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0 people agree with this review 2019/12/01
マーラーの『嘆きの歌』にヤナーチェクの『ヴァイオリン弾きの子ども』とはいかにもロジェストヴェンスキイらしい選曲だ。(2曲は別の日のライブ録音。) マーラーはオペラの指揮をしていただけに声楽に対する作曲技術が大変優れており、交響曲に声楽を伴う作品もあるが、声楽が中心となる規模の大きな作品はこのカンタータ『嘆きの歌』の他に『大地の歌』しかないのは残念な事だ。 『嘆きの歌』がこんなに素晴らしい作品とは知らなかった。 ロジェストヴェンスキイのマーラーは交響曲第5番のライブ録音が出ていたと思うが、交響曲全曲を演奏したことや、録音はあるのだろうか? この『嘆きの歌』の素晴らしさから考えて、ロジェストヴェンスキイはマーラー演奏に関して抜群のセンスを発揮することは間違いないだろう。 最近、ICA CLASSICSからBBCのアーカイブからの録音がリリースされていないようでさみしい。 引き続きロジェストヴェンスキイやロシアの指揮者・演奏家の秘蔵録音を発売して欲しい。
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しかしロシア・ソヴィエトには一体どれだけ優れた作曲家がいるのだろう。 ここにはバズネルの『弦楽四重奏曲第1番』、オクネフの『弦楽四重奏曲第2番』、スロニムスキイの『アンティフォン』、チェルノフの『弦楽四重奏曲第1番』、プリゴージンの『弦楽四重奏曲第1番』を収録している。 演奏はタネーエフ弦楽四重奏団。 ロシアのレコード会社とは言え、これだけマイナーな作品を商品にしてくれているNORTHERN FLOWERSに感謝。
0 people agree with this review 2019/11/30
いづれも名演です。 BBC交響楽団が大変素晴らしい演奏をしている。(チャイコフスキイでは少しミスをしているが、それを吹き飛ばすくらいの勢いがある。) ロジェストヴェンスキイ指揮によるチャイコフスキイの交響曲第5番は、モスクワ放送交響楽団、ソヴィエト国立文化省交響楽団、ロンドン交響楽団の録音を聴いたが、ロジェストヴェンスキイの指揮は基本的に一貫しているが、オーケストラによって受け取りかたの違いなどが出てくるのがやはり面白い。 ロジェストヴェンスキイのレパートリーの中でヤナーチェクはぴったりの作曲家だと思うが、録音は少ないのではないだろうか? この『タラス・ブーリバ』だけでなく、『シンフォニエッタ』も演奏していそうだが、実際はどうなんだろう。あるのなら聴いてみたい。
1975年4月17日、ロイヤル・アルバートホールでのライブ録音。 音質はとてもいい。 スヴェトラーノフとロンドン交響楽団の相性も良く、ブラームスの交響曲第3番はロマンチックな部分と力強さとのバランスがとてもいい。 ボーナストラックと言うことだが、ショーソンの『愛と海の詩』は是非とも全曲聴きたい。
1 people agree with this review 2019/11/29
交響曲第19番『輝かしき5月』は交響曲第17番から始まった戦争三部作を締めくくる作品。作品番号が進むにつれて作品が明るく、分かりやすくなってきている事がわかる。 戦争の悲惨な面を最も感じさせるのが第17番。 第18番は詩によって戦争の悲惨さが訴えられているが、悲しみを乗り越えて平和への希望が感じられる。 そして第19番に至ってヴァインベルクは戦争体験を乗り越えられたのではないだろうか? 第19番はヴァインベルクの交響曲の中でも特にシンプルな音楽に感じられた。 交響詩『平和の旗印』も交響曲第19番同様にシンプルで直接的な音楽になっている。
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0 people agree with this review 2019/11/29
交響曲第18番はショスタコーヴィチの影響から離れ、ヴァインベルク自身の音楽語法で戦争という悲劇を語った作品と言えるだろう。 オーケストラと合唱のための交響曲で、詩による直接的な表現もあり、ヴァインベルクの作品の中では一回聴いただけでスッと頭に入ってくる作品だ。 『トランペット協奏曲』はヴァインベルクの遊び心が感じられる作品。
0 people agree with this review 2019/11/28
ヴァインベルクはオペラ、交響曲、協奏曲、管弦楽曲、弦楽四重奏曲、器楽曲、声楽曲に至るまで様々な作品を残した。 その中で器楽曲に傑作が多いのではないだろうか? 無伴奏チェロ・ソナタはその中でも特に注目に値する作品だ。
ここにはオレスト・イェヴラーホフとユーリ・ファリクとセルゲイ・スロニムスキイの交響曲を収録している。 イェヴラーホフの交響曲第3番はソヴィエトという時代を反映したシリアスでとても聴き応えのある作品。 スロニムスキイとファリクの作品は近年、NORTHERN FLOWERSを通じていくつかの作品を聴く事が出来るようになった。 二人とも大変興味深い作曲家だ。
ルイジ・マウリツィオ・テデスキ(1867〜1944)はイタリアの作曲家。 テデスキが生きた19世紀後半から20世紀中頃は2つの世界大戦もそうだが、音楽にとっても激動の時代だった。しかしテデスキの音楽は人の心に優しく静かに語りかける音楽を作曲した。 ここにはヴァイオリンとハープ、チェロとハープ、ヴァイオリンとチェロとハープの三重奏など、ハープを用いた室内楽作品が並ぶ。
0 people agree with this review 2019/11/27
これは名盤です。 ハープ独奏によるとても美しい作品が並んでいる。 眠りにつく前に聴きたい1枚。 1日の疲れや日々の緊張や刺激を和らげてくれる。 ハープは華やかでありながら、静かな響きなので心を落ち着かせることが出来るのだろう。 ここに収録された作品は全て初めて聴いたが、どの曲も心の深い部分まで静かに染み渡っていく。
2 people agree with this review 2019/11/27
歌劇『アッシジの聖フランチェスコ』は観る・聴く、というより体験する音楽かもしれない。 オンドマルトノの音色はこの作品を宗教的というより宇宙的な音楽のように感じさせる。 指揮者やソリストは海外から呼んでいるものの、日本のオーケストラと合唱団でこのように世界的なレベルの演奏が出来るのだから、日本の演奏家の水準の高さは誇るべきものだろう。 カンブルランは複雑なこの作品を、時に単純なものに感じさせてくれる。
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サルマノフ、スロニムスキイ、プリゴージン、ファリクによるソヴィエト時代の合唱作品を集めた録音。 これは単に珍しいというだけではなく、合唱曲・声楽曲に興味のある方には是非とも聴いて欲しい1枚だ。 特にスロニムスキイの『静かなドン』は合唱だけでここまでの世界を描けるのかと感心した。 合唱作品なので詩によって具体的に物語世界を歌うのは勿論、詩を彩るメロディーやハーモニー、リズムだけでも『静かなドン』の豊かな世界を表現している。 演奏している合唱団は力強く、表現力がとても高い。
1 people agree with this review 2019/11/26
クレーメルのヴァイオリンの音は70代に入った現在、さらに研ぎ澄まされ、若々しさも感じられる。 クレーメルがヴァインベルクの作品にかける並々ならぬ思いが、演奏の端々から聴こえてくる。 ヴァインベルクの作品が単なる流行ではなく、この先も演奏され続けるために、クレーメルのような名演奏家によってこのような素晴らしい録音が生まれてくる事を期待したい。
0 people agree with this review 2019/10/31
これはとても価値ある素晴らしい録音だ。 日本人が西洋音楽に出会ってすぐに、これほど芸術性の高い作品を作曲していたとは。 はじめて聴いた時は近代フランスの作曲家の作品かと感じられたが、この控えめな響きは日本人ならではの感性なのかもしれない。 山田耕筰のピアノ作品がコンサートのプログラムに並ぶ日が来ることを期待したい。
この作品では王の愛妾という立場であるためか、主役にメゾ・ソプラノを用い、影を持った独特のキャラクター設定になっているのが面白い。 第2幕ではバリトンのための美しいアリアもあり、またバリトンとメゾ・ソプラノの美しい二重唱もある。 ドニゼッティの作品と言えば『ランメルムーアのルチア』や『愛の妙薬』がまずあがり、『ラ・ファヴォリータ』はあまり知られていない作品になるが、個人的にはこの作品の方が興味をひかれた。 バリトンのガブリエル・バキエはいくつかの録音で聴いていたが、3枚目の役柄のイメージがあり、この作品での端正で丁寧な歌い方にびっくりした。
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