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【インタビュー】 MUROと、レゲエと、ボブ・マーリー 〈2〉

2011年6月7日 (火)

interview
MURO インタビュー


--- 資料には、「やや荷の重い仕事だっただけに・・・」というMUROさんのコメントがあるのですが、これはすごく率直なご感想かなと。

 今回に関しては、レコードでミックスができなかったこともあって・・・今までは全部レコードでやってきたんで、まぁちょっと勝手が違ったという部分でですね。ホントはすべてレコードでっていう気持ちはもちろんあったんで悔しいんですけど、しょうがないですよね。

--- いま現在の蒐集ペースだと、次回は全てレコードで、というのが早々実現しそうですよね?

 けっこう買い倒しましたからね(笑)、今回のミックスに向けて。ただ、レゲエはコンディションがいいのがなかなか見つからないんですよね・・・

--- 掘る作業自体にしても、ディープ・ファンクなどとはまた勝手も違うというか・・・

 そうなんですよ。オリジナル・ジャマイカ盤を必死になって見つけても、「この曲だったらUK盤の方がいいですよ。そっちの方がテイクがかっこいいし、ダブも入ってるから」みたいなことをあっさり言われて、
「え〜っ、ジャマイカ盤でかけたかったのに・・・」っていうのはしょっちゅう(笑)。

--- (笑)でも、たのしい長旅になりそうな。

 いや、ホントそうですね。色々な人に助けていただきながらっていう感じで。でまた、シュンとした気分のときにルーツがマッチするんですよね、これが(笑)。僕ぐらいの年だったら日本酒とか焼酎を呑んでひとしきり浸るところを、ルーツ・レゲエと交わってますからね、僕は。ホントしあわせですよ(笑)。

--- また選曲や流れが絶妙ですよね。この「レインボー・カントリー」は、リー・ペリーのブラック・アーク・スタジオ音源でしたよね。こういった曲をつかみで入れてくるのがさすがというか。

 (註)「レインボー・カントリー」は、80年代にUK盤の12インチで出ていたものですね。レコーディングされたのは、70年代の中頃だと思いますけど。かっこいいですよねぇ(笑)。1曲目の「ナチュラル・ミスティック」と、この「レインボー・カントリー」が僕はドツボですね。今回のミックスのお話しをいただいた時点で、このアタマ2曲の流れは決めてましたからね。


収録アルバム詳細へ   (註)「Rainbow Country」 UK 12インチ・・・リー・ペリー所有のブラック・アーク・スタジオでおそらく1975年頃に録音されたと言われている「Rainbow Country」。初出は85年にUKのDaddy Kool レコーズからリリースされた12インチで、カップリングには、同曲のダブと、オーガスタス・パブロ(バックはアップセッターズ)の「Lama Lava」(=「Java」のテイク違い)が収録されている。


--- ピーター・トッシュがリード・ヴォーカルをとる「ステッピン・レイザー」にしても、こんなテイクがあったとは知りませんでした。

 今回自分も「こんなのあったんだ・・・」っていうのばっかりでしたよ(笑)。ホントに勉強になったというか。で、圧倒的にダブが少ない人だと思うんですよ、ボブ・マーリーって。当時から「歌なしのものはいらない」ってはっきり言ってたみたいなんで。だから、リー・ペリーもあとからこっそりダブを出したりしてたんでしょうね。

---  今までは『Legend』『Live!』ボブ・マーリーの入り口としては定番だったかもしれませんが、今回の『Kings From Kingston 12(MURO'S Bob Marley Mix)』にあるJAD音源を入り口にする人もこれからかなり増えてくるんじゃないかって思うんですよね。

 だから、レアグルーヴを聴いてた人にとってはいちばん入りやすいところかなって思ってるんですよね。むしろアイランド時代の音源よりとっつきやすさはあるような気がします。

 でもまぁ、この時期の音源をオフィシャルでミックスできるっていうこと自体、革命的なことですよね。で、コンピレーションでもアルバムでも味わえない何かを出さなきゃいけないわけじゃないですか? ミックスのご賞味として。そうなるとやっぱり、僕が打ち出せるところっていうのはグルーヴ感しかないんで。だから、全体の流れを作るのは相当時間かかりましたね。それがレコードだったらまだしも、CDだと「あれ? あの曲、このコンピの何曲目だっけ?」とか、「テイクこれじゃないなぁ・・・」みたいなことがちょいちょいあったんで(笑)、それがさっき言ってた“重荷“の部分では正直あったかなって。でもホント、今回使った曲のオリジナルをレコードでまた買い直して、現場でいいサウンド・システムでかけたいなって思ってますよ。

 ジャケットのアートワークも(註)SASSA FRAS(ササフラス)に書き下ろしてもらって、ホントにありがたいですよね。体調すごく悪かったみたいなんですけど、ギリギリでやってもらって。僕、オリンピック周期ぐらいで、ササフラスみたいなレジェンダリーの人を紹介できたらなっていうのが昔からすごいあって。『East River Park』のときの(註)リー・キュノネスもそうだし。ちょっと前にベスト盤の『BACK II BACK』で、昔Tuff City レーベルのジャケットなんかを描いてたジョイ・ヴェガ、ルイ・ヴェガの弟なんですけど、彼に無理言って手描きのアートワークをお願いしたりとか。だから音源と同じぐらいこういうジャケットのアートワークにもこだわりたいんですよね。

--- JAD音源の”黒さ”に加えて、こうしたジャケットのアートワークと、今回のミックスCDはすごくMUROさんらしい1枚だなとあらためて感じました。

 昔J-WAVEで番組をやってる頃なんかは、僕にとってマーリー・マールがプロダクションの神様っていうか絶対的な存在だったんですけど、その見方がちょっと変わってきたというか。ある日ふと(註)『Roots, Rock, Reggae』だったりのドキュメンタリーDVDをいくつか観直してたら、ヴォーカル・ヴァージョンにしろダブ・ヴァージョンにしろ、その当時から音の抜き差し、タイム感も、四分飛ばし、八分飛ばしみたいなエフェクトのかけ方も、その感覚がものがすごく研ぎ澄まされてて、それこそ衝撃的だったんですよね。そういう意味でも大きかったのは、ボブ・マーリー周辺のミュージシャンの存在。プロデューサーのリー・ペリーはもちろん、バックの(註)アストン “ファミリー・マン” バレット然り、(註)アール “チナ” スミス然り。


DVD詳細へ   (註)「Roots, Rock, Reggae」・・・イギリス人のテレビ・ディレクター/プロデューサー、ジェレミー・マーによって、1977年のジャマイカはキングストンにて撮影されたレゲエ・ドキュメンタリーの金字塔。ボブ・マーリーの全盛期のライブ映像をはじめ、ジミー・クリフによるスタジオ・セッションや、リー・ペリーの伝説のブラック・アーク・スタジオでのレコーディング風景、Deejayのパイオニア、U-ロイのダンスホールでのトースティングなど、レゲエ・レジェンドたちの貴重な映像が満載。さらに首都キングストンのゲットー事情、政治の選挙キャンペーン・ソングにレゲエが用いられる様子、レコード工場での制作からレコード店鋪での7インチ盤の販売、ダンスホールでのパーティの場面などを映し出しながら、ジャマイカ人の生活の中でレゲエが習慣、政治、宗教にまで深く浸透している様子が伝えられている。


--- バレット兄弟のリズム隊!

 絶品ですよね。買い集めてたルーツやダブのレコードを聴き直してると、その辺の名前がどんどん出てきて、つながっていくんですよね。

--- リー・ペリーの名前で “プロデューサー買い” していってもキリがないぐらいで。

 (註)プリモがリー・ペリーになっただけみたいな(笑)。


  (註)DJ プレミア(プリモ)・・・言わずと知れたヒップホップ・グループ、ギャング・スター(2010年、MCのグールー死去)のDJ/トラックメイカー。80年代末にWild Pitchと契約後に「DJ プレミア」と名乗り、誰も使用したことのないサンプル素材を探し出し、ストイックなまでに「ループ」にこだわったトラックを制作。また「チョップ/フリップ」を多用したスタイルで独特のドラマを演出。ギャングスター楽曲はおろか、数多くのヒップホップ・アーティストのトラック制作、またはR&Bのリミックスを手掛け、そのほとんどをクラシック入りさせた。 ”プリモ”の愛称でファンのみならず同業者たちからも絶大なプロップスを受けている。


--- そう言えば、MUROさんのブログにリー・ペリーのドキュメンタリー映画「The Upsetter: The Life Of Lee Scratch Perry」の宣伝ポスターがアップされていたんですが、あの映画はもうご覧になったのですか? 海外ではすでに公開されているそうなんですが。

 友達に教えてもらっただけで実際観てはいないんですけど、70年代当時の映像なんかがたっぷり入ってたら絶対に観たいですよねぇ。

--- 2、3年ぐらい前の「プレイボーイ」誌に掲載されたリー・ペリーのインタビュー記事をご覧になったことってあります?

 へぇーっ、そんなのがあるんですか? それはレアだなぁ。

--- 本人曰く、前世は「魚」なんだそうですよ(笑)。しかも、セックスの達人。

 すげぇー! 次元が違うなぁ、ホントに。やってること、(註)ラメルジーより早いですからね(笑)。

--- たしかに(笑)。

 間違いなく竜宮城まで行ったことありそうだしなぁ(笑)。



The Upsetter: The Life Of Lee Scratch Perry
映画「The Upsetter: The Life Of Lee Scratch Perry」宣伝ポスター



--- ちなみに、MUROさんのレゲエの入り口自体も、ボブ・マーリーの『Legend』だったり、リー・ペリー&ジ・アップセッターズのアルバムだったりするのですか?

 いえ、それこそ「ロッカーズ」のサントラだったと思いますよ、入りは。あとは、(註)「ハーダー・ゼイ・カム」だったり。

--- あるいは(註)「カントリーマン」とか。

 そうですね。映画から音楽に入るっていうパターンは僕の場合多いですね。


DVD詳細へ   (註)映画「The Harder They Come(ハーダー・ゼイ・カム)」・・・ジャマイカで初めて自国の姿を描いた作品となる、ペリー・ヘンツェル監督のレゲエ・ムーヴィ。悪名高き脱獄囚ヴィンセント・マーティンのルーディな実話に則り、主人公アイヴァン・オー・マーティンのキングストン東西奔走物語が、ジミー・クリフの歌う主題歌に乗って進む。1972年当時勃興期にあったレゲエが持つパワーを見事に描き出しながら、同時に貧窮のキングストン・ゲットー=黒人社会が抱える様々な問題をも抉っている。出演は、ジミー・クリフほか、トゥーツ&ザ・メイタルズ、プリンス・バスターら。サントラ盤『The Harder They Come』には当時の名曲がずらりと並べられ、まさにボブ・マーリーのアイランド・デビューと時を同じくしながら、レゲエの世界進出を大いにアピールした。

DVD詳細へ   (註)映画「Countryman(カントリーマン)」・・・ボブ・マーリーのマネージャーを務めていたディッキー・ジョブソンが、ボブの歌に込められた彼の生き様や思想を主人公、”正義のラスタ”カントリーマンに投影し、コメディ・タッチのアドベンチャーに仕上げた1980年公開のジャマイカン・ムーヴィー。アイランド・レコードの創設者クリス・ブラックウェルが製作を手がけ、全篇にボブ・マーリー、リー・ペリー、トゥーツ&ザ・メイタルズなどレゲエ黄金期の名曲が盛り込まれ、特にボブの8曲は、オリジナルでは聴けない別テイク、オーバーダブなど貴重なテイクが採用された。2006年にリリースされた『レゲエ・ムーヴィー・コレクションDVD-BOX』には、「The Legend of the COUNTRYMAN」と題された製作当時のドキュメンタリーが特典映像として収録されている。


--- スカやロックステディなどもよく聴かれているんですか?

 その辺も食わず嫌いせず聴いてますね。特にその時期のものって「何でこんなカヴァーやってるんだろう?」っていうおもしろさがあったりして。60年代初期ぐらいのジャマイカって、アーティスト名も知らずにただラジオから聴こえてくるソウルやリズム・アンド・ブルースなんかを勢いひとつでカヴァーしてるってことがかなりあったと思うんですよ。そういうところがまたおもしろくてしょうがないんですよね(笑)。

 ただ、昔はやっぱりアップセッター音源なんかがド真ん中だったりもしてたんですけど、今色々聴き直したりしてると、(註)アビシニアンズあたりのディープなところにまで行っちゃうっていうか。アフリカ的というか、「ナイヤビンギいいよなぁ」みたいな(笑)。すごい土っぽいのがマッチしちゃって。自分でもパーカッション類を叩きはじめなきゃいいなって思うぐらい(笑)。

--- 次のMUROさんのアルバムはドロドロになりそうですね(笑)。

 (笑)いやでも、2000年に(註)『Pan Rhythm』っていう音楽旅行的なコンセプトのアルバムを出してて、その続編をインストでっていうわけじゃないんですけど、昨日ちょっと三味線を弾いてレコーディングしてたんですよね。今ちょうど、そういうのを直感的にやりたいなって思ってて(笑)。

 世界各地を島唄みたいな音楽に乗って周るっていうか、沖縄からジャマイカ、アフリカのベナンあたりまでを自家用ジェットで気ままに小旅行してるような感じで。おもしろいものができるんじゃないかなぁって。


こちらの商品は現在お取り扱いしておりません   (註)MURO『Pan Rhythm:Flight No.11154』・・・2000年にリリースされたソロとして初めてのフル・アルバム。ピート・ロックとダイアモンドが手掛けた楽曲以外はすべてMUROのセルフ・プロデュース(一部DJ WATARAIが共同制作)となった本作は、架空の航空会社「Pan Rhythm Airlines」の飛行機に乗り込んで巡る「リズムの旅」がコンセプトとなり、ブラジル、ラテン、カリブなど南国音楽のエッセンスがふんだんに取り込まれている。サイゲンジのギターが爽やかに響き渡るミレニアム・サマー・アンセム「El Carnaval」をはじめ、ステッツァソニック「Hip Hop Band」のリメイク、名曲「病む街」のパート2、ロイ・エアーズを迎えた「The Vibe Obsession」など名曲揃い。乞・再発!


--- 実際ジャマイカに行かれたことというのは?

 ないんですよ。レゲエは、自分の性格上聴き始めちゃったら“どっぷり”っていうのが何となく分かってたんで、あえて深く入り込まないようにしてたところがあったんですけど、まぁこの2、3年で気持ちよくダイブして(笑)。だから、持ってるレコードはかなり変わってきましたね。レゲエのレコードの分量が増えてきたというか。

--- すでに半分近くはレゲエですか?

 3分の1ぐらいですかね。僕、レコード掘り出した入りがサントラなんで、サントラのレコードは相変わらず多いんですよね。むしろ減ったのはヒップホップ、R&B。一部屋分倉庫として使っていたんですけど、そこはかなりダイエットしましたね。3月11日の地震で、90年代〜00年代のラップのレコードがガーッとくずれ落ちて、一応割れたりはしなかったんですけど・・・かなり傷付いたこともあって・・・僕の周りにも結構いますけど、DJやってたりレコード買ってたりする人って、今回の地震でコレクションをあらためて見直して整理するようになったんじゃないですかね。まぁそういうことも重なって、今のうちに無理してでもやりたいことをやろうっていう感じにはなりましたよね。

--- 近いうちにジャマイカにも行って。

 もちろんすぐにでも行きたいですよねぇ(笑)。実は去年、行こうと思えば行けるタイミングがあったんですけど、ちょうどそのとき(註)キングストンの暴動があって。マイティ(・クラウン)ですら「今はやめておいたほうがいいよ」みたいな感じになってたんで諦めました。


  (註)キングストンの暴動・・・2010年5月、ジャマイカ国防軍、ジャマイカ保安隊、ジャマイカ警察によって、同国のギャング団「シャワーパシ」の首領であり麻薬王のクリストファー・コークの逮捕作戦が行われ、キングストン市全域に非常事態宣言が発令された。5日間にわたる衝突により73人以上の死者と500人以上の逮捕者が出た。


 もっと言うと、『Pan Rhythm』に入っている「El Carnaval」っていう曲のPVを撮影するときに、「じゃあ、カリブ海辺りの島国で撮ろう」ってことになったんですよ。そのときジャマイカも候補に挙がっていたんですけど、ちょうどバルバドスとかバハマのファンクを聴き始めた頃だったんで、「お宝レコードいっぱいあるんだろうなぁ」とか「(註)ビギニング・オブ・ジ・エンドとかに会えんのかなぁ」っていうノリで(笑)、結局バハマに行ったんですよね。ジャマイカはニューヨークから行ってる人は結構多いけど、あまりバハマ行ったっていうのは聞いたことがなかったんで。あと、マイアミもジャマイカからすごく近いんで、音楽的な交流が盛んなんですよね。(註)T.K. プロダクションは、レコーディングでレゲエのリズム隊を起用してたりもして。例えば、(註)キング・スポーティなんかは、T.K.からもジャマイカのレーベルからもリリースしてるんですよね。


  (註)ビギニング・オブ・ジ・エンド・・・西インド諸島バハマはナッソー出身でマイアミを拠点に活動していたファンク・バンド。レアグルーヴ&ブレイカーズ古典「Funky Nassau」や「When She Made Me Promise」などを所収した1971年のアルバム『Funky Nassau』、さらにカリビアン〜アフロ濃度が増した76年の2ndアルバム『Beginning of The End』の原盤LPは、いずれも中古市場では5ケタ、6ケタを下らないレア・アイテムとして知られている。

  (註)T.K. プロダクション・・・1974年、フロリダ州マイアミの音楽事業家ヘンリー・ストーンが、Alston、Glades、Cat、Blue Candle、Kayvetteといった地元周辺のインディ・レーベルをひとつにまとめあげ、「T.K. プロダクション」を設立した。第1弾作となったジョージ・マクラエ「Rock Your Baby」のブレイクスルーを皮切りに、KC&ザ・サンシャイン・バンドの「Get Down Tonight」、「That's The Way」、グウェン・マクラエ「Rockin' Chair」といったヒット曲を連発。たちまち世界中に「マイアミ・サウンド」の大ブームを巻き起こした。カリブ海地域のカリプソ、レゲエ、スカのリズムなどを取り入れた乾いた明るさを感じさせる曲調が、このレーベルの最大の特徴だろう。



 いやでもホント行ってみたいですよねぇ、ジャマイカ。まだ乗ったことないですけど、「Air Jamaica」の飛行機のポップとか家に飾ってあるぐらいですからね(笑)。




【取材協力:リズメディア/ユニバーサルミュージック】





[追悼] 二木崇さん

5月20日にブラストやリディム、各種ライナーノーツ、その他多数のレビューで活躍していた音楽ライター/プロデューサーの二木崇氏が急逝されました。
音楽ファンであれば、一度は二木さんの文章を目にすることがあったと思います。このHMVオンラインでも国内外のアーティストのインタビューを数多く手がけていただき、インタビュー以外でも交流のあるMUROさんの連載(Radio King 〜King Of Diggin' Mixx Show〜)の橋渡しをしてくださったりと、大変お世話になっておりました。 この場をお借りして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

二木さんの明るく楽しいお人柄と、音楽愛溢れる文章はいつまでも私たちの心に残っております。
謹んでお悔やみを申し上げるとともに、心からご冥福をお祈りいたします。

 Interview by Takashi Futatsugi



Kings From Kings 12 MURO'S Bob Marley Mix
キングストンのキング=ボブ・マーリーのジャマイカ時代音源を、渋谷のキング=MUROがDJミックス! マイティ・クラウン、Cojieとの『Dig On Summer 2009』、『Rockers』30周年に捧げた『Rockers Revenge 2010』に続く、”KING of DIGGIN'” によるレゲエ MIX CD企画第3弾。数あるボブ・マーリー音源の中でも「ボブが最もボブらしかった」と評されるジャマイカ時代(JAD音源)の珠玉の名曲、さらにリー・ペリーがプロデュースした音源や貴重なダブ・ヴァージョンもピックアップ。まるで70年代初頭のキングストン、砂埃立ち込めるトレンチタウンの空気を封じ込めたような最高にルーディでウィキッドなミックス。世界でも稀に見るボブ・マーリー音源のみを仕様した完全永久保存盤。


Bob Marley / Live Forever: September 23, 1980, Stanley Theatre, Pittsburgh, P.A.
没後30年。ボブ・マーリー最後のライヴ・パフォーマンスがついにオフィシャルCD化! 1980年9月23日米ペンシルバニア州ピッツバーグのスタンリー・シアターで行なわれたボブ・マーリー”生涯最後のライヴ”を完全収録。亡くなる7ヶ月前、すでにボブの身体は病魔に蝕まれ、序盤数曲の歌唱力は全盛期からは程遠いものとなっているのは否めないが、徐々にヒートアップする中〜後半からは、最後の力をふり絞るかのように絶唱するボブの姿に震えがとまらない。初出となる「Redemption Song」、「Work」、「Get Up Stand Up」の3曲に加え、国内盤のみ高音質SHM-CDを採用。2枚組通常盤と、3LPに復刻版ツアー・パンフレットを付属したデラックス・エディションの2ヴァージョンでのリリース。





ユニバーサル アイランド レゲエ SHM-CD 再発シリーズ


  • Catch A Fire +2

    『Catch A Fire』

    衝撃のメジャー・デビュー作。その後のポップ・シーンでのレゲエの位置を確立した歴史的にも重要な1枚。ボーナス・トラックとしてオリジナル・ジャマイカン・ヴァージョンより「ハイ・タイド・オア・ロー・タイド」、「オールデイ・オールナイト」を収録。オリジナル 1973年発表...

 
  • Burnin'+3

    『Burnin'』

    レゲエの本質がより凝縮されたアルバム。エリック・クラプトンのカヴァー・ヒットで世界的に知られる「アイ・ショット・ザ・シェリフ」が生々しく響く。ボーナス・トラックとして、当時のシングル「コンクリート・ジャングル」のB面曲「レインカーネイテッド・ソング」、当時の未CD化曲「ノー・シンパシー」、「オプレスト・ソング」を収録。オリジナル 1973年発表...

  • Natty Dread +1

    『Natty Dread』

    妻のリタ・マーリィ、アイ・スリーズなども参加した作品。「ノー・ウーマン、ノー・クライ」をはじめ名曲揃い。ボーナス・トラックとして、アルバム『トーキン・ブルース』より「アム・ア・ドゥ」を収録。オリジナル 1974年発表...

 
  • Live! +1

    『Live!』

    1975年7月19日ロンドンでの伝説のライヴ録音。ボブ・マーリーの強烈な存在感が際立つ。ボーナス・トラックとして、「キンキー・レゲエ」のロング・ヴァージョンを収録。オリジナル 1975年発表...

  • Rastaman Vibration +1

    『Rastaman Vibration』

    革新的なリズムが織り成すロックとレゲエの完全なる調和が聴ける作品。ボーナス・トラックとしてシングル曲「ジャ・リヴ」を収録。オリジナル 1976年発表...

 
  • Exodus +1

    『Exodus』

    ボブ・マーリーの最高傑作との呼び声の高い作品。テンションと体感温度が高い名曲たちがぎゅうぎゅうに詰め込まれており、聴き手を高揚感で満たしてくれる。オリジナル 1977年発表...

  • Kaya +1

    『Kaya』

    愛と平和とガンジャへのオマージュ・・・。「イズ・ジス・ラヴ」を含む傑作。ボーナス・トラックとして、「スマイル・ジャマイカ」を収録。オリジナル 1978年発表...

 
  • Babylon By Bus

    『Babylon By Bus』

    レゲエ史上最もパワフルな1978年ヨーロッパ・ツアーのライヴを収録したアルバム。その強烈なメッセージは聴くものの心を激しく揺さぶる。オリジナル 1978年発表...

  • Survival +1

    『Survival』

    アフリカの平和を訴えた、闘争的なアルバム。ボーナス・トラックとして「ナッティ・ライド」の12インチ・ヴァージョン収録。オリジナル 1979年発表...

 
  • Uprising +2

    『Uprising』

    1981年5月11日にこの世を去ったボブ・マーリーの遺作となったアルバム。歴史的名曲「リデンプション・ソング」を収録。ボーナス・トラックとして「リデンプション・ソング」と「クッド・ユー・ビー・ラヴド」の当時未発表だったヴァージョンを収録。オリジナル 1980年発表...

  • Confrontation +1

    『Confrontation』

    ボブ・マーリー亡き後、妻のリタ、アイランドのクリス・ブラックウェルによって編集されたアルバム。ボーナス・トラックとして、「バッファロー・ソルジャー」の12インチ・ヴァージョンを収録。オリジナル 1983年発表...

 
  • Legend +2

    『Legend』

    1984年にリリースされたベスト・アルバム。レゲエの神様 ボブ・マーリーの、そして世界中の音楽ファンを震撼させた “伝説” のすべてがここにある...

  • One Love: The Very Best of Bob Marley & The Wailers

    『One Love: The Very Best of』

    レゲエ・ミュージック界の巨星、ボブ・マーリーの代表曲20曲を収録したベスト・アルバム。発表当時未発表だった「アイ・ノウ・ア・プレイス」を収録...

 
  • 127 King Street

    『127 King Street』

    JAD時代の1970年から73年に発表されたシングルに、5曲のDJミックスをプラスしたシングル・コレクション。オリジナル 2004年発表...

  • Ammunition Dub Collection

    『Ammunition Dub Collection』

    リー・ペリーなど敏腕プロデューサーによる発表当時未発表だった曲も含む、代表曲のダブ・ヴァージョンのみを収録したコンピレーション。オリジナル 2004年発表...

 
  • Blackheart Man

    Bunny Wailer
    『Blackheart Man』

    ウェイラーズのオリジナル・メンバーであり精神的支柱的存在だったバニー・ウェイラーが、グループ脱退後に発表したソロ・デビュー作。レゲエ史における最高峰の1枚。オリジナル 1976年発表...

  • Super Ape

    Lee Perry
    『Super Ape』

    ボブ・マーリィのプロデューサーとしても名高い奇才リー ”スクラッチ” ペリーの代表的なアルバム。オリジナル 1976年発表...

 
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    Rico
    『Man From Wareika』

    リコの代表作。圧倒的な美しさと崇高さに満ち溢れた史上稀に見る名盤。ダブ・アルバムの『Wareika Dub』も怪作。オリジナル 1977年発表...

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    『The Harder They Come』

    ボブ・マーリーと並ぶレゲエ界を代表するシンガー、ジミー・クリフが主演した傑作ジャマイカン・ムーヴィのオリジナル・サウンドトラック。オリジナル 1972年発表...

 
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    グレゴリー・アイザックス、ピーター・トッシュらのヒット曲を収録した映画「ロッカーズ」のオリジナル・サウンドトラック。オリジナル 1979年発表...








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MURO (ムロ)

 日本が世界に誇る”King Of Diggin'”ことMURO。80年代後半からKrush Possee、Microphone Pagerでの活動を経て99年にソロとしてメジャーデビュー。以来、MCとしてはもとより、「世界一のDigger」としてプロデュース/DJでの活動の幅をアンダーグラウンドからメジャーまで、そしてワールドワイドに広げていく。2007年にはミラノで行われたNIKE AIRFORCE 1のイベントでのDJ出演を皮切りにロンドン/アムステルダムでのヨーロッパツアーも敢行。また、同年12月には北京で行われたFENDIのファッションショーのアフターパーティでDJを、そして2008年4月にはNYのBrooklyn Museumで行われた村上隆氏のエキシビションのオープニングイベントにてDJを行う。また、2008年1月よりOAの安室奈美恵によるヴィダルサスーンCMタイアップ曲「Rock Steady」のプロデュースや、MISIA「Yes Forever」のリミックスなどを手がける。2009年の8月には自身の軌跡を辿るべくセルフミックスで今まで発表リリースしてきた楽曲のインストのNONSTOP MIX『DA CREATOR』、マイティ・クラウンのセレクターとして世界に名を馳せるCOJIEとレゲエのTrojan音源をスピンした2枚組ミックスCD『DIG ON SUMMER 〜Relax&Cool 2009』をリリース。2010年には和物のみを使用したオフィシャルミックスCD『KING OF DIGGIN'〜DIGGIN'OST〜やさぐれファンク番外地編』、レゲエ映画の傑作『ロッカーズ』の公開30周年を記念したレゲエ・ミックスCD『Rockers Revenge』をリリース。多岐に渡るフィールドで最もその動向が注目されているアーティストである。


MURO プロデュースのセレクト・ショップ「DIGOT」 オープン!

 MURO プロデュースによるセレクトショップ「DIGOT(ディーゴ)」が、去る5月22日(日)に渋谷のファイヤー通りにオープン。自らがバイヤーとなり、ニューヨーク、ボストン、上海などで買い付けしたアイテムを中心に、オリジナルや委託販売なども行なっている。レコード同様、ジャンルにとらわれることなく縦横無尽にファッションをたのしみ続けるMURO。どのようなブランド、アイテムを店頭に並べているのか。気になる商品構成などは、実際に足を運んでチェックしてみてください!



DIGOT
営業時間:12:00〜20:00
住所:東京都渋谷区神南1-3-3 サンフォーレスト神南MORITA BLDG 1F
電話:03-6809-0861
www.digot.jp






本文中に登場する主要人物について


ササフラス Sassa Fras
(ササフラス)


往年のレゲエ・イベント・ポスターやフライヤーなどを数多く手掛けたことで知られるジャマイカ伝説のイラストレーター。マジック・ペンを用いてダイナミックに描かれたそのオリジナル・フォントで、レゲエ独特の陽気でやんちゃなヴァイブスを伝える。また、今年スタートした 24×7 RECORDS ウエア・ライン『RICE & PEAS』には、ササフラス描き下ろしによるエクスクルーシヴ Tシャツも登場している。


リー・キュノネス Lee Quinones
(リー・キュノネス)


キース・ヘリング、ジャン=ミシェル・バスキアと並んでニューヨーク初期のストリート・アートにおいて最も重要なイノベーターのひとり。ヒップホップのバイブルとも言える映画「Wild Style」の主役として、ここ日本でもシーンの形成に多大なる影響を与え続けてきた伝説のアーティスト。地下鉄の車両へのグラフィティからキャンバス・アートへと移行してからも、普遍的なテーマの中に自己を追求する内省の旅をくり返すような、「個」と「雄大さ」が交錯する作品は、他のどのアーティストにも真似ることのできない独特な世界を創り上げている。


ラメルジー Rammellzee
(ラメルジー)


ニューヨーク・クイーンズ出身。路上のグラフィティ・アーティストとして名を広めた後、1983年にK-ロブと共に「Beat-Bop」(名義は、RAMMELLZEE VS. K-ROB)をレコーディング。盟友バスキアがジャケットのアートワークを手掛けたこの12インチ・レコードは、オールドスクール・クラシック伝説の1枚として今も語り継がれている。路上の壁からギャラリーのキャンバス、そして自分自身へと創作のベクトルを変化させ、ステージでは自ら奇天烈痛快な造形と化す。2003年の『This Is What You Made Me』、翌2004年の『B1-conicals Of The Rammelzee』と、2枚のアルバムをリリースし、来日公演なども行なっていたが、2010年6月27日、長い闘病の末、49歳でこの世を去った。


アストン ”ファミリー・マン” バレット Aston ”Family Man”Barrett
(アストン ”ファミリー・マン” バレット)


キングストン生まれのベーシスト。弟はドラマーのカールトン ”カーリー” バレット。兄弟のリズム・セクションとして多くのヒット曲の名リズムを生み出した。リー・ペリーが自身のレーベル「アップセッター」を興した際に彼らを引き入れ、グレン・アダムス(key)らを加えたジ・アップセッターズが結成された。1969年、「Return of Django」のヒットを受けたイギリス・ツアーの大成功後、バンドはボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズに接近。当時の最高のコーラス・トリオが最高のリズム・セクションと出会った記録は、『Soul Rebels』、『Soul Revolution』、『African Herbsman』などのアルバムで聴くことができる。その後のアイランド時代においても、タメの効いた重くずっしりとしたベース・ラインと、スコーンと抜けのよいタイトなドラムとのコンビネーションで生まれた ”ワン・ドロップ” リズムで、ボブをバックアップしていった。ほか、オーガスタス・パブロの『Original Rockers』や『King Tubby's Meets Rockers Uptown』などでバレット兄弟の強靭なリズムを聴くことができる。


アール”チナ”スミス Earl ”Chinna” Smith
(アール ”チナ” スミス)


レゲエにおけるリズム・ギターの真髄を伝えた第一人者でもある、ジャマイカのギタリスト。レゲエ・バンド、ソウル・シンジケートでの活躍の一方で、流動的ではあったがバニー・リーが集めたセッション・バンド、アグロヴェイターズに参加するなど、数多くのシンガーの録音に参加し、そのバッキングにおいても類稀な才能を発揮。グラミー賞を受賞しているレゲエ楽曲の半分近くでチナがギターを演奏している、とまで言われている。特筆すべきは、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの1975年7月18日ロンドン・ライシアム・ホール公演を収録した『Live!』における「No Woman, No Cry」のギター・ソロ。ルーツ・レゲエとロック的な要素が絡み合う時代のドラマが映し出されたポピュラー・ミュージック史に燦然と輝き続ける名演と言えるだろう。ソロ・アルバムとしては、77年に『Sticky Fingers』、83年に『Dub It!』、91年に『Home Grown』、2005年に『Inna de Yard』、2009年に『Inna de Yard Vol.2』とコンスタントにリリースを続けている。ダンスホール全盛の現在においても、シズラやジギー・マーリーのアルバム制作に参加し、アレンジャー/プロデューサーとしてその腕を揮っている。


アビシニアンズ Abyssinians
(アビシニアンズ)


リードシンガーのバーナード・コリンズと、カールトン&ザ・シューズで活動していたリンフォードとドナルドのマニング兄弟によって1968年に結成されたルーツ・コーラス・トリオ。1969年にStudio One レーベルに吹き込まれた「Satta Massa Ganna」は、2年後の71年に彼らが立ち上げたClinch レーベルの第1弾としてリリースされた。この伝説の名曲は、現在に至るまで多数のアーティストにカヴァーされ、ビッグ・ユースやディリンジャーといったDeejayたちが同リディムを使用してトースティングした曲もヒットを記録した。崇高なラスタ思想に基づいた歌詞と美しいコーラス・ワークでジャマイカ国内外で絶大な人気を得た。バーナードの脱退に伴ってグループは80年に解散するが、98年にオリジナル・ラインナップで再結成を果たし、新録アルバム『Reunion』もリリース。2004年からは、80年代から行動を共にしていたシンガー、デビット・モリソンとツアーを行なうなどして近年も精力的に活動を続けている。   


キング・スポーティ King Sporty
(キング・スポーティ)


本名ノエル・ウィリアムス。ジャマイカのポート・アントニオ出身で、60年代のスカ黄金期から「キング・スポーティ」という名義で活動を開始。60年代後半には、トミー・マクックのバンド、スーパーソニックスと「For Your Desire」などを吹き込み、のちの80年代には、ボブ・マーリー「Buffalo Soldier」の共作者としてもその名を広く知られるようになる。70年代半ば頃から、ティミー・トーマス『Touch To Touch』のプロデュースを手掛けるなど、ソウル・シーンに急接近。その頃からマイアミに移住し、ベティ・ライトと結婚。T.K. 傘下に設立した自身のKonduko レーベルやその傍系Tashamba、さらにはジャマイカのKingston レーベルなどから、『Deep Reggae Roots』、『Mr. Rhythm』といった2枚のアルバム、さらにシングルでは「Concrete Jungle」のカヴァー、「Don't Kill The Goose」など、自身のソロ作品をリリース。その他様々な名義を使い分けながら、マイアミ・ディスコ、エレクトロ・ディスコの佳盤を制作している。ジャマイカ音楽史上最重要ギタリスト、アーネスト・ラングリンの83年マイアミ録音アルバム『From Kingston J.A. To Miami U.S.A』では共同プロデュースを手掛け、レゲエ、ダブ、ソウル、ファンク、ディスコなどマイアミ〜カリブ周辺の南国音楽要素すべてを惜しみなくつぎ込んだ、稀に見る異色作を作り上げた。