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バッハ(1685-1750)

SACD マタイ受難曲 ヤーコプス&ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団、ギューラ、他(2SACD+DVD)

マタイ受難曲 ヤーコプス&ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団、ギューラ、他(2SACD+DVD)

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    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2014年07月26日

    昨秋、輸入盤を購入して以降、数回聴き返しました。演奏の質の面で、疑いなくここ数年のマタイ受難曲演奏の中でトップクラス、ひょっとすると完成度の点のみからすると、S.KuijkenのOVPP盤を上回るかも知れませんが、同時に非常に難しい、色々な事を考えさせられる演奏と思います。まずこれほど、全体の音楽の流れ、響きの構築を何よりも優先したマタイ受難曲は、鈴木雅明盤位しか思い当たりません。演奏のどこをとっても、刺激的な響き、突発的な中断といった瞬間がなく、一見劇的に思える瞬間もすぐ全体の美しい音楽の流れの中に埋没していきます。細部・瞬間から全体に至るまで、少なくとも1-2度マタイ受難曲を聴いたことのある人なら、マタイはこう、という漠然とした音楽のイメージから裏切られることがほとんどないはずで、いろんな意味で最大公約数的演奏が極めて高い質の演奏で実現されており、これほど聴きやすいマタイはちょっと珍しいかも知れません。このような音楽にももちろん、人によって色々な観賞法があると思うのですが、例えばマタイ受難曲の物語の意味・歌詞の内容などにほとんど興味がなく、ただひたすらここにある美しい音楽に浸りたい方にとっては、これ以上の演奏はちょっと無いと思います。それくらい、響きと演奏外形があくまで重視された演奏であり、逆に自分に課題を突きつけられ、人間としての内面を揺さぶられることの無い演奏です。バロック・オペラの第一人者として、バロック声楽の様式化された再現を得意とするR.Jacobsならではと言えるかも知れません。ただ、自分のようにマタイ受難曲を、西洋キリスト教文明の根源的秘密を明らかにし、自分の生きる意味に(時には不快なまでに)向き合わせられる芸術と考える人間にとっては、過去のいくつかの、それこそ己の存在を削ってまで成し遂げたような命がけのマタイ演奏に比較して、どうしても意味の大きいものにはなり難そうです。ただ、芸術に向き合うのは個々人の生き方であり、この全体の響きをあくまで重視した完成度の高いマタイ受難曲演奏も、おそらく何らかの存在意義を有しているとは思われます。ちなみに、R.Jacobsは(おそらく彼自身の理想とする響きの完成度を高めるために)、かなり個性的なテンポ変動や強弱の動かしを行っており、彼自身がC-Tで参加したLeonhardtや昨今のS.Kuijkenなどに較べると、Richter盤などとは別の意味で、有る程度恣意的な性格の演奏と言えるかも知れません。

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