CD 輸入盤

交響曲集 アーノンクール(93番、103番)、ヴェルザー=メスト(26番、98番)、ブーレーズ(104番)、メータ(22番)、ドホナーニ(12番) ウィーン・フィル(3CD)

ハイドン(1732-1809)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
WPHLH2009123
組み枚数
:
3
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ウィーン・フィル・ハイドン3枚組ボックス
アーノンクール、ブーレーズ、ドホナーニ、メータ、ヴェルザー=メスト


ハイドン・メモリアル・イヤーを記念して、ウィーン・フィル自らがプロデュースしたCDが制作されました。ロレックスの協賛も得てつくられたこのセットは、80ページの豪華なブックレットと共に質感の良い紙製ケースに収められています。

【ハイドン演奏の伝統】
長い歴史の中で数々の素晴らしいハイドン演奏をおこない、交響曲からオラトリオに至るまでゆるぎない伝統を確立してきたウィーン・フィルは、ハイドンの音楽とは非常に縁の深いオーケストラに数えられます。
 古くはブルーノ・ワルターやフルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、クレメンス・クラウスらのモノラル録音があり、さらにモントゥー、ベーム、クリップス、カラヤン、バーンスタイン、ミュンヒンガー、プレヴィン、ムーティなどの録音が続きます。  これに実演でハイドンを指揮して放送録音も残されているジュリーニやショルティ、デイヴィス、クライバー、ハイティンク、マゼール、ラトル、アバドに加え、ノリントン、ガーディナーといったピリオド派の面々まで名前が挙がるのですから、その組み合わせの多彩さはやはり随一といえるものがあります。

【記念ボックスならではの多彩な顔ぶれ】
今回のセットは、そうした歴史を背負う楽団員たちが「ベストと呼べる演奏」を選び抜き、敬愛するハイドンへのオマージュとしてつくられたもので、ウィーン・フィルのハイドン演奏の持つ多彩な面白さを味わうべく、ブーレーズ、ドホナーニ、アーノンクール、メータ、ヴェルザー=メストという楽団と縁の深い5人の指揮者とのライヴ録音が選ばれています。
 音源はORF(オーストリア放送)とDRS2(スイス国営放送ドイツ語局)の提供によるもので、高いクオリティでハイドンの音楽を楽しむことができます。特に2009年に録音された3曲は優秀な音質で、演奏前のアーノンクールのトークとウケた聴衆の爆笑など、臨場感あふれるサウンドが実に心地よい仕上がりです。

ピエール・ブーレーズ [1925- ]
作曲家でもある現代音楽の大御所ブーレーズは、自作を含む現代物のほか、ドビュッシー、ブルックナー、マーラー、シマノフスキ、スクリャービン、ヴェーベルンなどをウィーン・フィルと演奏しています。
 今回収録されているのはハイドン最後の交響曲である第104番。『ロンドン』というあだ名を持つこの交響曲は大きな規模を持ち、熟達した筆致でさまざまな素材が見事な構築を示す傑作。楽曲の隅々まで見通すブーレーズのアプローチは、作品の交響的な魅力を存分に引き出した立派なものです。

クリストフ・フォン・ドホナーニ [1929- ]
作曲家エルンスト・フォン・ドホナーニの孫であるドホナーニは、近現代物に強く、またオペラの指揮者としても活躍しています。ウィーン・フィルとは祖父の作品のほか、フィリップ・グラスやヘンツェ、オネゲル、ヒンデミット、ベルク、ハルトマン、ストラヴィンスキー、バルトーク、ルトスワフスキ、ラッグルス、シュニトケ、ヴェーベルン、ブラームス、ベートーヴェンなどをウィーン・フィルと演奏しています。
 当セットに収録された交響曲第12番は、ハイドンがエステルハージ家で副楽長だった頃の作品。C.P.E.バッハのシンフォニアの影響も感じられる3楽章のコンパクトな姿がハイドンのルーツを感じさせてくれます。

ニコラウス・アーノンクール [1929- ]
当セットの目玉とも言うべき存在が、アーノンクールによる2曲の交響曲。現在、楽員たちが「最も尊敬する指揮者のひとり」として名を挙げるアーノンクールですが、彼はハイドンを得意としているにも関わらず、これまでウィーン・フィルとの録音はありませんでした。
 交響曲第93番はハイドン円熟の『ロンドン・セット』の最初の曲。第2楽章の開始が弦楽四重奏というユニークな手法が印象的。
 交響曲第103番『太鼓連打』は、豪快なドラムロールが有名ですが、第2楽章では初演当時のコンマスがヴィオッティだったこともあってか、ヴァイオリン・ソロが登場するのも聴きものです。アーノンクールはここで、1795年の初演の際に使われたというストラディヴァリウスを用いて聴衆の興味をそそります。

ズービン・メータ [1936- ]
メータがウィーン・フィルにデビューしたのは1959年のことですが、ウィーン国立大学で指揮を学んだこともあり、オケとの交流は学生時代からありました。実際、ウィーン・フィルの関係には深いものがあり、1990、1995、1998、2007年の4回に渡ってニューイヤー・コンサートを指揮、1997年には、ウィーン国立歌劇場名誉会員、2001年、ウィーン・フィル名誉指揮者、2007年、ウィーン楽友協会名誉会員となっています。
 当セットに収録された交響曲第22番『哲学者』は、教会ソナタの形式に則った第1楽章が印象的な作品。延々と八分音符を刻み続ける低弦に乗ってホルンの信号音がフォルテシモで鳴り渡り、ハイドンの交響曲では異例のイングリッシュ・ホルンがそれを受け、弦は弱音器を付けたピアノという特異な雰囲気を醸し出します。『哲学者』の表題の由来は定かではありませんが、この思慮深い楽想からイメージされているのかもしれません。
 メータはこの作品がお気に入りらしく、1984年と2008年にもとりあげています。セットに収められた演奏は、ロサンジェルス・フィルの音楽監督として活躍していた1972年に収録されています。前年には有名な『惑星』がレコーディングされ、また、ウィーン・フィルとはこの3年後に名高いマーラーの『復活』を録音という時代でした。

フランツ・ヴェルザー=メスト [1960- ]
2010年、ウィーン国立歌劇場音楽総監督に就任するヴェルザー=メストは、ウィーン・フィルにとって非常に重要な指揮者になるということもあって2曲収録。ひとつは1998年に定期公演デビューしたときの録音で、もうひとつはそれから11年を経た最新の録音。
 交響曲第26番『哀歌』はニ短調で書かれた疾風怒濤期の作品で、第1楽章の悲劇的性格は、ハイドン初の短調交響曲ならではのもの。
 交響曲第98番は、ハイドン晩年の作品で第2楽章冒頭の「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の引用が有名です。

【収録情報】
ハイドン:交響曲集
CD1
・交響曲第12番ホ長調 Hob.1:12
 クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)
 録音時期:1991年11月10日
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール

・交響曲第22番変ホ長調 Hob.1:22『哲学者』
 ズービン・メータ(指揮)
 録音時期:1972年1月16日
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール

・交響曲第26番ニ短調 Hob.1:26『哀歌』
 フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)
 録音時期:1998年3月22日
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール

CD2
・交響曲第93番ニ長調 Hob.1:93
・アーノンクールによる演奏についての語り
・交響曲第103番変ホ長調 Hob.1:103『太鼓連打』
 ニコラウス・アーノンクール(指揮)
 録音時期:2009年5月10日
 録音場所:ウィーン、コンツェルトハウス

CD3
・交響曲第98番変ロ長調 Hob.1:98
 フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)
 録音時期:2009年9月8日
 録音場所:ルツェルン、コンツェルトザール

・交響曲第104番ニ長調 Hob.1:104『ロンドン』
 ピエール・ブーレーズ(指揮)
 録音時期:1996年3月24日
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 録音方式:ステレオ&デジタル(ライヴ)

総合評価

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4.5

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演奏の良し悪しにかかわらずこのようなライ...

投稿日:2013/02/16 (土)

演奏の良し悪しにかかわらずこのようなライブ音源を集めた企画はすこぶる楽しい。ウィーン・フィルとハイドンの組合せはローカルな響きが最高に味わい深い。かといって一筋縄にはいかないようで技術的には何の問題もなさそうな初期の交響曲を指揮するウェルザー=メストは低音のゴツゴツしたリズムとやわらかくしなる旋律とがうまく噛み合っていないように思える。室内楽できていないようだ。ところが、シンフォニックな第98番を指揮するメストはとっても調子がいいから不思議だ。メータは果敢に突き進むので崩れそうになるがうまく立て直す、まさにライブのノリ。音楽する難しさと妙技が隣り合わせに楽しめるセットだ。

ヴァニタス さん | Chiba | 不明

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素晴らしい。僕は、この組み合わせじゃあ、...

投稿日:2011/08/07 (日)

素晴らしい。僕は、この組み合わせじゃあ、ウィーン・フィルらしさってものは消滅してしまうんじゃないのかね、と思っていたのだけど、寧ろ、どこもかしこもウィーン・フィルの音だなぁ、と感心した。○っても鯛かな(笑) 98番で、チェンバロが頭からちゃんといるのも偉い。曲目も指揮者の選抜も、ちょっと纏まりにかけるけど、ハイクオリティーという凄い纏まりがあり、秀逸なボックスでした。聴いて良かった。

小鳥遊司 さん | 東京都 | 不明

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なかなか考えさせてくれるBOXだ。どの指揮...

投稿日:2010/03/16 (火)

なかなか考えさせてくれるBOXだ。どの指揮者も「ウィーンらしさ」を出さないタイプだからだ(当時のメータも)。そういう指揮者陣でこのBOXを組んだウィーン・フィルは保守から脱出しようとしているのだろうか? まず、メストとブーレーズの演奏にはびっくりした。ハイドンが現代音楽的にどうしても聞こえてしまう。新鮮で耳を洗われるのは確かだが、どうも違和感を感じてしまうのはぼくだけではなかろう。メータは一気呵成に描き上げており、これはこれで好感が持てる。近年の惰性的な演奏に比べれば、きわめて野心的といえよう。ぼくが最も驚いたのはドホナーニだ。これもまたウィーンらしさが隠れているのだが、あまりに清潔な音色に脱帽。セル/クリーブランドの絶頂期を彷彿とさせる高潔さが光る。これだけでも買う価値はあるかもしれない。ところで近年はムーティが録音したはずだが、どこかリリースするのだろうか? 一時期はグラモフォンが録音したと聞いたのだが・・?

宇野珍会長 さん | 埼玉県 | 不明

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人物・団体紹介

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ハイドン(1732-1809)

ハイドンは1732年に生まれ、1809年に亡くなっています。その77年の生涯は、29歳から58歳までを過ごした30年に及ぶエステルハージ時代を中心に、それ以前とそれ以降の3つの時期に分けて考えることができます。「エステルハージ以前」の28年間は、幼少期の声楽やさまざまな楽器演奏の修行、青年期に入ってからの作曲の勉強に

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