SACD 輸入盤

オラトリオ『四季』全曲 C.デイヴィス&ロンドン響、パーション、オヴェンデン、フォスター=ウィリアムズ(2SACD)

ハイドン(1732-1809)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
LSO0708
組み枚数
:
2
レーベル
:
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド,輸入盤

商品説明

ハイドンの2大傑作がついに完結!
巨匠デイヴィスによる『四季』


ハイドン歿後200周年の2009年に「LSO Live」より『天地創造』(LSO0628)をリリースしているデイヴィスですが、その流れを受けて「ハイドンの全創作の頂点」として対をなす『四季』が堂々の登場となります。

【ハイドンの集大成的傑作『四季』】
「ハイドンの全創作の頂点はまさに『天地創造』と『四季』である」とは、近代的ハイドン研究の創始者カール・フェルディナント・ポールの有名な言葉ですが、ハイドンが到達した古典派様式の完成型との高い評価と人気で広く受容されているこの2作については、各々対照的な性格を備えていることがしばしば指摘されています。
 喩えていえば、神聖な天上の世界を扱った『天地創造』が宗教音楽とオペラ・セリアの総決算なら、農民の生活のなかに神への素朴な感謝を歌い上げる『四季』はオペラ・ブッファといったつくりで、そこでは、喜びにあふれた春の訪れや、秋の収穫を陽気にはしゃぐ姿などが、農民の目を通して一年という周期でじつに表情豊かに描かれ、明るく楽しさいっぱいの親しみやすさがおおきな特徴となっています。

【デイヴィスによる40年以上ぶりの再録音】
このたびのLSOとのライヴ盤に先立って、デイヴィスは『四季』をBBC響と1968年7月にウォトフォード・タウン・ホールでセッション録音をおこなっているので、じつに40年以上を経ての再録音ということになります。前回が英語による歌唱、通奏低音にはフォルテピアノが使われていたのに対して、このたびはドイツ語による歌唱、通奏低音もハープシコードへと変更されています。
 デイヴィスによる第1回目の『四季』がリリースされて以来、40年にも及ぶ歳月のあいだには、いわゆる時代考証派による「ピリオド・アプローチ」が隆盛となり、その本場のひとつイギリスでも、さまざまな経験や研究成果を積んだホグウッドやガーディナーらによって、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンといった古典派の作品にもまたあらたな光があてられてきました。当然ながら、デイヴィスもその「洗礼」を受けているとみるべきで、ここでの演奏内容にどのような形で反映されているのかは気になるところです。

【ピリオド・アプローチを意識した新録音】
このたびの『四季』でも、前作『天地創造』に共通して、たとえばヴァイオリン両翼型配置を選択、ヴィブラートを控えめにするなどのはっきりとした特徴がみられるほか、当夜のメンバー表によれば、第1ヴァイオリン12・第2ヴァイオリン10・ヴィオラ8・チェロ6・コントラバス5という人数配分をデイヴィスは採用しています。この数字ですが、通常のLSOからみて、ここではかなり思い切った編成の刈り込みがなされていることは確かなようです。
 なお、オリジナル楽器による『四季』の演奏例として、参考までにフライブルク・バロック管を指揮したヤーコプスの録音では、弦楽パートはそれぞれ順に7・6・4・4・3となっていて、弦をのぞくパートの人数がデイヴィス、ヤーコプスとも22と同数ながら、デイヴィス新盤はそれでも、弦に限ってはまだほぼ2倍近いということになります。
 たた、そのいっぽうで、『天地創造』と『四季』の誕生に直接の動機を与えたといわれる、ヘンデルのオラトリオが、当時ロンドンでは数千人規模の大編成で盛んに上演され、その模様を目の当たりにして異常な感銘を受けたハイドンが、巨大な表現手段と圧倒的な演奏効果を自作に盛り込もうとしたと考えられることから、ここでのサイズの選択はそうした側面にもデイヴィスはじゅうぶん配慮した結果であるようにおもわれます。

【絶妙なバランスのとれたデイヴィスの演奏】
デイヴィスによる新旧の『四季』はいずれもモダン楽器のオケによる演奏というのが共通する特徴ですが、ここではっきりとした違いがみられるのが演奏時間です。BBC旧盤が138分だったのに対して、このたびのLSO新盤が130分と、全体で8分も短くなっています。
 このテンポの変更にはピリオド・アプローチが影響していると考えるのが自然で、同じ方向性でデイヴィスがLSOを指揮した『天地創造』といい、2006年収録の『メサイア』(LSO0607)といい、ここでもまた生き生きとした表情を獲得することに成功しています。
 このたびの『四季』では、長年に渡るデイヴィスとLSOの強い結びつきもあってのことか、モダン・オケの生み出す荘重なムードを湛えたオラトリオ的な迫力と、ピリオド・アプローチの鮮烈なインパクトとの絶妙なバランスが保持されており、じっさいにデイヴィスがどのような手腕を発揮しているのかをひとつひとつ確認するのもたいへん興味深い作業といえるでしょう。

【ソリストについて】
旬のソリストの顔触れも魅力的。小作人シモンを歌うアンドルー・フォスター=ウィリアムズは、イングランド北部ウィガンに生まれた英国のバリトンで、デイヴィスの『ベンヴェヌート・チェッリーニ』(LSO0623)にも参加しているほか、ここ近年『メサイア』や『フラーヴィオ』など、ヘンデルのオラトリオの重要なリリースが続いている注目株。
 シモンの娘ハンネ役には、ボルトン指揮の『四季』でも同役を歌っていたスウェーデンの美声ソプラノ、ミア・パーション。そして、ファゾリス指揮の『四季』に次いで、若い農夫ルーカス役を担当するジェレミー・オヴェンデンは、タミーノやフェルランド、ドン・オッターヴィオなどを持ち役とするモーツァルト歌いで、実生活ではパーションの夫君でもある英国のテノールです。

【パワフルで柔軟なパフォーマンスで応えるロンドン交響合唱団】
「最後を飾る光栄はロンドン交響合唱団でした。安定したピッチ、歓喜とぬくもりは途切れることなく、ハイドンの伝えるすべてに飛びかかりました。」(タイムズ紙)
このたびもコーラスにはロンドン交響合唱団が起用され、「LSO Live」ではモーツァルトやヴェルディのレクィエムから、近現代のティペットやマクミラン、そして、ごく最近のアルバム『ベルシャザールの饗宴』にいたるまで、これまでもデイヴィスの意図にみごとに応えてきた実績の通り、スリルに富んだ活力と創造力にあふれた内容を圧倒的な迫力で歌い上げています。(キングインターナショナル)

【収録情報】
・ハイドン:オラトリオ『四季』全曲(ドイツ語歌唱)

 ミア・パーション(ソプラノ:ハンネ)
 ジェレミー・オヴェンデン(テノール:ルーカス)
 アンドルー・フォスター=ウィリアムズ(バリトン:シモン)
 ロンドン交響合唱団(合唱指揮:ジョセフ・カレン)
 キャサリン・エドワーズ(チェンバロ)
 ロンドン交響楽団
 サー・コリン・デイヴィス(指揮)

 録音時期:2010年6月26-27日
 録音場所:ロンドン、バービカンセンター
 録音方式:DSDレコーディング(ライヴ)
 プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
 エンジニア:ジョナサン・ストークス
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND

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ハイドン(1732-1809)

ハイドンは1732年に生まれ、1809年に亡くなっています。その77年の生涯は、29歳から58歳までを過ごした30年に及ぶエステルハージ時代を中心に、それ以前とそれ以降の3つの時期に分けて考えることができます。「エステルハージ以前」の28年間は、幼少期の声楽やさまざまな楽器演奏の修行、青年期に入ってからの作曲の勉強に

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