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バッハ(1685-1750)

SACD マタイ受難曲 ヤーコプス&ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団、ギューラ、他(2SACD+DVD)

マタイ受難曲 ヤーコプス&ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団、ギューラ、他(2SACD+DVD)

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    マスター・ヘルシー  |  岡山県  |  不明  |  2022年08月25日

     マタイは今までカラヤン盤、マクリーシュ盤、アーノンクール盤、リリング盤と聴いてきたが、長大さやエヴァンゲリストやイエスの語り、古楽演奏特有の薄くて硬い響きに中々馴染めず、途中で聴くのを止める始末だった。特にマクリーシュ盤は古楽系のしかも各パート1人のOVPP(One Voice Per Part)という最少数編成のオーケストラとソリストという構成で兎に角演奏の厚みが薄く、合唱を好む自分にとっては馴染まない演奏だった。けれど鈴木雅明盤のヨハネ受難曲を聴いて感動した後、再びマタイに挑戦するに至った。この時に至るまで20年以上掛かったわけだ。マタイ受難曲という人類最高峰の神曲は聴き手に威圧的で敷居の高いものだった。  自分が入手したのは日本語訳解説書付きのもので普通のCD二枚組なわけだが、どのみちSACDを聴けるプレイヤーは持っていなかったし、特典のDVDも日本語字幕の無い代物だったわけだから、CD国内盤以外の選択肢は無かった。この日本語解説書なんだが、ヤーコプスのマタイの演奏における時代考証や演奏形態の解説が実に読み応えがあり、これだけでも国内盤を買った甲斐ががあったというものだった。ヤーコプスはマクリーシュやクイケンのような少数編成の演奏に対して否定派であり、その説明の中でも「記念碑的作品が貧相な小品にようになってしまう」という言葉には痛快感を覚えてしまった。他にも個人の声量が作品よりも重要になるやら、中規模以上の編成の方が謙虚な演奏になるやらと少数編成嫌いの自分にとっては胸がすっとする内容が書かれていたので少数編成で迫力に欠ける演奏がイヤだと思った人達には是非読んで欲しいと思う。  さて、前書きが長くなったこのヤーコプス盤は一言で言えば「一番派手なマタイ」だ。ヤーコプスの指揮の下、世界最高峰の古楽室内楽団のベルリン古楽アカデミー、古きドイツの伝統を受け継ぐこれまた世界最高峰の合唱団のRIAS室内合唱団という鬼に金棒というべきハルモニアムンディ最強の演奏集団で構成されている。RIASは最高潮に減り張りの富んだエッジの効いた合唱を聴かせてくれる。特にハイテンポで歌う場面ではどこまで滑舌が良いのかというほどの超絶早口で一糸乱れぬアンサンブルで歌うという離れ技を披露してくれる。かつてレコードアカデミー賞大賞を取ったガーディナー盤の「聖母マリアの夕べの祈り」も滑舌が良く、かなりの早口で歌っていたものだったが、RIASはそれ以上の早口合唱だ。ただ、テキストに従って適切なテンポを考慮しているので遅く歌うべきところはゆったりと歌ってくれている。一方でベルリン古楽アカデミーはそんなRIASに負けず劣らずの聴くだけで細切れにされそうなほどの鋭くて煌びやかな音色を響かせてくれる。前述で自分がマタイで苦手であったエヴァンゲリストやイエスの語り(今は聞き心地が良い声に酔い痴れることが出来る)で従来は単調なオルガンの伴奏(苦手な原因の一つ)の所をチェンバロやリュートなどと場面と心情に応じた多彩な通奏低音で展開されることでダレることなく聴くことが出来た。ヤーコプスは単調な高音を聞かせるような伴奏を「あまりにも無味乾燥で機械的な灰色のインク」になることを懸念しての工夫であり、これも確固たる時代考証や研究に基づくものだ。そして、これを可能に出来るのがベルリン古楽アカデミーの確かな演奏技術と表現力だ。ただ、余りにもイエスや他の登場人物の心情を代弁するかのような切れ味鋭い伴奏の時もあるのでソリスト達の影がやや薄くなることも否めない。このようにベルリン古楽アカデミーとRIAS室内合唱団の最強演奏集団(に喰われそうになっている歌手陣も水準以上の凄腕)の超絶技巧を駆使し、ヤーコプスは得意のバロックオペラ風に劇的にイエスの受難を描写した迫力ある演奏を展開させてくれる。その力強さとドラマ性は個人的にはリヒター盤を凌いでるとも思えた。 とにかくヤーコプス盤のマタイはエンターテイメントに満ちた映画的な描写の演奏だった。レオンハルトやクイケンのように飽くまで時代考証第一と考える聴き手に優しくない演奏や「バッハの音楽はこうであるべき」や「バッハの音楽らしくない」等と嘯く偏狭な厄介オタク共の受けの良い演奏とは違う、時代考証や研究をしつつも聴き手のことも考慮した実に良心的で懐が深い名盤である。

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  • ★★★★★ 

    うーつん  |  東京都  |  不明  |  2021年03月03日

      隅々まで音楽芸術への敬虔な共感がいきわたり、スケールの大きさ、振幅の幅広さ、音響が織りなす臨場感…すべてがこのディスクに詰まっている。マタイが演奏された環境に近い音場を再現し、前から後ろから音楽が迫ってくる様は自分がドラマの中に含まれているような気にもさせてくれる。   西洋音楽の伝統の系譜の中に生きているヤーコプスにとってマタイはまさに血となり肉となっているものなのだろう。このディスクはバッハ演奏史・マタイ受難曲演奏史の系譜の中でも一つの頂に数えられると思う。   かつてG.マーラーは「伝統とは灰を崇拝することではない、火を守る(伝える)ことだ」と何かの折に言ったそうだが、ここにあるヤーコプスの立ち位置と挑戦こそそのよい例なのではないだろうか。今まで培ってきたものに新しい試みを加えてマタイのドラマは進んでいく。そこに淀みはなく、どの楽器にも確信を持った解釈が沁みわたり、こと歌への理解の深さは素人の私が聴いていてもハッと気づかせてくれる。

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  • ★★★★★ 

    maruno  |  兵庫県  |  不明  |  2021年02月28日

    なんと美しいことか!なんとロマンティック!そのくせ、マタイ特有の厳粛なムードは見事に表現されている。ピリオド楽器の香しい音色に酔いしれつつ、聴き通しました。ちなみに個人的に、12番と13番のイム・スンヘの歌が掛け値なしに好き!ロマンティックなんだよなあ!これまた愛聴盤になりました。

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  • ★★★★★ 

    nk  |  東京都  |  不明  |  2017年03月10日

    この演奏は、音楽的には注文の付けようの無いくらいのハイレベルです。音質云々はもとより、ヤーコプスの音楽解釈、表現力には全くの違和感を感じません。テンポの関係でCD2枚に納まっていますが、中身は音楽的には最高レベルです。 皆さんは、もちろん1958年のリヒター盤との比較をすることになるのでしょう。 私も、リヒター盤は「人類がこの世に残した録音のうちの貴重な財産である」という考えを持っている一人なんです。ですから、色々な意味において、リヒター盤が「この曲を神格化させた」と言えないこともないと思っています。 しかし、音楽というものは、様々な楽しみ方があって良いと思っています。このヤーコプス盤で、リヒター盤と同じような感動を求めようとするのはムリです。 様々な、音楽の表現があってこそ、我々はそれらを楽しむことができるのです。 この曲で我々が感じたいことは「j・Sバッハ」の音楽ではないでしょうか。 神格された演奏はそれで良し、それ以降の演奏でも感動を伴うものであればそれも良し、と思いますが。

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  • ★★★★★ 

    singet225  |  岐阜県  |  不明  |  2015年02月13日

    ヤーコプスのマタイは満を持しての登場。長年共演を重ねたベルリン古楽アカデミーとRIAS室内合唱団は相変わらず盤石。ソリストは粒揃いだが、ベテランのギューラやフィンクの存在感はやはり強い。そして個性的で耳を惹きつけるのは何と言ってもヤーコプスの音楽作り。コーラスの配置や時折見せるテンポの変化等驚かされる事もあるが、とても面白く聴ける。オケの音の美しさ、コーラスの素晴らしさを存分に堪能出来て、指揮者の個性的な音楽づくりが魅力なマタイ。出来れば、鈴木/BCJやガーディナー、ヘレヴェッヘの再録音を望みたい。

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  • ★★☆☆☆ 

    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2014年07月26日

    昨秋、輸入盤を購入して以降、数回聴き返しました。演奏の質の面で、疑いなくここ数年のマタイ受難曲演奏の中でトップクラス、ひょっとすると完成度の点のみからすると、S.KuijkenのOVPP盤を上回るかも知れませんが、同時に非常に難しい、色々な事を考えさせられる演奏と思います。まずこれほど、全体の音楽の流れ、響きの構築を何よりも優先したマタイ受難曲は、鈴木雅明盤位しか思い当たりません。演奏のどこをとっても、刺激的な響き、突発的な中断といった瞬間がなく、一見劇的に思える瞬間もすぐ全体の美しい音楽の流れの中に埋没していきます。細部・瞬間から全体に至るまで、少なくとも1-2度マタイ受難曲を聴いたことのある人なら、マタイはこう、という漠然とした音楽のイメージから裏切られることがほとんどないはずで、いろんな意味で最大公約数的演奏が極めて高い質の演奏で実現されており、これほど聴きやすいマタイはちょっと珍しいかも知れません。このような音楽にももちろん、人によって色々な観賞法があると思うのですが、例えばマタイ受難曲の物語の意味・歌詞の内容などにほとんど興味がなく、ただひたすらここにある美しい音楽に浸りたい方にとっては、これ以上の演奏はちょっと無いと思います。それくらい、響きと演奏外形があくまで重視された演奏であり、逆に自分に課題を突きつけられ、人間としての内面を揺さぶられることの無い演奏です。バロック・オペラの第一人者として、バロック声楽の様式化された再現を得意とするR.Jacobsならではと言えるかも知れません。ただ、自分のようにマタイ受難曲を、西洋キリスト教文明の根源的秘密を明らかにし、自分の生きる意味に(時には不快なまでに)向き合わせられる芸術と考える人間にとっては、過去のいくつかの、それこそ己の存在を削ってまで成し遂げたような命がけのマタイ演奏に比較して、どうしても意味の大きいものにはなり難そうです。ただ、芸術に向き合うのは個々人の生き方であり、この全体の響きをあくまで重視した完成度の高いマタイ受難曲演奏も、おそらく何らかの存在意義を有しているとは思われます。ちなみに、R.Jacobsは(おそらく彼自身の理想とする響きの完成度を高めるために)、かなり個性的なテンポ変動や強弱の動かしを行っており、彼自身がC-Tで参加したLeonhardtや昨今のS.Kuijkenなどに較べると、Richter盤などとは別の意味で、有る程度恣意的な性格の演奏と言えるかも知れません。

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  • ★★★★★ 

    ミシェル・スズキ  |  静岡県  |  不明  |  2014年01月02日

    小生、この曲を初めて聴いたのは17歳の時、それ以来40年が過ぎようとしていますがまだこの曲の40%位しか理解していないかも知れません。 これまで聴いた演奏者もリヒター、クレンペラー、カラヤン、リリング、他、古楽器ではアーノンクール、ガーディナー、マクリーシュ、ヘレヴェッヘ等多数ですがこのヤーコプスの演奏はまさに「パッション」と言えます。演奏形態の時代的考証の結果を実践していますが確信に満ちた解釈と奏者の曖昧さのない見事な演奏によって聴く人を引き込む力を持っていると感じます。 録音も素晴らしいのですがこの解釈を再現するにはサラウンドが最適かと思いますが通常のステレオでも上記の印象は感じられると思います。 マタイ受難曲は長いという印象ですが私は気がついたら全曲を一気に聴き通していました。

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  • ★★★★★ 

    カサハラツバサ  |  福岡県  |  不明  |  2013年11月22日

    マタイ受難曲の歴代の録音の中で最高位の演奏の1つとハッキリ言える。 ヤーコプスの解釈もすこぶる面白い。ステレオでも良いが、サラウンドで聴きたい演奏である。 録音が非常に良い。オーディオマニアも購入すべき1枚。第1曲の前奏から一瞬で引き込まれる。もちろんベルリン古学アカデミーとリアス室内合唱団が優秀であることもあるが、それ以上に録音の高みに全力で挑んだ結果だろう。 21世紀、録音はここまで到達したか…。

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  • ★★★★★ 

    tempus fugit  |  神奈川県  |  不明  |  2013年11月22日

    ・過去の「マタイ」の諸録音は、通奏低音といえば主にオルガン、一部チェンバロという感じで、リュートを使っていても(新旧のフェルトホーフェンやコープマン新盤)慎ましく響かせていたといえるだろうが、この録音では雄弁。個人的にはリュートの通奏低音は味があってけっこう好きだが(同じヤーコプスの「クリスマス・オラトリオ」もよかった)、今回は、ここまでやられるとちょっとうるさいかな、とも感じた。 ・2つのグループを前後に離しての録音は、高級な装置で鑑賞すれば面白そう。狭い自分の部屋での安いプレーヤーによる再生ではその片鱗がうかがわれるのみだが・・・。マルチチャンネル録音なのかジャケット表示でははっきりしないが、そうだとしたら効果がありそうだ。マルチ再生可能なプレイヤーが欲しくなる。いずれにせよ録音は超優秀といえるだろう。 ・「憐れみ給え」は、淡々とした歌い方が好きな私にとっては、けっこう感情がこめられているように聞こえる。ヤーコプス自身の(オバさん声による)かつての録音にもその気が感じられたが、彼の解釈ということで共通したものがあるのだろうか。 ・「おのれを浄めよ」は、即興的な要素が入っているのか、他の録音とは、ちょっと違って聞こえるところがある。 ・全般的には、冒頭合唱こそ落ち着いたテンポだがその後は結構ドラマチックに展開し、その点では、宗教曲が苦手という人が初めて「マタイ」を聞くのにも向いているように思う(最近の録音ではシャイーにもそんな印象を持った)。私の好みはレオンハルト、クイケン、ヘレヴェッヘ旧盤といったところなので私的ベストではないが、また聴いてみたいと思わせる方向性と魅力がある。

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  • ★★★★★ 

    カバポチ  |  神奈川県  |  不明  |  2013年10月13日

    これは素晴らしい名盤の登場だ。まず、音質が驚異的に素晴らしい。演奏の方も、SACD2枚に全曲収まっているので相当早いテンポで抵抗があるのでは?と懸念したが、実際に聴いてみると全く違和感はなく、それどころかこれが自然なテンポだと思わせるくらいの説得力がある。演奏自体も非の打ちどころのないほど感動的で、古楽器演奏版ではベスト1ではないだろうか?付属のDVDもとても興味深く演奏風景やインタビューが視聴出来、とても楽しい時間が過ごせること請け合いだ。本当に久しぶりにマタイ受難曲に感動出来た。これは特選盤、間違いなしだ。

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