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2 people agree with this review 2012/11/01
昔LPでよく聴いていました。一時期Brilliantレーベルからも出て、音が良くないとの評判がありましたが、このEMI盤では昔通りの明るいカリフォルニアの音がして安心しました。この曲、最近はロペス・コボス指揮ローザンヌ室内管で聴いて満足していましたが、あらためてマリナーの演奏を聴くと、その躍動感というか、わくわく感、きらめき感が何とも言えないことにあらためて気づきました。マリナーの音楽への共感、愛着、喜びのなせる技でしょうか。 有名な割に、第3組曲以外の録音が少ない曲ですが、明るいイタリアの曲を、カリフォルニアの青空のような演奏で楽しめます。
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1 people agree with this review 2012/10/16
コチシュもフィッシャーも、この曲を完全に手中に収め、余裕を持って楽しんで演奏している。ラヴェルの曲には、そういったゆとりと突き放した客観的な視点が必要なので、ピタリとはまっている。ちょっとジャズっぽい部分で、オーケストラもそれらしい演技をしていて、それもはまっている。 アルゲリッチもよいが、これも立派な名演だと思う。音もいいし。
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0 people agree with this review 2010/01/03
ショスタコーヴィチは、2006年に生誕100周年を迎えたが、モーツァルト没後200年の陰で、一部のマニアを除きあまり日の目を見なかった。20世紀最大の作曲家であることは疑いないにも拘らず、その人生、全作品を見渡した客観的な評価は、まだ確立していないように思える。問題作「ショスタコーヴィチの証言」も、その著作が作曲者本人の言葉かどうかばかりが問題となり、内容の真実度、ショスタコーヴィチの本音かどうかの検証や議論は置き去りにされたままである。 その中にあって、この本は現時点で得られる資料から、客観的にショスタコーヴィチの全体像を描き出そうとした点で、大変な力作である。日本では交響曲ばかりが有名で取り上げられることが多いが、それ以外の分野の作品にも目を向け、ショスタコーヴィチの全体像を音楽作品から把握するための指南書として、大いに役立つと思う。
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武満徹さんは、つい先ごろまでご存命で、ご自身の著作もたくさんあることから、あまりに偉大で巨大すぎて、なかなか客観的・体系的にその音楽全体を見渡すことが難しいのですが、この本は、現時点でそれを試みた内容の濃いものです。 武満氏の音楽のことは、まず音楽作品を聴くのが大切と分かっていても、武満氏の人生はあまりにも幅広く、その音楽も幅広く、そしてやはり難しい。何らかの道しるべがほしくなったとき、この本はとても役に立ちます。この本を通じて、武満氏の全人生、全作品を概観することができるので、いろいろな顔を持った音楽作品に貫かれた幹のようなものを感じ取ることができます。入口で偏見を持ってそれ以上中に入るのをためらったり拒絶したり、また、個別の音楽作品を聴いて変な袋小路に迷い込むことを防いでくれます。 武満氏の音楽を聴くのと並行して、この本を読むことをお勧めします。
1 people agree with this review 2010/01/03
カラヤンに関して批判的な評価をする人は、カラヤンと距離を持って外面的に見ている人に多いようです。この著者にしても、小澤征爾氏にしても、カラヤンの近くにいた人には、カラヤン好意的に評価する人が多いようです。 ごく最近亡くなった人は、科学や確立した歴史のように客観的・総括的に評価することが難しいので、いろいろな人の記録や評価を読者側が総合・補完して把握することが必要です。その意味で、同業者でもなく直接の利害関係のない、むしろ個人的な交流であった著者が記録した本書は、タイトルどおり「素顔」を描いていて、取り繕わない正直なカラヤン、本音のカラヤンを知ることができると思います。ここに書いてあることが全て真実か、カラヤンの全貌かは、読者側が判断するしかありませんが、近しい他人が見た貴重な記録であることは間違いありません。
1 people agree with this review 2009/11/15
この指揮者にしては冷静な演奏ですが、誇張やはったりが少ない分、全曲を通して「曲」の姿を知るのには最適です。演奏も水準以上。このセットで曲を知った上で、好みの「熱演」や「爆演」を探せばよいのでは。今年は没後50年なので、もっと聴かれてもよいと思います。
4 people agree with this review 2009/09/26
慣習に流された柔らかいブラームスではなく、くっきりはっきりした端正なブラームスで、ロマン派というより、古典的、かつ現代的。1楽章の繰り返しをきちんと行っており、聴きなれた曲なのに意外な驚きがあります。また、聴きなれたフレージングと違うところは、楽譜を見ると確かにそうなっています。オケはベルリン・フィルだし、安心して「一風変わった」正統的なブラームスを楽しめます。
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