チャイコフスキー：『弦楽セレナード』＆ベートーヴェン：交響曲第5番　齋藤秀雄＆日本フィル

日本フィル・ＪＯＣＸアーカイヴスセレクション第3弾！

チャイコフスキー：弦楽セレナード
ベートーヴェン：交響曲第5番「運命」
齋藤秀雄（指揮）　
日本フィルハーモニー交響楽団

録音：1968年9月30日（チャイコフスキー）
1969年9月16日（ベートーヴェン）
東京・東京文化会館にて収録
　　
名教師にして名指揮者、齋藤秀雄の全貌に迫る、歴史的映像を発掘！！

名だたる桐朋学園で数多くの音楽家を育て上げた齋藤秀雄（1902-1974）。わが国の西洋音楽史上、教育者としてもっとも大きな足跡を残した人物であるが、彼の名は愛弟子である小澤征爾と「サイトウ・キネン・オーケストラ」によって日本のみならず全世界に知られるようになりました。

全世界を席巻した「サイトウ・メソッド」と呼ばれる指揮法を生み出した当の本人が、プロフェッショナルのオーケストラを前にどのようなタクトさばきを見せたのか、という点については、多くの人が興味を持っていたにもかかわらず、映像資料がほとんど現存しなかったために、謎のベールに包まれていました。

ときおり唸り声を発しながら全身全霊を傾けて音楽に立ち向かっていく齋藤の姿は非常に感動的です。タクトの明晰さはさすがで、抜群のアンサンブルを誇るチャイコフスキー、これ以上ないほど正確な「運命」などわが国だけでなく世界の指揮芸術の系譜を考えてみてもこれほど貴重な演奏はほかにないでしょう！
しかし、「運命」の演奏解釈はリタルダンドや音楽の溜めを強調した巨匠的なもので、そこから創り出される音楽は、意外なほどに情熱のほとばしりを感じさせてくれます。とりわけフィナーレへのアタッカの部分は、圧倒的です。