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TOP > My page > Review List of 風信子
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3 people agree with this review 2017/11/16
フィンランドのピアソラ アルゼンチン・タンゴと北欧の組み合わせが目を引いた シベリウスのスペシャリスト舘野泉の演奏も加えたコンピレーション-アルバムは実に興味深い 冒頭”忘却”が聞けるのも嬉しい ”アディオス・ノニーノ”をはじめ代表曲も多く収録されているが ”ブエルス・アイレス午前零時”や”タンゴ III”の前衛があるのも好い ロストロポーヴィチのために書かれた”ル・グラン・タンゴ”は聞き応えがある このアルバムのメイン奏者は”タンゴ・フォー・フォー”だろう ”ブエノス・アイレスの秋”一曲でその技量と解釈が優れていることを証明している 聴かずに過ぎるのが勿体無いこの演奏をお聴きになっては如何
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0 people agree with this review 2017/11/15
美しいカヴァー写真に見とれながら聴き出した ヴァイオリンの歌に添えるようにピアノが随伴する第1番までと打って変わって 第2番では対話になる 二者が緊密な関係性を獲得して伸びやかに語り出す愉しさは無類だ 第3番は対話性を保ちながらも 二者それぞれの独自性がクローズアップして補完し合う部分も意味深く聞こえる 音楽の豊かさが増しより魅力ある音楽になった スタイルは変わらないものの作曲家ディーリアスの技量も人間性も高められたと分かる ディーリアスに限らない こうした弦楽器とピアノによるデュオは作家の内なる全貌を映し出してしまう どの年代のソナタにもディーリアスは映っている 憧れと釣り合う孤独の分銅が載った秤が均衡へ向かって揺れている 生涯さすらい人であったディーリアスの身軽さと危うさが透けて見える この音楽にシンクロナイズする魂の安らげることを祈りつつ お聴きになっては如何
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これがシューベルトの”冬の旅” 三十路に入ったばかりの青年の歌 オリジナル原調で歌うことが第一義にある 自ずとテノールの歌となる テノールにも声質の違いがある パドモアの明るい軽みを感じさせる声は打って付け 勿論歌いたければ誰が歌っても好い バリトン バス 女声とて構わない でもそれはシューベルトを愛するが上の行状として受け止めるだけ わたしが聴きたいのはこのシューベルト 最低でも作曲者が書いたオリジナル譜を音化する演奏 だって”未完成交響曲”はロ短調で演奏するでしょう そう書かれているのだから 演奏者の都合で長三度下げてト短調で演奏したらどうなるか一度やってみると好い それはもう”未完成”じゃない ”冬の旅”は青年の失恋の旅路を歌ったもの 人生はこれからなのだ フッと人生の深淵を覗いてしまう瞬間はあるけれど 青年自身は見たものを受け止め自覚しきれない年齢なのだ シューベルト自身来年命を落とすと知る由もない どこかに楽天的な光が差さない”冬の旅”って無いと思うな 気楽にお聴きになっては如何
0 people agree with this review 2017/11/14
出出しのモデラートが遅い Moderato 八分音符で76の指定を守ったからだ これは一般に誤植と考えられている 誤植と考えられる処はフィナーレの結尾にもある 練習番号131 四分音符で188だ ここをヘルビヒは 四分音符で88にして演奏している 実はスコアのテンポ指示にここ以外概ね従って演奏している にもかかわらず 50分を超えて一般に聞かれる演奏より4,5分伸びている 不思議でもなんでもない 多くの指揮者が自由なテンポをとって演奏しているということだ ヘルビヒは作曲者が明確に訂正しなかった箇所はスコア通りに演奏した するとディテールのコントラストが際立ち ”静寂”が聞こえるようになった ショスタコーヴィチのシンフォニーは音の薄くなったり呟くようにひっそり進行する部分が肝腎だ 爆発する音響は仕掛けられた目眩しだ ヘルビヒのショスタコーヴィチはこの5番に限らず”立て板に水”で滞りがない 作曲者がそう書いたのだから当然なのだが 多くの指揮者はクライマックスを演出したくなる あまりに流れが良すぎて演奏させられた感に苛まれるからだ ヘルビヒのように演奏することは難しい しかしこうでなければショスタコーヴィチの声は聴こえない 聞こえる人には聞こえる音楽をお聴きになっては如何
2 people agree with this review 2017/11/14
見事な演奏と録音 ディーリアス作品では比較的大きな規模を持つ二曲だが アメリカに因んだものということでよくカップリングされる 声楽入りオーケストラ曲という点でも相性がいいが 聞かれる機会には概して恵まれない このディーリアスの傑作をシュテファン・ザンデルリンク&FOが朗々と謳い上げた 巨匠の息子は割を食う トマスもシュテファンもそして最近始めたそうだがミヒャエルも父と同じ指揮棒を握ったがなかなか第一線に立てないと言っては失礼か 何れの演奏も聴いたが大変優れた指揮者だと見受けるから惜しく残念に思っている ここに聴くフロリダO.も優れたオーケストラだ こちらもとんと見かけたことがない 一般に見過ごされてしまうディスクだろう 勿体無い この美しい音楽と演奏をお聴きになっては如何
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18 people agree with this review 2017/11/13
5番から7番までをすでに聴いている(レビューも書かせていただいた) ここでは”4番”までを聴く 乱暴を承知でベルグルンドのシベリウス観を云えば 非ロマン主義で脱民族主義の音楽そして表現主義の先駆けという捉え方がこうした演奏を産んだ 第1番の冒頭クラリネットとティンパニのソリが象徴している 情緒性を排した奏でに違和感を覚える人はシベリウスをロマンチックに見ている シベリウスの交響曲は作曲者の内面を吐露したものと考えるベルグルンドと相容れない この個人主義は突き詰めればフィンランド気質でもある スラヴ人気質とは一線を画す 赤信号みんなで渡れば怖くないというどこかの島国根性では理解できない 侵略され蹂躪されたのは国家民族ではない 私なのだ 私があって初めて一族も国も存在する 独立への闘争を人任せにはできない だからこの演奏の随所に見られる暴力的とも言える攻撃性にたじろぐ人もあろう 頬を紅潮させ涙ぐみ聴く人には胸に迫る音楽と演奏だ 番号を追ってより内向的になる交響曲は取っ付き難く感じられるものだ だがここにシベリウスの詩と真実があからさまになっている このシベリウスの現代性は個人から発して普遍なるものへと転化し フィンランドの心を救い世界へ飛び出て人類の心に届いた ベルグルンドは伝達の使徒となった お聴きになっては如何
18 people agree with this review
2 people agree with this review 2017/11/12
優しい音楽そして優しい演奏へ心静かに耳傾けた ”マ・メール・ロワ”は組曲版ではなくパレー音楽版である ピアノ版の5曲を管弦楽化したものを組曲として掲げているディスクもあるが スラトキン&ONLはバレー化にあたりラヴェルが曲順を変更し書き足した”前奏曲””紡ぎ車の踊りと情景”に曲間の”間奏”を加えて一曲として続けて演奏する版を演奏している これでいいのだ 子供に語って聞かせるお伽話のように呟くように始め静かな起伏を描きながら最後”妖精の国”で見事な大団円を結んで見せる 快い夢幻から醒めた心地だ ”子供と魔法”を音だけで鑑賞したのは初めて 芝居を見ている時は意識の襞に挟まっていた音響の妙に気づいた 思いの外簡素なオーケストレーションだったのだと少し驚く ドラマツルギーは子供向けと言うこともあって簡潔だから粗筋さえ掴んでいれば十分に想像力を働かせられる スラトキン&ONLがいつにも増して闊達な演奏表現でグイグイドラマを進行させる あっという間に聴き終えてしまう この素敵な音楽をお聴きになっては如何
0 people agree with this review 2017/11/11
とんでもなく面白い それだけに実演に触れる機会がない 録音の効用大なるもやっぱり観て聴きたいものだ 20代のヒンデミットは過激な振る舞いの中にウイットとユーモアが溢れていて実に好い 先ず”ミニマックス”だろう 弦楽四重奏曲だが如何にも軍楽隊が演奏しそうな曲種のパロディを寛いで弾く 行進曲 序曲 間奏曲 ワルツと何処かで聞いたかなあといった趣でそれとなく有名曲の触りだか歪みだかが仕込んである クスッと鼻が鳴る人も多かろう 何にしても休日感濃厚なので愉しめる 因みにわたしのお気に入りは”二人の愉快な薄汚い奴” しかし銘記すべきは冒頭の”クラリネット五重奏曲”だろう ’23年オリジナル版とあるが 一般的と言われる’54年版を知らないから違いがわからない 聴けばこれも面白い 実験的でもあり叙情的でもある 歪といえば歪だが魅力ある逸品だ そして何より嬉しかったのは”さまよえるオランダ人”序曲のパロディーが聴けたことだ 憧憬と揶揄皮肉が綯い交ぜになったヒンデミットの素顔を覗いたようで妙に気恥ずかしくそして面白い お聴きになっては如何
1 people agree with this review 2017/11/10
テイン・パン・アレーの時代にヒットしたラグやタンゴが愉しめる グッドウィン&PCTOでなきゃこうはいかない雰囲気満載 肩の力が抜けてリラックスできること請け合い 100年前のポピュラー音楽はある意味新鮮なのかもしれない 古臭くて滑稽だよと言われちゃ身も蓋もないけど 人の喜怒哀楽はそう変わっちゃいないんじゃないと肩を持ちたくなる 音楽が高尚なんて言う人いないと思うけど 集中しないで勝手なことしながら時々よそ見しちゃつたりしているかと思えば口ずさんで肩揺すって微笑んで そんな音楽の聞き方もいいよね って言うわけで和んでます
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2 people agree with this review 2017/11/10
目の前にありながらその美しさに気づかない シンフォニーに気を取られてミサ曲のあるを知りながら或いは聞いてもいながら秀麗の極みある存在に思いが及ばなかった 三曲のミサ曲は交響曲創作時期に照らし合わせると 三曲はまとまった時期に作曲され改訂もされている 初稿は交響曲第0番の作曲と改訂そして第1番の作曲と並ぶ時期に立て続けに書かれている 二稿は第5番の時期に 三稿は第7番と並行して改稿され それに続いて”テ・デウム”が完成している 奉仕する聖フローリアン修道院のために労を執ったのだろうが 歌うべき詩があるところへ作曲する時点で 交響曲の自在さを失うが 明らかに交響曲作曲と連動している 第5シンフォニーはブルックナーが交響曲の在り方を確立した時であり 第7シンフォニーは初めて世に受け入れられた時である そして畢生の大作第8番へ向かう時の”テ・デウム”なのだ 交響曲創作の旅路の分去れに立った時ブルックナーはミサ曲に身を置き或いは立ち戻っているのだ 聴けばその管弦楽の雄弁さに目が眩むほどだ レーグナーが逝き未録の”第1番”をマット&WPRを補ってくれた これが若々しく美しく心洗われる演奏だ 三つのミサ曲の性格の差が却って際立つ結果となった 心打つレーグナー&マットのブルックナーミサ曲をお聴きになっては如何
1 people agree with this review 2017/11/08
亡くなってから知った指揮者ティントナー 私の中では無名だった人とブルックナーを聴くんで出会った 間もなくディーリアスの一枚があることを知る ユダヤ系オーストリア人がディーリアスを 何故 ナチスに追われてオーストラリア ニュージーランド イギリス 南アフリカと転々としたとか 全て大英帝国の文化に染まった国だ なるほど ティントナーがディーリアスに親しみを覚えたのも肯ける 久しぶりに聴き直してみて改めて聞き惚れた ”ヴァイオリン・コンチェルト”を中心に置くも 前座に四つのオペラから管弦楽曲を聞かせる これが名曲揃いなのだ ”イルメリン前奏曲”で一気にディーリアスの世界に引き入れられる ”フェニモアとゲルダ”の間奏曲は名演だ コンチェルトの後を受けた”2つの小品”もまた絶品 ティントナーがディーリアスへ共感の挨拶を贈っている 二人はついに故郷へ還ることはなかった 生涯をエトランゼとして異郷に生きた人だった 夏ばかりでなく冬もこの優しい音楽をお聴きになっては如何
3 people agree with this review 2017/11/08
楽章を追って聴いた 大変良い出来の”第九”だと思った 通常の第三楽章までで曲を閉じても推奨したい演奏だ 愈々シャラーが完成したフィナーレへ入った 出だしはこれまで様々な”完成版”で聴いてきたものと同じように聞こえる 演奏時間24’40”の7分を経過したた辺りから聴きなれないフレーズが聞こえ始める それでも大筋は変わらないなと聴き進めて17分過ぎ オーケストラの響きに厚みが出る シャラーが補筆したのだろうフレーズが聞こえてくる 誰の校訂完成版でもここは十分な補筆が必要になっている箇所だ では最後の締めくくりも含めシャラー校訂完全版の出来はどうだったか 実は初めて聴いてから10日ほど日を空けて再度聴き直した 冷静に評価する精神状態ではなかった それほどショックだった それは違和感といってもいい ほとんど空白のフィナーレ終末のフラグメントを見れば 誰が校訂したにせよ ほとんど作曲せざるを得ないことは自明なのだ 先人の校訂演奏が耳にあればどうしても後発の校訂は不利になる 慣れたものを人は美しいと勘違いする 結果 シャラー校訂完成版は素晴らしい 何はともあれお聴きになっては如何
1 people agree with this review 2017/11/07
作曲順に聴く アジアの西の端 地中海に向いた小国レバノンの作曲家 今年日本流に言えば還暦を迎えたアル-フーリー 長くフランスに統治されていたからか ここにフランスのオーケストラによるライヴで4曲を連ねる 四人の指揮者が三つのオーケストラを振っている ”愛の歌”以外は今世紀の作品でいずれも調性感は失われてはいないが曖昧なもの 聴衆の拍手入りで歓呼の声も聞こえる 感性を刺激し情趣を醸す力を有する楽曲たちだ 叙情的だったり劇的であったりそれぞれ趣を持つが 一体に音を畳み掛けて重ねる傾向が見られる 力動感や炸裂感が印象に残った 他の曲も聴いて見たいと思った
0 people agree with this review 2017/11/07
喜怒哀楽を超えて歌い出すとき音楽は一己の世界観を語り出す ここには協奏曲に付き物のナルシシズムがない 語りかけ呼びかけ問いかける音楽がある ソロとオーケストラの対話 そして聴衆も感得し応えなければならない 問答は尽きることがない 湧き起こる想念は無辺の地平を駆け巡る ウォルトンはピアノ協奏曲を”協奏的交響曲”と名付けたが 三つの弦楽器のための協奏曲も ”シンフォニア・コンチェルタンテ”なのだ 実に大きな世界或いは宇宙を持ち抱え広がっている 歴史も文化もそして風土でさえ内包して今を生きる熱量に満ちている その青い炎は澄んだ目を宿している 人間としての品位はいかなる時も失われないから思考と理解は深まる みだりに楽観もせず悲観もせずじっと見る態度が貫かれている ここには真の批評眼がある 演奏が見事だ お聴きになっては如何
2 people agree with this review 2017/11/07
先ず二つの戴冠式行進曲を聴きたい ジョージ六世とエリザベス二世親娘二代の即位に際し委嘱された行進曲作曲は第二次世界大戦を挟んで20年の隔たりがある 二曲は優劣つけ難い名曲だ 独学で作曲を始めたウォルトンだがその初めから作風は完成していた だから一通りの曲種を書き終えて還暦を迎えると筆を置いてしまった 余生はまだ20年あった そこで合唱曲を聞きたければ ”ベルシャザールの饗宴”となる ウォルトンの代表曲だ ウォルトンの全てがある 聖書にあるバビロンからのユダヤ人解放 自由の賛歌というテーマなどどこかへすっ飛ばす面白さだ 20世紀にしか書けなかった音楽のスペクタクルなのだ 時代のセンス溢れるそのエネルギーに圧倒される クラシックを突き抜けた明快な切り口からは今も血潮が迸る 一度でいいから実演を聴きたいものだ 下手なロックがしみったれてしょぼくれて見える ダニエル&ENPが期待に応えてくれた演奏をお聴きになっては如何
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