ショスタコーヴィチ(1906-1975)

人物・団体ページへ

CD 輸入盤

交響曲第14番『死者の歌』 バルシャイ&モスクワ室内管、ミロシニコワ、ウラジミロフ

ショスタコーヴィチ(1906-1975)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CDVE04356
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Russia
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ショスタコーヴィチ交響曲第14番の初録音!
バルシャイ&モスクワ室内管の名演!


初演メンバーがおこなった完璧なセッション録音が、音質に定評のあるヴェネツィア・レーベルから登場。ながらく廃盤で入手できなかった名盤の待望の復活です! 

「死」に対するイメージを独自の視点から追求したショスタコーヴィチの傑作、交響曲第14番『死者の歌』は、初演をめぐるゴタゴタでも有名。ショスタコーヴィチは当初、ソプラノにヴィシネフスカヤを起用しようとしていましたが、多忙をきわめた大物歌手であったヴィシネフスカヤのスケジュールとはなかなか折り合いがつかず、一刻も早く初演にこぎつけたかったショスタコーヴィチは、彼女より6歳年下のミロシニコワに歌わせることを考えます。
 しかし、この人選をめぐって二人のソプラノ歌手の関係が険悪になってしまったため、指揮者バルシャイの提案により、1969年9月29日のレニングラード初演(世界初演)はミロシニコワが、1週間後、10月6日のモスクワ初演はヴィシネフスカヤが歌うことでなんとか結着したということです。
 なお、ミロシニコワは、公式初演に先立つ6月21日、関係者のためにおこなわれたモスクワでの非公式初演でも歌っており、すでに準備万端だったということもあってか、メロディア・レーベルがおこなったセッション・レコーディングでも彼女が起用されることになったようです。
 ヴィシネフスカヤはモスクワ初演の際、準備不足もあってか、出を間違えたりしていますが、翌1970年6月14日に、ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団による演奏や、1973年のロストロポーヴィチとのセッションライヴでは見事な歌唱で面目を保ちました(ブリテンはこの作品を献呈された人物)。

 ルドルフ・バルシャイは、1924年にソ連のラビンスカヤに生まれた指揮者でヴィオラ奏者。モスクワ音楽院でヴァイオリンとヴィオラを学びますが、在学中に弦楽四重奏の演奏に夢中になったバルシャイはヴィオラ奏者として音楽家活動を開始、ボロディン四重奏団とチャイコフスキー四重奏団の創設メンバーとなり、前者には1953年まで所属してヴィオラを担当。
 その後、バルシャイはレニングラード音楽院で、名教師イリヤ・ムーシンに指揮を学び、1955年、モスクワ室内管弦楽団を創設して指揮者としての活動をスタート。このオーケストラとの活動は、バルシャイが亡命するまでの20年以上におよび、バロック音楽から現代作品に至る幅広いレパートリーを演奏・録音し、厳しい練習の果てに到達した鍛え抜かれ引き締まったアンサンブルで大いに声望を高めました。
 実際、この演奏を聴いても、オーケストラの力強い合奏と精度には驚くほかなく、これに較べるとのちのケルン放送響盤はずいぶんと緩んだ演奏に聴こえてしまうほど。緊迫感みなぎるパーフェクトな名演です。

 弦楽合奏と打楽器群によって演奏されるこの交響曲第14番は、死にまつわる11のテキストに付曲した作品。グレゴリオ聖歌が引用されガルシア・ロルカの色彩豊かな光景を彷彿とさせる死者への祈りの詩を用いた第1楽章「深き淵より」から、コサックが「おまえの母ちゃんでべそ」的な悪口をスルタンにまくしたてる第8楽章のような音楽にいたるまで実に幅広い死のイメージを内包しており、ショスタコーヴィチが単なる静謐で美しい死のイメージといったようなものではなく、もっと複雑で現実的な痛みや苦み、恐れといったものまで表現しようとしていたことは明らかです。
 そうした音楽だけに、バルシャイ若き日のこの演奏が示す鋭利な感覚は作品にふさわしいものといえ、11の楽章すべてに一貫した完璧な仕上げも申し分ありません。ショスタコーヴィチ・ファン必携のアイテムといえるでしょう。

【収録情報】
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番ト短調 Op.135
 第1楽章「深き淵より」〜アダージョ
 第2楽章「マラゲーニャ」〜アレグレット
 第3楽章「ローレライ」〜アレグロ・モルト
 第4楽章「自殺者」〜アダージョ
 第5楽章「用心して」〜アレグレット
 第6楽章「マダム、ごらんなさい!」〜アダージョ
 第7楽章「ラ・サンテ監獄にて」〜アダージョ
 第8楽章「コンスタンチノープルのスルタンへのザポロージェ・コサックの返事」〜アレグロ
 第9楽章「おお、デーリヴィク、デーリヴィク」〜アンダンテ
 第10楽章「詩人の死」〜ラルゴ
 第11楽章「結び」〜モデラート
 マルガリータ・ミロシニコワ(ソプラノ)
 エフゲニー・ウラジミロフ(バス)
 モスクワ室内管弦楽団
 ルドルフ・バルシャイ(指揮)

 録音時期:1970年
 録音場所:モスクワ
 録音方式:ステレオ(セッション)

・ムソルグスキー/ショスタコーヴィチ編:歌曲集『死の歌と踊り』
 イリーナ・アルヒーポワ(メゾ・ソプラノ)
 ソ連国立交響楽団
 エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)

 録音時期:1989年3月27日
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

総合評価

★
★
★
★
★

4.5

★
★
★
★
★
 
4
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
1
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
バルシャイ以下、初演メンバーによる交響曲...

投稿日:2012/10/11 (木)

バルシャイ以下、初演メンバーによる交響曲第14番の演奏とショスタコーヴィチがオーケストレーションをしたムソルグスキイの歌曲集『死の歌と踊り』をスヴェトラーノフの指揮、イリーナ・アルヒーポワの独唱で。 ムソルグスキイの音楽を理想としていたショスタコーヴィチ。声と管弦楽の関係を考えさせる一枚。

ユローヂィヴィ さん | 大阪府 | 不明

2
★
★
★
★
★
このCDにはカプリングで女声と管弦楽による...

投稿日:2011/06/04 (土)

このCDにはカプリングで女声と管弦楽による4曲の歌曲集がカプリングされていました。ロシア語のクレジットが読めないのですが、ムソルグスキーの「死の歌と踊り」でしょうか?ゾクゾクするような、おそろしいほどの名演でした。ぜひ、本ページ上で演奏内容を公開していただけないでしょうか? またバルシャイの第14交響曲はモスクワ初演時のライヴ録音も出ていましたが、こちらのスタジオセッション盤ではそれとは独唱が二人とも違っています。ライヴでは鬼気迫る一発勝負なところがあり、作曲当時の緊迫した状況まで伝わってくる迫真の真実味がありましたが、こちらではスタジオセッションということもあり、もう少し落ち着いて、バルシャイが描こうとしているこの音楽の意味を冷静に味わうことができます。異常なまでに覚醒した、研ぎ澄まされた名演奏と思います。 こちらもぜひ、録音データを本ページ上で明記していただけると嬉しいです。 素晴らしいCDに巡り合えたことに感謝。

kaonashi1208 さん | 神奈川県 | 不明

1
★
★
☆
☆
☆
レビューを読んで買いました。 確かに演奏...

投稿日:2009/12/11 (金)

レビューを読んで買いました。 確かに演奏はとても迫力がありました。 しかし、残念なことにロシアの録音にありがちなとてもひどい録音です。ハスキーというか、高音がきつくてとても聴くに堪えません。 トーンコントロールをどぎつくいじって聴いてみましたが、そこまでするくらいであれば最近の良い録音ので聴いた方がずっと楽しめます。 まだ1回しか通して聴いていないので、内容についての詳細なコメントは出来ませんが、一般向けではなくてマニア向けという位置づけになるのではと考えられます。

0

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

ショスタコーヴィチ(1906-1975)

「わたしの交響曲は墓碑である」という“証言”の中の言葉によって象徴されるショスタコーヴィチの音楽と生涯への価値観の変質は、今もって盛んな議論と研究、演奏解釈によって再認識過程の最中にあるとも言えますが、作品によってはすでに演奏年数も75年に及び、伝統と新たな解釈の対照がごく自然におこなわれてきているとも言えそうです。 圧政と戦争の象徴でもあったソビエト共産主義社会の中に生き、そして逝ったショスタコ

プロフィール詳細へ

ショスタコーヴィチ(1906-1975)に関連するトピックス

交響曲 に関連する商品情報

おすすめの商品