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Friedlich さんのレビュー一覧 

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     2015/12/18

    NHKで初めてバイロイトの映像が放映されたのは、おそらくこのローエングリンが最初ではなかっただろうか。私は1979年のエド・デ・ワールト指揮によるこのキャストのFM放送を録音して繰り返し聴いて以来、この映像が教育テレビで放送されたときは全身放心状態でみたものだ。

    さらにベルリン・ドイツオペラが93年に来日した時、ティーレマン指揮でこの演目をゲッツ・フリードリヒ演出で東京文化会館で上演したときは、ドイチェオーパー版の舞台と、天才指揮者出現に衝撃を受けたものだった。ちなみに、このときは、注目されていたのは映像化されたコート指揮のトリスタンと監督デ・ブルゴス指揮のマイスタージンガーで、若手指揮者のティーレマンとローエングリンはまったく注目もされず、3番手指揮者によるオマケ扱いだった。

    残念ながらいまだに、この映像を超えるローエングリンはない。敢えて近づくレベルであるレヴァインとメトの映像も、演出、オケの面でこれに及ばない。
    バイロイトではシュナイダー指揮ヘルツォーグ演出を実演で見たが、足元にも及ばない。

    カラヤンもザルツブルクの上演で起用したP.ホフマンが歌うローエングリンの神秘性、気品、エルザの妄想とした一貫した光と影の演出コンセプト、当時好調だったW.ネルソンと祝祭管弦楽団の迫力。今後、ティーレマン指揮によるバイロイトの映像が優れた演出家とともに生み出されないかぎり、永遠の価値を持つだろう。

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     2015/12/18

    ラトル好き・ベルリン・フィル好きの人は見ていいだろう。カラヤン以来のベルリン・フィルのワルキューレ。もちろんカラヤンの抑制された録音よりも、ベルリン・フィルらしいダイナミックな底力とスーパープレイを発揮する。総じてオケは指揮を含めてバイロイトでの数々名演を超えているわけではないが、合格点と言っていい。

    歌手はジークリンデのエヴァ=マリア・ウェストブローク以外は突出しているわけではない。ギャンビルのジークムント、ホワイトのヴォータンは水準レベル。ただ小柄なエファ・ヨハンソンは視覚的に、ゲームやアニメのワルキューレキャラのようなブリュンヒルデだ。
    通常ブリュンヒルデ=でかい声のオバハン歌手、ジークリンデ=リリックな美人歌手という図式常識だった。B=ニルソン、S=クレスパン、B=ヴァルナイ、S=ブロウェンスティーン、B=ジョーンズ、S=アルトマイヤー等々。

    ところがここでは視覚的にも声楽的にもジークリンデのウェストブローク=大人の人妻、ブリュンヒルデのヨハンソン=希望乙女なのだ。これはワーグナーの意図にしたがったもので、私が知る限り初だ。ラトルが強く意識したものならこれは興味深い。

    問題はブラウンシュヴァイクの演出。余計な過剰情報がない分最初は良かったが、最後の最後まで凡庸。ジャケット写真にあるように椅子3つに寝かせたブリュンヒルデの背後にちゃちな炎の映像を映写させる。ここでの魔の炎の陶酔感は皆無。シンプルで平凡な舞台は最後にヤマを作って見るモノを圧倒するのが作劇というものだが、本作は拍子抜け。火の映像をとってつけたようにそのまま映すようではプロの演出家としての基本的な素養にも疑問を感じる。

    よってワルキューレの総合的な感動度合いとしての☆の数は3つ。

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