【オリ特】 ベッカ・スティーヴンス特別インタビュー
2015年3月9日 (月)
近年、ジャズ・シーンを見渡せばその名を見ないことはないほど、活躍がめざましいベッカ・スティーヴンス。2014年に発表された新作『Perfect Animal』では、前作の『Weightless』のフォーキーなアプローチの中に垣間見られたオルタナティブな感性を開花させたように、ロックやエレクトロへ接近を試みて、もはや彼女の音楽はジャンルの区分さえできなくなっている。さてそんな彼女が1月に待望の初来日公演を果たし、圧倒的なパフォーマンスとともに多くの音楽ファンを魅了した。さらに入手困難であったファースト・アルバム『Tea Bye Sea』の再発も実現し、これからの活躍も充分に期待できるだろう。今回は、その来日中の貴重な時間をいただき特別にインタビューを行った。
――まず初来日の日本の印象とステージを終えた感想を教えてください。
ベッカ・スティーヴンス:日本の空港に到着した時から、もうすでに私たちを待っていてくれているスタッフやドライバーがいて、親切に色々面倒をみてくれました。だからまず日本人の優しさに触れたことが印象に残っています。それに日本人は健康とか自然とか、そういう美しさを大事しているようにもみえました。だから初日からずっと居心地が良くて、今もそういう気分が続いています。昨日の公演でも、観客はずっと静かに聴いてくれているし、しかもアーティストへの敬意を払ってくれる。もちろんコットンクラブのスタッフのサポートも完璧。サウンド・チェックのためにステージに上がれば、必要なものは全て揃っているし、本当に文句なしです。それは食事の面でも。私がはじめてアメリカでステージになった時の状況とは全然違うわ(笑)。
――3月にあなたのファースト「Tea Bye Sea」が発売されますが、この作品を制作するきっかけは何ですか?
ベッカ:そもそもこの「Tea Bye Sea」を録音した頃、すでにベースのクリス・トルディーニとアコーディオン〜ピアノのリアム・ロビンソンはいたけれど、他のバンドのメンバーも今とは違っていて、ハイスクール時代の仲間をそのまま集めて始めた企画でもありました。それで一年くらい、このバンドで演奏をしてから、やっとステージに出られたり、ショーにも呼ばれるようになりました。バンド自体のクオリティーも高くなってきたから、その流れで自然と「Tea Bye Sea」を録音することになったんですけど、結局はライブのレパートリーになっていた、その時点で完成されていた曲を集める形になりました。だからアルバムを一から作り上げたという感じではないのです。録音しながら必要な部分を足していき、レイヤーを重ねていって仕上げていったと思います。
――レコーディング自体はあなたが中心となって進めていったのですか?
ベッカ:そうですね。私はいつもで心をオープンに構えて、人から何か提案があれば出来るだけ耳を傾けることにしています。とはいえ自分がバンドのリーダーという自覚も持たなければいけない、当時はそういう気持ちが強かったですね。
――現在のあなたがこの作品を聴いて率直にどんな感想ですか?
ベッカ:レコーディングは手作りで、音作りもオーガニックなものだったからとても楽しかったですね。たしかに今聴くと、すこし楽曲に統一性がない気もしますけど、素直に良いと思える内容だわ。あと今回、兄と一緒に改めてマスタリングをし直して、音質も良くなったし、自分たちが希望するベターな方向に出来上がったかなと。もちろん当時は、納得して完成させた作品でもあるし、これを聴くことでその後の私の音楽を反映しているようにも思えますね。
――この作品を作ったことでその後、あなたの音楽活動に何か影響はありましたか?
ベッカ:完全な自主制作だったので、もちろん特にプロモーションできる場所もなくて、ただiTunesに乗せただけだったから、たぶん口コミで広まっていったと思います。あとはライブ会場で売ったり、当時はMyspceが盛んだったからそこで買った人も多かったですね。YouTubeにも実際の演奏の様子もアップされてましたし。当時はまだどのレーベルとも契約していなかったから、「彼女はまだフリーらしい」なんて誰かが噂していたと聞いています(笑)。どちらにせよ、この「Tae Bye Sea」が私の原点であることに間違いはなくて、今もいろいろライブや音楽活動ができるのを考えると、ここが全てのスタート地点です。
――多くの作品にヴォーカリストとして参加していますが、アーティストがあなたを必要する理由は何ですか?
ベッカ:テイラー・アイグスティの『Daylight at Midnight』への参加が大きなターニングポイントでした。この作品を聴いて、私の存在を知ってくれた人が一気に増えました。実はブラッド・メルドーもこの作品を聴いて知ったそうです。たしかツアーに向かう車の中って言ってたかな。でも、この質問への答えは難しいですね。たぶん私がジャズを背景しながら、一風変わった音楽を作っているから、ジャズ以外のアーティストはお互いに分かり合えると思って声をかけてくれるのかもしれませんね。でも正直、その理由はよく考えてもわからないんです。ぜひ、あなたから声をかけてくれたアーティストに訊いてみてほしいわ。
――ちなみに私が初めてあなたのクレジットを見たのはハーフ・シーズ・オーヴァーのアルバムでした。
ベッカ:それはエラン・メーラーのプロジェクトですね。たしかブランズウッド・レコーディングが出たアルバムで、とても素晴らしい録音だったことをおぼえています。
――その後もギデオン・ヴァン・ゲルダーやホセ・ジェイムスなど多くのレコーディングに参加していますが、今まで印象に残っている録音作品を教えてください。
ベッカ:もちろんホセ・ジェイムスとのレコーディングも楽しかったけれど、最近ではビリー・チャイルズの『MAP TO THE TREASURE: REIMAGINING LAULA NYRO』というローラ・ニーロのトリビュート作品に参加できたことが印象深かったですね。こんな素晴らしい企画に自分が参加できたことは何より誇りを感じます。もう錚々たる名前のミュージシャンが参加しているから。バンドもすごい強力で、とくにブライアン・ブレイド!大好きなドラマーなんです。彼と一緒にレコーディングできたことは嬉しかったです。実はあのアルバムに収録された曲のほとんどはヴォーカルとバック・トラックを別々に録っているんです。でも私の曲だけは彼らと一緒に録ることができたから貴重な経験でした。コラボレーションの作品が多いと思われがちですが、普段はほとんど一人で曲を書いたり作ったりしているので、実はこういったレコーディングはとても刺激的なのです。
――それでは最後に、今回『Tea Bye Sea』の特典リーフレット「クワイエット・コーナー〜ベッカ・スティーヴンス特集号」へ掲載する、あなたが選ぶ10枚のお気に入りプレイリストを教えてください。
ベッカ:OK!ではまず一枚目は・・・。
――ということで、ここから先ベッカさんが選んだプレイリストは、『Tea Bye Sea』の購入先着特典でプレゼントしているリーフレット「クワイエット・コーナー〜ベッカ・スティーヴンス特集号」に掲載されています。数に限りがございますのでぜひ!
Becca Stevens『Tea Bye Sea』
ベッカ・スティーヴンス・バンド:
ベッカ・スティーヴンス
リアム・ロビンソン
クリス・トルディーニ
ジョーダン・パールソン
ゲスト:
トミー・クレーン
コリン・キラレア
■日本盤ポーナス曲 ライヴ・デモ音源等を計3曲収録
■解説: 柳樂光隆
先着で特製リーフレット「クワイエット・コーナー」のベッカ・スティーヴンス特集号をプレゼント
HMV店舗、またはHMV ONLINEで『Tea By Sea』をお買い上げいただいたお客様に先着で、ベッカ・スティーヴンスを特集したリーフレット「クワイエット・コーナー」をプレゼントいたします。ベッカが選ぶフェイヴァリット・プレイリストから関、ヴォーカリストとして参加した関連作まで盛りだくさんの内容です!
http://www.beccastevens.com/
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ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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Tea Bye Sea
Becca Stevens
価格(税込) :
¥2,200
会員価格(税込) :
¥2,024
まとめ買い価格(税込) :
¥1,870
在庫あり
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ディスコグラフィ
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