シェーンベルク(1874-1951)

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CD 輸入盤

シェーンベルク:月につかれたピエロ 他 S・ラトル/ナッシュ・アンサンブル

シェーンベルク(1874-1951)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CHAN6534
組み枚数
:
1
レーベル
:
フォーマット
:
CD

収録曲   

  • 01. Part 1: No. 1. Mondestrunken / No. 2. Colombine / No. 3. Der Dandy / No. 4. Eine Blasse Wascherin /
  • 02. Part 2: No. 8. Nacht / No. 9. Gebet an Pierrot / No. 10. Raub / No. 11. Rote Messe / No. 12. Galgen
  • 03. Part 3: No. 15. Heimweh / No. 16. Gemeinheit! / No. 17. Parodie / No. 18. Der Mondfleck / No. 19. S
  • 04. 1. Etwas Lebhaft
  • 05. 2. Sehr Langsam
  • 06. 3. Sehr Rasch

ユーザーレビュー

総合評価

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マニングの語り芸と、ラトル流のポップな(...

投稿日:2021/08/26 (木)

マニングの語り芸と、ラトル流のポップな(?)味付けを楽しめる「月に憑かれたピエロ」だ。 この録音で語りを担当しているジェーン・マリアン・マニング (1938年9月20日〜2021年3月31日)は、現代クラシック音楽のスペシャリストだったソプラノ歌手で、ある批評家からは「英国の現代音楽の生命と魂」と評されたという。マニングは、ほぼデビュー当時から「月に憑かれたピエロ」を得意としていたようで、このCDは、今年(2021年)亡くなった彼女の貴重な記録と言えよう。同録音は数種類のジャケットで売られてきたようだ。私は、型番は同じCHAN6534だが、ジェーン・マニングがピエロに扮したイラストのCDで聴いている。 さて、「ピエロ」の語り手には、狭い音域で語る人、広い音域を駆使する人、淡々と語る人、表情豊かに語る人、美声の人、年取った声の人と、様々なタイプがいる。 マニングは、広い音域で、極めて表情豊かに語るタイプ。声の質は、チャーミングなおばさん声だ。 語りを支えるラトルの解釈は、曲ごとに声色を変えるマニングに合わせて、音色と表情が豊かだ。緩急を自在に付けつつ、全体としてはかなりポップと言ってもよい軽快なタッチとなっている。あまり恐怖を煽らないし、暗くもならない。ラトルもマニングも、軽快かつ大げさな身振りを徹底することで、深刻な表現主義とはならず、パロディ的、カーニバル的に痛快に響く。恐怖場面の連続のはずの第二部が、B級ホラー映画さながらで、ニヤニヤしながら聴けてしまう。イギリス的なちょっと毒のあるファンタジーの世界でひととき遊んだ感じで、後味がよい。これはこれで、徹底したアプローチが成功した「ピエロ」と言えるだろう。ナッシュ・アンサンブルの演奏も上手い。第18曲「月のしみ」は同曲の最速記録かもしれない。スタジオ録音のようだが、全体にライブ録音のような臨場感とノリがある。 ウェーベルンの「9つの独奏楽器による協奏曲」Op.24がカップリングされている。「ピエロ」程知らない曲だから、ブーレーズの旧録音(1969)と比較してみた。ブーレーズの演奏が、若い頃のこの人の常で、指揮者がグイグイ引っ張っている感じなのに対して、ラトルの演奏では、各楽器が楽しげに、また優しく対話している。第3楽章は、ダンス・ミュージックのようにノリノリで、楽しく聴いた。室内楽的アプローチにいつもこだわっているラトルの良さが発揮された演奏と思う。

伊奈八 さん | 茨城県 | 不明

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