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　2013/10/27

驚いた。これは期待を遙かに超える傑作だ。知らず知らずポール先生をちょっぴりなめていた自分が恥ずかしい。僕は『ビーナス・アンド・マース』以降、ずっとリアルタイムでポールを聞いているが、1997年の『フレミング・パイ』あたりから後のポールは、それ以前とは何かが違う。かつて80年代には、アルバムごとに新しい何かに挑戦しているストーンズに対してポールはいつも同じ、幅広く受けそうな曲ばかり書いている、といった批評もあって、悔しかったけど認めざるを得ない、という気がしていた。でも近年は違う。1枚ごとに、これまでには聴いたことのないポール・マッカートニーを聴かせてくれる。そしてこの『New』だ。全ての曲が印象的で、メロディがヌケている。ポールからしばらく失われていた苦み、孤独感、何かを噛みしめる感じが全編に染み渡っている。2005年の『Chaos And Creation In The Backyard』なんかもなかなか良かったけど、『New』はもっと、やっぱり天才だったんだ！と叫びたくなるようなプラスαがある。ここに来て、歯止めのない才能の奔流を浴びせてくれたポール、万歳！

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　2013/02/03

コレクターズの最高傑作の一つだと思う。前二作のセルフプロデュース作品が良い反応を得られず、レコード会社から見限られるという状況で、久しぶりに吉田仁のプロデュースを仰ぎ、前作の10分の1という低予算で造られたため、HiFi的な意味では音質がよくないかもしれない。でも、逆境に立ち向かうバンドの結束がそのまま音になったような、実にロックなサウンド、そして曲。永遠のキラー・チューン「ミリオン・クロスローズ・ロック」をはじめ、吹っ切れたように爽快な曲が満載の、堂々たるロック・アルバムだ。