ヒリヤード・アンサンブル／トランセアムス

2014年10月13日 (月)

Hilliard Ensemble / Transeamus
ヒリヤード・アンサンブル／トランセアムス～ルネッサンス時代のキャロル集

2014年で40年間の活動を停止するヒリヤード・アンサンブルによるECM最後のオリジナル・アルバムはルネッサンス時代の作品を中心としたキャロル集。
　このアルバムでは、礼拝のためのラテン語と英語のキャロルが集められていますが、収録曲の中には、礼拝への入場のときに使用されたと考えられている舞曲形式が使われているものもあります。
　また、キャロルの主題は通常、キリストの誕生、聖母マリア、聖人などですが、収録曲中の一部のテキストには世俗的な内容も含まれるなど、最後を飾るにふさわしい凝った選曲となっています。
　ちなみに、アルバム・タイトルの「トランセアムス」とは、そこへ行こうといった意味のラテン語で、この場合は、キリスト誕生の地であるベツレヘムへ行こうというような含意があるものと思われます。
　レコーディングはヒリヤード・アンサンブルお気に入りの場所であるオーストリアのザンクト・ゲロルト修道院でおこなわれており、いつもながら澄み切った美しさを感じさせるハーモニー二より、ルネッサンス期キャロルの甘美でシンプルな旋律やポリフォニーの魅力を満喫させてくれます。（ＨＭＶ）

【収録情報】
● 作者不詳:カンタベリーの宝トマスさま
● 作者不詳:聖トマスを讃えよう
● 作者不詳:教皇のラッパ
● ジョン・プラマー:アンナの母親
● 作者不詳:ラリー私は見た
● ジョン・プラマー:あなたの愛する方は
● 作者不詳:そのようなバラはない
● ウォルター・ランビー:天の星
● 作者不詳:ヨセフよ、怪しむことはない
● 作者不詳:自然はいかにして
● ウィリアム・コーニッシュ:アヴェ・マリア、神の母
● 作者不詳:ああ、私のかわいい息子
● 作者不詳:グレースの聖母
● シェリンガム:ああ、優しいイエス

　ヒリヤード・アンサンブル
　　デイヴィッド・ジェイムズ(C-T)
　　ロジャー・カヴィー=クランプ(T)
　　スティーヴン・ハロルド(T)
　　ゴードン・ジョーンズ(Br)

　録音時期：2012年11月
　録音場所：オーストリア、プロプスタイ、ザンクト・ゲロルト修道院
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）