正気に戻すために

ジョセフ・ヒース

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784757143197
ISBN 10 : 4757143192
フォーマット
出版社
発行年月
2014年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
488p;20

内容詳細

理性はどこでねじれたのか?メディアは虚報にまみれている。政治は「頭より心」に訴えかける。真実より真実っぽさ、理性より感情が優る、「ファストライフ」から脱け出そう!スロー・ポリティクス宣言。

目次 : 第1部 古い心、新しい心(冷静な情熱―理性‐その本質、起源、目的/ クルージの技法―あり合わせの材料から生まれた脳について/ 文明の基本―保守主義がうまくいく場合/ 直感が間違うとき―そして、なぜまだ理性が必要か/ 理路整然と考えるのは難しい―新しい啓蒙思想の落とし穴と課題)/ 第2部 不合理の時代(世界は正気をなくしたか―…それとも私だけ?/ ウイルス社会―心の有害ソフト/ 「ワインと血を滴らせて」―現代左派の理屈嫌い/ フォレスト、走って!―常識保守主義の台頭)/ 第3部 正気を取り戻す(砲火には砲火を―あるいは、なぜブタと闘うべきではないのか/ もっとよく考えろ!―その他の啓蒙思想からの無益な助言/ 精神的環境を守る―選択アーキテクチャー再考/ 正気の世界への小さな一歩―スロー・ポリティクス宣言)

【著者紹介】
ジョセフ・ヒース : 1967年カナダ生まれ。哲学者。ユルゲン・ハーバーマスとチャールズ・テイラーに学ぶ。現在、トロント大学教授(哲学・公共政策・ガバナンス)。専門書から一般読者向けの本まで幅広い著書がある

栗原百代 : 1962年東京生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。東京学芸大学教育学修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • koke さん

    ざっと再読。ハイトはもっぱら事実を語るが(人間は直感で動いている)、ヒースは当為を語る(それでも理性的であらねばならない)。だから、同じくらいユーモアに満ちているのにヒースの本には悲壮感がある。「理性は一種の社会事業(プロジェクト)」というくだりには、師であるハーバーマスを引き継ごうという意志が感じられる。

  • 朝ですよね さん

    人間は本来合理的に考えるのが苦手である。ファスト&スローなどの著書でも有名だが、日常的な判断のほとんどは直感的で合理性を欠いているものも多い。その根拠となる実験も多数。啓蒙思想1.0は人間を賢く改革する方向だったが、そのような人間の弱みを受け入れて克服するシステムを作ろうというのが啓蒙思想2.0。紙とペンが人間の計算能力を拡張しているように、政治的な判断を合理的に行うのも助けがいる。現状は直感に訴える方法が跋扈しており、これが成果を出してしまっている。

  • ほしの さん

    啓蒙主義≒合理主義、理性がいったん失脚して、保守派≒直感や素朴さが台頭するが、直感は認知バイアスのため系統的に誤る。なのでもう一度、理性的に考えようと流れ。時間をかけてゆっくりと考えようというスローポリティクス宣言。いろいろメモしながら読んだ。よくわかっていない点多数。文庫本買って読み直すかも

  • つっきー さん

    以前読んだ『社会はなぜ右と左に分かれるのか』に批判的な立場で、理性に限界はあってもそれでも理性は大事なんだ……という本(と理解)。保守派と宗教にちょっと厳しい笑。人がもっと理性的に考えられるように助ける社会を作ろう、というのは広告に関わってきた身としては魅力的なアイディアではあるんだけど行き過ぎず実現させるためにはどうしたらいいんだろうか……🤔

  • tkdmsk さん

    現在の政治状況は、事実や合理性をもとに議論を行うより、プロパガンダ手法を用いて強い感情を引き起こすことによって動いている。広告から政治に転用された感情に訴える技術や、なぜ理性に基づき行動することは難しいかを心理学や生物学、行動経済学の知見から解説していく。そして、理性の復権を目指すことを「啓蒙思想2.0」と名付け、賃金の下方硬直性に対するインフレの役割やLサイズのソーダ販売禁止法案などを例に取り、法や制度の改善による戦略を提案する。

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