交響曲第4番 インバル&東京都交響楽団、半田美和子
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2010年07月27日
フランクフルト放送響との前回録音は長らく私にとって、この曲のベスト盤だったが、今回は全く様変わりしている。ポルタメントなど総譜の指示に忠実な緻密さは変わらないが、透明でクリアな前回録音とは違って、非常に繊細で曲線的な、小粋と言うべき音楽になっている。量感は乏しいがデリカシーに富む都響の弦の音が、まさにこういうアプローチにぴったり。第3楽章第1主題など史上最美と言ってもよいだろう。相当にエキセントリックだった(以前、一度だけある席でご一緒したことがある)この指揮者の人柄も年月を経て丸くなったのだろうか。ただし、ほぼ同時期に同じレーベルから出たホーネックの録音に比べると、昔ながらの4番のイメージに沿ったメルヘンチックな解釈であり、フランクフルト時代の新鮮さから後退していることは否定できない。どちらを好むかによって、聴き手の4番に対する姿勢が試されることになるが、この曲をアイロニーに満ちた、悪魔的なパロディ交響曲と考える私は断然、ホーネック支持。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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