ア・セレブレーション　アンタル・ドラティ（６ＣＤ）

アンタル・ドラティ〜ア・セレブレイション

2006年は指揮者アンタル・ドラティ[1906-1088]の生誕100年の年。それを記念して、ドラティがDECCA/PHILIPSに遺した数多くの録音から、オーケストレーションの華麗な作品を中心にセレクト、６枚組のBOXにまとめました。
　稀代のオーケストラ・ビルダーとして知られたドラティは、戦前にはオペラやバレエの指揮者として活躍した人物でもありました。そのせいか、晩年の一見即物的に見える完璧なアンサンブルによるサウンドの音楽でも、随所からにじみ出る繊細なリズム感や歌わせ方の美しさがことのほか印象的でした。
　ドラティのDECCA/PHILIPS録音といえば、ハイドンの交響曲全集があまりにも有名ですが、このBOXに収録されたストラヴィンスキーや、バルトーク、コープランド作品集なども、発売時にその演奏内容と録音の優秀さが大いに話題になっており、『春の祭典』と『管弦楽のための協奏曲』はレコード・アカデミー賞も受賞。マッシヴな輝きに満ち、骨太で確かな造形を持ったドラティならではの男性的な音楽が、ジェイムズ・ロックやコリン・ムアフット、ジョン・ダンカーリーといった辣腕エンジニアによってきわめて魅力的な音響で収録されています。
　今回、こうしてハンガリー、ロシア、ドイツ、フランス、アメリカと様々なレパートリーを並べられると、あらためて彼のレパートリーの豊富さや活動範囲の広さ、そして豊かな音楽性を感じることができます。ドラティ自身の作曲による『オーボエのためのトリッティコ』のオーケストラ版が、名手ホリガーのソロで収録されているのも注目されるところです。
　名匠ドラティの偉大な足跡を振り返るには格好のBOXセットと言えるでしょう。

CD1：
1.コープランド：『市民のためのファンファーレ』[03:20]
2.コープランド：『ロデオ』から4つのダンス・エピソード[20:02]
3.コープランド：『エル・サロン・メヒコ』[10:28]
4.コープランド：『舞踏交響曲』[17:08]
　デトロイト交響楽団
　録音：1981年5月、デトロイト、ユナイテッド･アーティスツ・オーディトリアム（デジタル）
　P:ジェイムズ・マリンスン、E:ジェイムズ・ロック

5.コープランド：『アパラチアの春』[23:08]
　デトロイト交響楽団
　録音：1984年11月、デトロイト、オールド・オーケストラ・ホール（デジタル）
　P:ジェイムズ・マリンスン、E:コリン・ムアフット

CD2：
1.バルトーク：『舞踏組曲』Sz.77[17:09]
　フィルハーモニア・フンガリカ
　録音：1974年9月（ステレオ）

2.バルトーク：『二つの肖像』Sz.46[16:37]
3.バルトーク：『管弦楽のための協奏曲』Sz.116[37:09]
　アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
　録音：1983年6月、アムステルダム、コンセルトヘボウ大ホール（デジタル）

CD3：
1.ヴァイネル：『ハンガリー民俗舞曲集』Op.18[27:01]
　フィルハーモニア・フンガリカ
　録音：1957年10月、ウィーン（ステレオ）

2.コダーイ：『ハーリ・ヤーノシュ』組曲[22:55]
　フィルハーモニア・フンガリカ
　録音：19737年12月、マール（ステレオ）

3.ドラティ：『トリッティコ』[26:15]
　ハインツ・ホリガー（Ob,Obダモーレ,コールアングレ）
　バーゼル交響楽団
　録音：ステレオ

CD4
1.ストラヴィンスキー：『幻想的スケルツォ』[14:18]
2.ストラヴィンスキー：『ミューズを司るアポロ』（1947年版）[30:06]
　デトロイト交響楽団
　録音：1984年11月、デトロイト、オールド・オーケストラ・ホール（デジタル）
　P:ジェイムズ・マリンスン、E:ジョン・ダンカーリー）

3.ストラヴィンスキー：『春の祭典』[33:31]
　デトロイト交響楽団
　録音：1981年5月、デトロイト、ユナイテッド･アーティスツ・オーディトリアム（デジタル）
　P:アンドルー・コーナル

CD5
1.ビゼー：『カルメン』組曲第1番[09:25]
1.ビゼー：『カルメン』組曲第2番[17:35]
　コンセール・ラムルー管弦楽団
　録音：1959年6月（ステレオ）

2.ドビュッシー：『夜想曲』[22:05]
3.ドビュッシー：管弦楽のための『映像』より第2番「イベリア」[18:18]
　ワシントン・ナショナル交響楽団
　録音：1975年4月、ワシントン、コンスティテューション・ホール（ステレオ）
　P:ジェイムズ・マリンスン

CD6
1.ドヴォルザーク：『スラヴ狂詩曲』第3番 Op.45-3[13:25]
　デトロイト交響楽団
　録音：1978年4月、デトロイト、ユナイテッド･アーティスツ・オーディトリアム（ステレオ）
　P:ジェイムズ・マリンスン、E:コリン・ムアフット

2.J.シュトラウス�U世：『美しき青きドナウ』[10:50]
3.J.シュトラウス�U世：『酒、女、歌』[11:30]
　ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
　録音：1966年、ロンドン（ステレオ）
　P:トニー・ダマート

4.ワーグナー：『ワルキューレ』〜ヴォータンの別れと魔の炎の音楽[10:27]
　ワシントン・ナショナル交響楽団
　録音：1975年4月、ワシントン、コンスティテューション・ホール（ステレオ）
　P:ジェイムズ・マリンスン

5.チャイコフスキー：イタリア奇想曲[14:45]
　デトロイト交響楽団
　録音：1978年4月、デトロイト、ユナイテッド･アーティスツ・オーディトリアム（ステレオ）
　P:ジェイムズ・マリンスン、E:コリン・ムアフット

6.R.シュトラウス：交響詩『ドン・ファン』[17:16]
　デトロイト交響楽団
　録音：1980年6月、デトロイト、ユナイテッド･アーティスツ・オーディトリアム（デジタル）
　P:ジェイムズ・マリンスン、E:ジェイムズ・ロック
　アンタル・ドラティ（指揮）