シュトラウス、ヨハン2世(1825-1899)

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CD 輸入盤

喜歌劇「こうもり」 ギューデン/パツァーク/クラウス/ウィーン・フィル/ウィーン国立歌劇場管

シュトラウス、ヨハン2世(1825-1899)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8110180
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD

商品説明

クレメンス・クラウスがウィーン・フィルを指揮してスタジオ録音した、《こうもり》の台詞抜きの全曲盤。
 とくれば、いわずと知れたデッカの名盤である。それがなぜナクソスから出るかというと、初発売から50年が経過して、著作隣接権が公有になったからである。つまり、クラウスの《こうもり》のLPの再生音を録音してCD化して販売する(いわゆる、板起し)ことを誰がやっても、自由になったということなのだ。
 SPではこれまで当然のように覆刻レーベルが行なってきた「板起し」だが、対象がLPとなると、違和感を抱く人がいるかも知れない。しかし海外ではデッカ本社がこの録音を冷遇しているせいか(国内盤は出ている)、ナクソス以外にもパールやプライザーなど数社が競合して、この録音の「板起し」CDをすでに発売している。価格もさまざま、音質もさまざま。ここではその優劣を論じることはしないが、SP覆刻の場合と同様に、同じレコードなのにそれぞれに個性がある。
 このように各社が競合覆刻するほどの人気をもつ、クラウスの《こうもり》。ウィーン生まれの指揮者、ウィーンの舞台で活躍した歌手たち、そしてウィーン・フィルと、「古き良きウィーン」を伝える音楽家たちによる、もっともウィーン的なレコードとして知られてきたものだ。
 しかしレコードには常に、ある種の嘘がある。たとえば、この録音に参加した顔ぶれによって、ウィーン国立歌劇場での舞台上演があったかを、考えてみよう。
 結論を先に言えば、ない。
 ウィーン国立歌劇場の1945年から95年までの公演記録をまとめたクロニクがあるのだが、それによると45年11月には戦後最初の上演が行なわれ、それから50年間に347回も公演されている。《カルメン》が同期間に416公演だから、かなりの頻度といえるだろう。 レコード録音が行なわれたのは50年の9月だが、3ヶ月前の6月18日にフォルクスオーパーで(当時の国立歌劇場はテアター・アン・デア・ウィーンとこの歌劇場に間借りしていた)新演出の初演が行なわれている。

 となれば、この新演出と録音とは密接に関係しているのではないかと考えたくなるのだが、これが全然そうではない。初日の指揮はアントン・パウリクだし、配役も共通するのはロザリンデ役のギューデンただひとり。この演出はその後5年間に99回上演されたが、ブリント役のヤレシュが88回出たのをのぞくと、レコードの出演者ではペルとリップの名がギューデン以外で散見されるにすぎない。パツァークやデルモータは、まったく歌っていない。

 さらには肝心の指揮者に、クラウスの名がないのである。75回をパウリクが指揮し、残りもアッカーマンなど数人が分担していた。クラウス自身は《マイスタージンガー》や《火刑台上のジャンヌ・ダルク》などを振るのに専念して、このオペレッタを戦後のウィーンで指揮することはなかった。

 そもそもクラウスの生涯を通じて、《こうもり》は13回しか指揮していないという。それもどうやら、駆け出し時代の地方小歌劇場での話らしい。
 そんな指揮者と歌手たちが集まって、つくりだした「名盤」。この演奏の魅力のひとつである「品の良さ」は、あるいは舞台経験の乏しさこそが生んだものなのかも知れない。「レコードの嘘」の妙である。

ユーザーレビュー

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現在この音源は、ナクソスやパール等々、様...

投稿日:2011/03/09 (水)

現在この音源は、ナクソスやパール等々、様々なレーベルから発売されていますが、今の所、本家であるデッカから発売されたCDは、この品番が一番新しいようです。 1950年録音で音質は良好と言って良いでしょう。 全曲盤ではありますが、台詞は収録されていません。 昔から名盤として名高い音源だけあって演奏・歌唱共に完璧と言って良く、『こうもり』を初めて聴く方にも、お勧めの一枚です。 解説書にはこうもりのストーリーと出演者のプロフィールは載っていますが 、歌詞対訳はありません。

レインボー さん | 不明 | 不明

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