トップ > My ページ > avocado さんのレビュー一覧

avocado さんのレビュー一覧 

検索結果:4件中1件から4件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/03/20

    「天球の音楽」というタイトルを表すようにジャケットに2つの天球があしらわれているが、アルバムは「ジュピター」と「同心軌道」を2つの軸として構成されている。前後半で色調は乖離しているものの、演奏が素晴らしいので全体として楽しめる一枚に仕上がっている。◆

    第1部は「ジュピター」1曲。このアルバム・コンセプトではむしろ凡庸な選曲にも思えるが、この曲にまだこんな可能性があったと感じさせてくれる快演。切れ味よく、同時にチャーミングな味付けも適度に加わっていてとても魅力的。オケが暗譜して臨んだだけあって、コロンの思い描く世界を余すところなく表現している。◆

    第2部は「同心軌道」と小品3曲。リヒターの「ジャーニー CP1919」(CP1919は中性子星の名)は第2部冒頭にふさわしく、静かな反復で音楽が紡がれる曲調はその名の通り遥かな旅の始まりを感じさせてくれる。リヒターの神秘的な響きが美しいダウランド「時は立ち止まり」を経て、アデス「同心軌道」に到る展開がなかなかいい。「同心軌道」は硬質な音に陥らず、繊細に表現された演奏。異色のデヴィッド・ボウイ「火星の生活」(ジョン・バーバー編)はアンコール・ピース的。ボウイに敬意を表するような歌唱で、火星というより、地球に帰還したような安堵感と共にアルバムは閉じられる。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/03/16

    合唱協奏曲を聴けばシュニトケが天才だったことがよく分かる。4つの楽章それぞれがとても個性的。音の雫が垂れるような「ア・レ・ル・ヤ」の響きを基調とし、「黒い悲しみに満ちた歌」を捧げる人が一人ひとり列挙されてゆく第2楽章で、最後「アレルヤ」に戻る瞬間は魔法がかかったかのよう。詩を主に捧げる第4楽章では希望の光が射すが、40分近い作品にあって、美しくも儚さすら感じさせる短い楽章で、曲がいつまでも続いていてほしくなる。◆Chandosからリリースされているポリャンスキー&ロシア国立シンフォニック・カペラの力強い演奏(ポリャンスキーはシュニトケを宗教合唱曲に導き、この曲の初演もした)、BR Klassikからリリースされているペーター・ダイクストラ&バイエルン放送合唱団の安定感ある合唱も魅力的だが、このトヌ・カリユステ&スウェーデン放送合唱団のガラスのように精緻なハーモニーは聴き手を精神的な世界の高みに連れていってくれる。◆10人の女声とヴィブラフォンのための「自然の声」は、バイエルン放送合唱団盤よりヴィブラフォンとの声のバランスがよい。ペルトの3作品は、どれも明るい曲調で美しいが、個人的にはペルトにはもっと別のもの──暗く静謐な世界を求めてしまう。アルバムとしては合唱協奏曲だけで聴きごたえある充分な内容だと思う。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/03/10

    1992年のリリース時に初めて聴いたときは随分淡白な演奏だと感じたけれど、あれから30年近く経ち、もっともよく聴いてきたモーツァルトのレクイエムは、このサヴァール&ル・コンセール・デ・ナシオン盤でした。感情過多なバーンスタイン&バイエルン放送交響楽団盤とは対極的な表現で、悲しみに静かに寄り添ってくれる演奏です。アンサンブルのレヴェルが高く、フリーメーソンのための葬送音楽からのつながりも美しい。くり返し聴きたくなる大切な一枚。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/09/08

    万人受けする作品ではありませんが、この監督を気に入っている人には、何度となく見返したくなる、かけがえのないDVDとなるでしょう。

    作品の選択に疑問を投げかけているレビューがあります。確かに、ソクーロフ初のDVD-BOXということを考えると、より統一性のある作品選択も考えられますし、「静かなる一頁」など、かつてイメージフォーラム・ビデオからリリースされていた4作品をはじめ、DVD化が待ち望まれるものがいくつもあります。しかしながら、それでもこれはソクーロフ入門として悪くない3作品だと思います。ソクーロフ作品になじんでいない方は、制作年代をさかのぼる形で、「ファザー・サン」、「日陽はしづかに発酵し・・・」、「孤独な声」の順で観ることをお薦めします。特に、ストーリーも分かりやすい「ファザー・サン」の映像の美しさは、多くの人の心に響くことでしょう。ディスクごとに付けられている解説が詳細かつ分かりやすく、作品理解を助けてくれます。ストーリー表層の底に静かに流れる心の対話に耳を傾けてください。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:4件中1件から4件まで表示