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老マニア さんのレビュー一覧 

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     2011/06/02

     日本では上演される機会が滅多にない「試金石」が、マドリド王立歌劇場盤に続いてシャトレ座で収録されたビデオが相次いで発売され、渇が癒された感があるが、本作は斬新さと個性的なところがウリと言って良さそう。舞台は、家や動植物のミニチュアや小動物などと登場人物とを別々のカメラで撮って合成し、舞台上のスクリーンに投射しながら進めるというユニークなもので、人が平気で池の中を歩けたり、カレーライスを食べている皿の端に人がポンと乗る、などの場面には思わず目を惹きつけられ、会場から笑いを誘ってもいるが、ただこうした表現法が、ドラマの進行とマッチしているのかには些か疑問が持たれた。つまりロッシーニが本来描こうとしたであろうストーリーは、舞台上の変化に目を奪われるうちに何処かに行ってしまい姿が見えなくなってしまう。もとより制作者側の意図も其処にはなく、もしかすると人はいろいろな形で試されるもの、というテーマにすり替わっているのかも知れない。活力に溢れ颯爽としたスピノージの音楽に乗って、ブリーナ(クラリーチェ)やフランソワ・リス(伯爵)など古楽系の歌手達の生き生きとした歌唱が聴けるが、わけても新国立でスザンナを歌うはずだったラウラ・ジョルダーノの良く伸びる声と容姿がチャーミングであった。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/28

     小さなプールを設えた舞台は、白を基調に柱や壁を黒と赤であしらった瀟洒な2階建て別荘。展開するお話は、莫大な遺産を相続した若き伯爵が、近づいてくる女性ばかりでなく男性をも、その真情を試すプロセスを軸にしているが、また伯爵自身の女性への真情も、当の女性の不在によって始めて明らかになるという粋な筋立て。我が国でもお馴染みになったゼッダが、紡ぎ出す躍動的な音楽をバックに、今やロッシーニ・フェスタ常連の歌手達7人が、次々と繰り出すアリアや重唱に目と耳を奪われ、スタンダールがロッシーニ随一のブッフォと絶賛した作品の魅力をたっぷり堪能できる。21才のロッシーニがスカラ座で大成功を収めたという舞台を、彷彿させるような見事な仕上がりと言って良さそうで、ハイ・デフィニッション収録による鮮やかな映像がその魅力に華を添えている。

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     2011/05/27

     カラフルかつ細密画像のブルーレイを堪能できる感激の一枚! ギャラントな序曲が終わって幕が上がると、舞台装置のひとつ一つや人物一人一人が、見事に描かれバランス良く色分けされていて、思わず美しいと見惚れてしまう。演出、装置、衣装の見事なハーモニーは最後まで続いて、バレンボイムの引き締まった指揮による演奏と共に、記念碑的な公演であったことを伺わせる。2010年に来日したネトレプコ主演のロイヤルオペラが頗る地味な作りだったから、これがかっての東独・ベルリン歌劇場の公演?と驚嘆するばかり。2幕のマノンとデ・グリューによる枕合戦も艶めかしいし、全体に華やかさが際だち、ネトレプコの変身振りにも目を奪われるので、マノンとデ・グリューの苦悩は後退した印象を免れないが、マスネーの描きたかった目眩く狂おしい青春のドラマを、これは見事に現出した舞台と言えるのではないでしょうか。部分的なカットも、ストーリーを分かりやすくしていて、BDプレーヤーをお持ちの方にはお勧めの一枚です。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/20

     表情豊かだけど、もう少し軽やかさも欲しいなぁと序曲を聴くうちに、幕が上がると舞台は何とも古典的な街中の一角。楽隊の人数が多すぎてゴタゴタし、次いで登場する伯爵そしてフィガロも、何か垢抜けないという印象だったが、結局それが最後まで一貫して本公演を特徴づけるものとなっていたようだ。生真面目で誠実さがまぶじいメーリは、伊達男の軽薄さとは無縁だし、ベテラン・フロンターリにも、あるのは軽やかよりは力強さ。受けて立つデ・シモーネはじめ脇役にも、簡単には騙されないしっかり者が伺えたので、1幕終わりのドタバタ騒動は、冗談でしょうというおかしさよりは、真に迫るリアリティに富んでいたし、また2幕でロジーナが、リンドーロと伯爵が同一人物と分かって感極まる感激が、鮮やかに浮かび上がって観る者にも良く伝わって来た。リナ・シャハムにはもう一息艶っぽさが欲しいが、それも無い物ねだり、フレッシュな純粋さが本公演ではピッタシだったというべきでしょう。伝統的な、しっかりした力演を味わえるフェニーチェ版セビリャでした。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/18

    大がかりな装置だが色調が全体にクールで、ダンサー達は皆細身、主役二人の動きも少なく、いわば贅肉をそぎ落としている為、人間的な煩悩の苦しみの部分は後退していて、昇華へと向かう象徴的な表現に徹した仕上がりになっている。これに対して暖色系の色調のもとで、エヴァ・メイのチャーミングな肢体が存分に披露され、諭す筈のペルトゥージが次第に幻惑されタイスの虜になって行くが、やがて浄化されたタイスから救済されるというプロセスが、ピッツィ&ヴィオッティ盤では大変分かりやすく素直に共感を呼ぶものになっていた。知的な表現がお好みの方は本盤でしょうが、ごてごて衣装を身にまとい豪華=醜さが強調されたフリットリを見るのは、ファンとしてはかなり辛いものがありました。
     

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/18

     鮫島さんの古典的なベスト盤ですが、お徳用の廉価版になった上にブルーレイースペック化されて、音が一段とフレッシュ且つ生き生きとした感じになった印象、お勧めの一枚です。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/14

     聴き始めは線が細く、繊細な表情付けに意外な、これまで聴いてきたベートーヴェンとは違うといった印象にとらわれますが、聴き進むうちに楽章をを、また曲全体の構成を見直して成る程と納得することになります。
     たとえば「春」を、伸びやか且つ典雅なグリュミオー&ハスキル盤で楽しんできた耳には、本盤の第1楽章などチマチマしてすっきりしないのですが、二つの楽器の緊密なやり取りが第2楽章で一層発展して行くのを聴いて納得するのですし、また「クロイツェル」をオイストラフ&オボーリンの粘り着くような情緒纏綿たる演奏に、申し分なくリアルだけど聴くのが億劫になっていた身には、余分な思い入れを捨てて、むしろ端正といえるほどの二人の細やかなやり取りを聴くと、ホッとし救われたような、これから明るい未来が切り開かれるような気分に誘われます。
     数多ある名手の演奏にまとわりついていた垢を一切洗い流し、ファウスト&メルヒコフが吟味し合って再構成した成果が全集に披瀝されていて、それは新たな時代の到来といって良いのではと思えたことでした。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/14

     古楽器を用いた穏やかな演奏で、安心して浸り込めるモーツァルトのフルート四重奏曲集です。しかも典雅なオーボエ四重奏曲がオマケで付いていて、頗る安価という超お徳用盤、どうぞ気軽にお手元に。

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