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　2011/10/27

クレンペラーのモーツァルトといえば1950年のRIAS響とのイエス・キリスト教会での一連のセッション録音が有名ですが、あの録音にある厳しさ、鋭さはここにはありません。クレンペラー独特の音の構築性や力強さなどには変わりはありませんが、当時の彼の心境かあるいはオケによるものなのか、このモーツァルトは厳しさや鋭さは影を潜め、より暖かなより人間的な音色を感じます。それゆえジュピターの終楽章などはやや物足りなく感じますが、29番やアイネ・クライネは魅力が増しています。ピアノ協奏曲27番はそこにハスキルのピアノが絡むのでただただ美しい！残念なのはライナーノートにこのコンサートの記述が一言もないのとジャケットに”April 9th 1956”と載っていること。これだけのＣＤ、商品としてその辺りにも気を配っていて欲しかった。