ラモー没後250年記念ボックス(10CD)
クリスティ&レザール・フロリサン
『優雅なインドの国々』『カストールとポリュックス』『ピュグマリオン』『アナクレオン』、他
ハルモニア・ムンディ・フランスのラモー名盤群がお買得ボックスに!
2014年、没後250年を迎えたアニヴァーサリー作曲家、ラモー。クリスティがハルモニアムンディに録音した珠玉の作品が、お買得ボックス・セットになって登場します! ラモーの生存中最大の成功作であった『優雅なインドの国々』をはじめ、音楽史的にも重要な『カストールとポリュックス』。そして、洗練されたロココ芸術の粋ともいえるバレエ劇『アナクレオン』は、約20年ぶりのカタログ復活! 見逃せません。クリスティのチェンバロ独奏によるなつかしの知性漂う名演『クラヴサン曲集』や『新しいクラヴサンの組曲』も久々の復活。ブックレットも307ページ・フルカラーで歌詞テキストも掲載された充実ぶり(英・独・仏語)、注目のボックスです!
【ウィリアム・クリスティ(指揮、チェンバロ)】
1944年ニューヨーク州生まれ。13〜18歳まで、母が指揮をしていた声楽アンサンブルに所属。ハーヴァードやイェール大学で美術史や音楽学を学び、1966〜1970年ラルフ・カークパトリックやケネス・ギルバートにチェンバロを師事します。1971年からフランスに居を移します。ルネ・ヤーコプスのアンサンブルなどで活躍した後、1979年に「レザール・フロリサン」を設立。その後ハルモニアムンディなどで、フランス・バロック・オペラをメインとした100以上の録音を残し、そのほとんどが名高い賞を受賞しています。指揮者として、オペラを中心に活動を続けるほか、若者を育成するプロジェクトも手掛けるなど、いまなお一層の活躍をしています。(キングインターナショナル)
参考までにかつてのジャケット画像を表示しておきます。
【収録情報】
Disc1-3:優雅なインドの国々(オペラ=バレエ) 初演:1735年
オペラ作曲家としては遅咲きだったラモー。その代表作『優雅なインドの国々』は、1735年の初演から40年近くの間に、部分改訂がなされながらも700回も上演されたといいます。この中から4つの管弦楽組曲、クラヴサン編曲などが出版されています。この『優雅なインドの国々』は、各幕に1つの逸話があり、バレエを随所に取り入れたオペラ=バレエ。第1幕の『寛大なトルコ人』の舞台はインド洋トルコ島。海賊に囚われたプロヴァンスの娘と、そこにたまたま難破船でたどりついた彼女の恋人をめぐるひと騒動。第2幕は火山山岳地帯の砂漠が舞台の『ペルーのインカ人たち』。スペインとインカの娘が相思相愛だったのに、司祭が横恋慕するも、司祭は噴火火山の溶岩に呑みこまれてしまうといった話。第3幕では気分は一転、華やかな花々の踊りで幕を閉じます。終幕の『未開人たち』は北アメリカの森林地帯が舞台。柄の長いパイプを持って踊る「平和のパイプの踊り」など見どころ満載です。オペラ=バレエといいながら、声楽曲に比べて純粋な舞曲が少なく、バレエと呼べる顕著なものは唯一、第3幕の終幕くらいですが、この作品が舞台で大勢の踊り手によって華麗に上演された時、当時のそれまでの作品とは比較にならないほどバレエが占める重要度は増したことは確かでしょう。しかもリュリはクープランやバッハらが書いたような、様式化された舞曲ではなく、宮廷舞踊と同時に民衆の間に根付きつつあった舞踊、リゴードンやミュゼットといったものも幅広く取り入れているのもポイントです。物語は異国要素満載なのに、音楽には異国情緒を感じさせる打楽器なども特に用いられておりませんが、それでも当時の観客に異国趣味を満喫させてくれる作品としてもてはやされたのは疑いのない事実で、これによりラモーの名声は一気に高まっていきます。
尚、このCDで使用している楽譜は基本的には1743年改訂版となっています。
● ラモー:オペラ=バレエ『優雅なインドの国々』全曲
クロラン・マクファーデン、イザベル・プルナール、サンドリーヌ・ピオー、他(ソプラノ)
ハワード・クルック、ジャン=ポール・フシェクール(テノール)
ジェローム・コレア(バリトン)
ニコラス・リヴェンク(バス・バリトン)
ベルナール・デルトレ(バス)
レザール・フロリサン
ウィリアム・クリスティ(指揮)
録音時期:1991年1月
録音方式:ステレオ(デジタル)
Disc4-6:歌劇『カストールとポリュックス』 初演:1737年
『カストールとポリュックス』は、1750年の音楽史上重要なブフォン論争(ラモーを代表とするフランス古典音楽・トラジェディ・リリックを擁護する「国王派」と、百科全書家(ルソーに代表される)の「王妃派」間の争い)のきっかけともなった作品。国王派が勝利したことにはなっていますが、フランスの古典オペラ・宮廷オペラの衰退は誰の目にも明らかでした。百科全書的啓蒙主義への流れを皮肉にも決定づけることとなった重要な作品です。
あらすじは、異父兄弟カストールとポリュックスをめぐる物語。美しい太陽の娘テライールは、カストールと愛し合っている。ポリュックスもテライールを愛しているが、二人の気持ちを知り身を引く。カストールはある日戦死してしまう。嘆き悲しむテライールを見て苦悩するポリュックスは、父であるジュピター(ユピテル)に、自分の永遠の命と引き換えに、カストールを甦らせるよう懇願するが、ジュピターはこれを断る。しかしポリュックスの思いは強く、天国に行ってカストールに会う。カストールは、ポリュックスの命と引き換えに自分が甦ることはできないと断るが、ポリュックスの思いは強く、カストールは、テライールに別れを告げるため一日だけ地上に戻ることになる。テライールと再会したカストールはやはり地上にとどまりたい気持ちが大きくなるものの、ポリュックスの生命を奪うわけにはいかないと天国に戻る決意をする。これを見ていたジュピターが兄弟の思いに打たれ、カストールもポリュックスも地上で永遠に生きられるようにし、二人を十二宮の星座として祀ることを決めた(双子座を形作る星)。
● ラモー:歌劇『カストールとポリュックス』全曲
ハワード・クルック(カストール:テノール)
ジェローム・コレア(ポルクス:バリトン)
アニェス・メロン(テライール:ソプラノ)
ヴェロニク・ジャン(フェベ:ソプラノ)
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)
マーク・パドモア(テノール)
レザール・フロリサン
ウィリアム・クリスティ(指揮)
録音時期:1992年9月
録音方式:ステレオ(デジタル)
Disc7:バレエ劇『ピュグマリオン』 初演:1748年
『ピュグマリオン』はラモーの最初のバレエ劇音楽。1748年に初演された、人形師ピュグマリオンが、自分が作った人形に恋をしてしまうが、その思いの強さに次第に人形が生命を持ったものへと変化する、という物語。最後に歌われるアリエッタの超絶技巧も鮮やかな作品です。
『ネレとミルティス』はラモー作品としては珍しくその自筆譜が遺されている作品のひとつで、恋人であるネレとミルティスがお互いの愛をためすためにちょっとしただましあいをするが、また元通りになる、という他愛のない若者の話。
● ラモー:バレエ劇『ピュグマリオン』全曲
ハワード・クルック(テノール:ピュグマリオン)
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ:愛)
アニェス・メロン(ソプラノ:セフィーズ)
ドナティエンヌ・ミシェル=ダンサック(像)
● ラモー:『ネレとミルティス』全1幕
アニェス・メロン(ソプラノ:ミルティス)
ジェローム・コレア(バリトン:ネレ)
フランソワーズ・スメラ(ソプラノ:カロリーヌ)
ドナティエンヌ・ミシェル=ダンザック、カロリーヌ・ペロン(ソプラノ:二人のアルゴス人)
レザール・フロリサン
ウィリアム・クリスティ(指揮)
録音時期:1991年
録音方式:ステレオ(デジタル)
Disc8:バレエ劇『アナクレオン』 1757年
『アナクレオン』は、詩人アナクレオンとその恋人に酒の神バッカスと愛の神の争いがからみ、最後には丸くおさまる、という筋。ラモーの代表的オペラ・バレエのひとつです。洗練されたロココ芸術の美を描きだしています。
● ラモー:バレエ劇『アナクレオン』
ルネ・シラー(バリトン:アナクレオン)
アニェス・メロン(ソプラノ:愛の神)
ジル・フェルドマン(ソプラノ:バッカスの巫女)
ドミニク・ヴィス(カウンターテノール:アガトクル)
ミシェル・ラプレーニー(テノール:宴会の客)
レザール・フロリサン
ウィリアム・クリスティ(指揮)
録音時期:1981年12月
録音方式:ステレオ(デジタル)
Disc9:クラヴサン曲集 1724年
● ラモー:組曲ホ短調
● ラモー:組曲ニ長調
ウィリアム・クリスティ(チェンバロ)
使用楽器:グジョン=シュヴァーネン&リュッカース=タスキン(パリ国立高等音楽院音楽博物館)
録音時期:1983年4月
録音方式:ステレオ(デジタル)
Disc10:新しいクラヴサンの組曲 1728年
● ラモー:組曲イ長調
● ラモー:組曲ト長調
ウィリアム・クリスティ(チェンバロ)
使用楽器:グジョン=シュヴァーネン&リュッカース=タスキン(パリ国立高等音楽院音楽博物館)
録音時期:1983年4月
録音方式:ステレオ(デジタル)