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屋根の上の鹿 さんのレビュー一覧 

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/03/18

     アーカイブとして興味があるならともかく、普通に聴こうとする場合は、全般的に音が悪いことを理解したうえで購入する、このボックスセットはそういうものだと思います。

     特にCD1は、音質の良し悪し以前の問題、とにかく聞いていられないというレベルです。音程がふと歪んだりするので、ハーモニーを聴こうと耳を澄ますと、心的ダメージを受けてしまう。「スペイン狂詩曲」の音はもう、ガラスを爪で引っかいているよう。

     CD3の「ダフニス」も、あの渦のようなオーケストレーションを感じるには程遠く、一塊の金切り音となって叫びを上げています。

     その他、弦楽四重奏曲や、ミケランジェリのピアノによるピアノ協奏曲など、期待していたのですが、聞いていると悲しくなってしまいます。録音状態のせいだ、こんなのラヴェルじゃない、いつの間にか心の中でそんな葛藤が始まること請け合いです。

     問題のあるトラックについてひとまず感想を述べましたが、CD5,6のギーゼキングによるピアノ演奏はとても良く、「クープランの墓」はピアノ版、管弦楽版共に素晴らしい出来だと思います。CD9,10のドン・キホーテ歌曲や「子供と魔法」等も、このセットを買って良かったんだ、と思わせしめます。

     長くなるので各トラックについてまとめたりはしませんが、聴けるトラックは全体の約半分、という印象です。

     ご参考になれば幸いです。

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