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0 people agree with this review 2021/03/03
スプリングスティーンがEストリートバンド(以下、ESB)とともに 録音した2014年発表のアルバムです。 日本盤の解説によると、スプリングスティーンが過去に録音した 曲をそのまま、あるいは再度録音した曲や、カバー曲で構成されて いるそうです。私は完全な新譜として聞いています。 ブラス隊やストリングスなどを幾重にも重ねた重厚な音作りをしていて、 2000年以降のESBとのアルバムらしさがあります。しかし技巧に走っている のではなく、素晴らしいロックアルバムになっているのがさすがです。この あたりは、職人・スプリングスティーン&ESBの真髄を見ました。 また解説では、歌詞はアメリカに普遍的に存在する問題点を歌っている そうです。これもスプリングスティーンらしいです。 もう一つ、このアルバムが極めてロック的で、そして新鮮である理由の一つに ゲストのボーカル兼ギタリストのトム・モレロの全面参加があげられます。 私はこの作品でモレロのことをはじめて知りました。異質な存在である 一方で、今までにないギターサウンドや緊張感など、アルバムの完成度に 貢献しています。 1曲目「High hopes」、3曲目「American Skin (41 Shots) 」と重要な曲が いきなり登場します。ESBを中心として2013年〜2014年の世界ツアーをともにする メンバーによる演奏の充実ぶりに目をみはります。モレロのギターも核となっています。 「American Skin」は99年のESBとのライブ盤で登場しています。このときも 思いましたが、スプリングスティーンの抑制のきいたボーカルからは、むしろ 怒りが表出しています。 4曲目「Just Like Fire Would」はうれしい80年代型ESBの曲調です。7曲目 「Frankie Fell In Love」とならんで、往年のサウンドながらこのアルバムでは むしろ異質に聞こえるのがおもしろいです。 6曲目「Heaven’s Wall」や8曲目「This Is Your Sword」は、2000年代の スプリングスティーンがよくやるワールドワイドな曲。9曲目「Hunter Of Invisible Game」 は演奏の中心にストリングスをすえて、アコースティックな仕上がりです。スージー・ タイレルのバイオリンの優しい響きがいいです。 そして10曲目「The Ghost of Tom Joad」でハイライトを迎えます。スプリングスティーン とモレロがボーカルを分け合う今までにない展開。後半に向けてエモーショナルの 度合いがどんどん上がり、アウトロでモレロの驚異的なギターソロを迎えます。 スプリングスティーンとESBが組めば、アルバムでもライブでも常に最高の 状態になることを証明した作品です。10月にESBと録音した新譜が出ます。 とても楽しみです。
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ニート男性が親から追い出されて離島でシェアハウスを始める話です。 この主人公、ネトゲ廃人でもあります。集まる住人は一癖ありそうな 連中ばかり。うまくやっていけるのか、というのが物語になります。 ニートでネトゲ廃人ですが、結構な生活力とコミュニケーション力が ありました。ここは加納先生の優しいまなざしが注がれているのでは ないでしょうか。 またお話もロールプレイングゲーム風に、イベントをクリアしていく ような感じでテンポよく進みます。 これだけですと普通のニート独立物語ですが、さすが加納先生、 最後に驚きの展開を用意してくれました。物語が一変します。 とてもおもしろかったです。
1 people agree with this review 2021/03/03
2000年に発表された、4人編成となる第6期クリムゾンの最初の アルバムです。 この時期は、80年代のポリリズムを多用したサウンドと、90年代の 6人編成からなるメタルなサウンドを融合させています。 6人編成から4人編成になったわけですが、メタルサウンドは後退せず むしろ過激なっています。ドラマーのパット・マステロットがアコースティック ドラムではなくVドラムを多様することによって隙間のないサウンドを 作り上げました。これがメタルだけではなく独特の猥雑感を呼び、 この時期ならではのサウンドになっています。 私はメタルやハードロックは苦手です。このため、プログレをこれらの 高性能な代替品として聞くことがありますが、この作品がもっとも 代替品として機能してくれます。 アルバムは実質6曲で構成されています。 次の3曲は猥雑メタルの特徴がよく出ています。 1曲目「ProzaKc Blues」は猥雑メタルからの挨拶状です。エイドリアン・ ブリューの声を歪ませることによって、ブルースフォームではないにも 関わらず、ブルース的なやるせなさを表現しています。 4曲目「Into the Frying Pan」は、Vドラムに対抗するようなフリーキーで 後半に向けて慌ただしさを増すギターが面白いです。 5曲目「The World’s My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum」は、 アウトロで珍しく鍵盤楽器を使うのかと思ったら、これがロバート・フリップ の弾くギターでした。ライブで見て、とても驚いたのを覚えています。 次の3曲はハイライトトラックと言えます。 2・3曲目「The ConstruKction of Light」は80年代のポリリズムの 方法論を推し進めた曲といえます。スリリングなベースと、併走する 2台のギターが、タイトルのような光と影を表しているようです。この 曲は2010年代クリムゾンでも必ず演奏されています。 5曲目「FraKctured」は、70年代の名曲「突破口」をこのメンバーによる 新しい解釈で演奏しています。 そして7〜9曲目「Larks’ Tongues in Aspic Part 4」は、やはり70年代の 名曲シリーズの最新作です。70年代にはあった叙情性をカット、重厚感と 劇的な展開で曲を進めます。フリップのひたすらにヘビーなギターのリフ がある種の感動を呼びます。 このアルバムも含めて第6期クリムゾンは、ファンの間でやや人気が薄く 再評価の動きも見られません。しかし私にとっては初のリアルタイム クリムゾンで、そしてはじめてライブも見ましたので、とても気に入って います。
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2016年に発表したカシンディ初の全曲カントリーアルバムです。 とはいえ、シンディファンなら「カントリー?」と気負ったり、 構えたりすることなく楽しめます。 シンディはアメリカのシンガーです。過去にも「At Last」(スタンダードの カバー)、「Memphis Blues」(ブルースのカバー)を出しています。 今回の作品と合わせてアメリカンミュージックのカバーを3作品 出したことになりますが、一番アメリカを感じさせてくれたのが「Detour」です。 アコースティック楽器を中心とした演奏にのって、シンディがとにかく 楽しく、朗らかに歌っています。またシンディのミラクルな歌い方も そこかしこで炸裂します。80年代のポップスター時代の歌唱から 全く違和感がありません。3曲目「Misty Blue」のペダルスティール が寄り添うしっとりとした歌、5曲目「Heartaches By The Numbers」の ミディアムテンポの中でみせるノリのよさ。7曲目「Night Life」は 大御所ウィリー・ネルソンとのデュエットですが、ブルースを感じさせます。 9曲目「You’re The Reason Our Kids Are Ugly」はヴィンス・ギルとの デュエットで、緊張感とゆるやかさが絶妙なバランスです。 11曲目が一番楽しい「I Want To Be A Cowboy’s Sweetheart 」では ヨーデルを披露。この歌のうまさは、さすがシンディです。
序盤で「これは、誉田先生が昔たまに書いていたホラー作品か」と 思いました。実はその系統は好きではないので興味が薄れたのですが、 全く違う展開になりました。警察小説、ミステリー小説を書き続ける ことで、ホラーの仕掛けを上手にミステリーにいかしており、 これはさすがだと思いました。 また、誉田先生は女性のペアを書くのがうまいですが、この作品でも その要素が存分に発揮されています。 かなり新鮮味のある作風で、しかも刑事のペア、ヒロインのペアの 両方が生き生きと描かれています。とてもおもしろかったので、 このダブルペアで続編も期待したいです。
2003年発表で、メンバーはミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィー、 スティービー・ニックス、リンジー・バッキンガムの4人です。 奇をてらった曲はなく、Fマックらしさにあふれた曲が18曲。70年代〜 80年代のアルバムの2倍のボリュームがあります。このため、聞いていて 飽きないよう曲順に起伏があり、その分プロデュースを担うリンジーの 負担は大きかったと思います。 1曲目「What’s the World Coming To」は、70年代のアルバムのオープニング を思わせる軽いポップ曲。ですが、スティービーを中心にしたコーラス は練りに練られています。マクヴィーのベースもよく響いています。 2曲目はいきなりのハイライトトラック「Murrow Turning Over in His Grave」。 ファルセットを多用するリンジーのボーカルの後、これまたリンジーらしい 苦悩に満ちあふれるギターソロが堪能できます。 奇をてらっていないとはいえ、守りに入っているわけではありません。リンジー はクリスティン・マクヴィーの穴を埋めるべく、多様なボーカルスタイルを 披露します。6曲目「Red Rover」でアコースティックギターの速弾きと シンクロしたり、9曲目「Come」でのアグレッシブでクレイジーなボーカル などなど、リンジーのボーカリストとしての奥の深さを見せます。 一方でスティービーは「これぞFマック!」というボーカルスタイルと 曲で臨んでいます。10曲目「Smile at You」は複雑なコーラスをバックに 妖艶に歌い上げます。11曲目「Running Through the Garden」はリンジーの エレキギターのサポートを受けて、ロッククイーンらしく歌い飛ばします。 15曲目「Everybody Finds Out」は、サビでリンジーとダブルボーカルで 相性のよさを見せて、これもロックに歌います。 さて、一番盛り上がるのは7〜8曲目だと思います。 7曲目「Say You Willは、スティービーが歌う「Fマックのマジック」 としかいいようがない、素晴らしくポップな曲です。歌詞も愛にあふれて いて、悪女な声のスティービーと、ゲストのシェリル・クロウの優しい ボーカルがこれまた素晴らしく合います。スティービーがここ一番の曲を 出してきたと思います。 8曲目「ピースキーパー」はリンジーがスティービーのバックアップを 受けて、やはり王道のFマックサウンドを展開します。エレキギターの アクセントがとてもよいです。歌詞は、同時多発テロを受けたものになって います。 4人になったFマックですが、過去の名作と遜色ない作品を作り上げました。 さすがとしかいいようがありません。 では、クリスティン・マクヴィー抜きでもいいのか、といえば、これが とても難しいです。よい作品であればあるほど、「ここにクリスティンが 入っていれば、もっとすごくなったのでは」と思わずにはいられません。 14曲目「Bleed to Love Her」はリンジーのやわらかな曲ですが、 クリスティンがコーラスに参加していて、この存在感がすごいです。 ファンというのは、ミュージシャンに自分の好みを押しつける、 そんなことを改めて感じさせる「罪な傑作」です。
2014年に発売された、現在のところスティービーの一番新しいスタジオ アルバムです。 新作ですが、曲自体は1969年から1987年に書かれていて、新録の 未発表曲集という趣です。しかし曲の水準は素晴らしく高いです。 (以下、作曲年は英語版ウィキペディアを参照しました) ソロということもあり、フリート・ウッドマックよりロック色の強い 曲がアルバムをリードしています。1曲目「Starshine」は 1stソロ「麗しのベラドンナ」の発表前、1980年作です。アップテンポの ロック曲でアルバムの幕開けを飾ります。 2曲目「The Dealer」は1978年、6曲目「Mabel Normand」は1979年と Fマックの活動期と重なっており、曲自体もFマックっぽさが あります。スティービーも意識して歌っているようです。 意外なのは5曲目「Cathouse Blues」で、1969年作のブルースです。 とても艶っぽく歌っていて、スティービーの歌唱としては珍しい 部類に入るのではないでしょうか。演奏もアコースティック楽器主体の オールドスタイルで、とても雰囲気があります。 7曲目「Hard Advice」は朗々と歌うスティービーと乾いたギターの 音色がアメリカの大地を感じさせ、私の好きな曲です。 10曲目「All The Beautiful Worlds」は1982年作、スティービーが ソロを強く意識していた頃だと思います。多分これも当時を意識して 歌ったと思いますが、Fマックとは異なる硬質なボーカルになっていて、 おそらくソロの後のFマックでの歌唱にも引き継がれていると思います。 こんな感じで、よい曲とボーカルがつまったアルバムです。 バックミュージシャンには、ギターのワディ・ワクテル、マイク・キャンベル、 ピアノにベンモント・テンチ、パーカッションにレニー・カストロと、 毎度おなじみ西海岸の凄腕が顔を並べています。
2018年のライブで2枚組です。素晴らしいライブ盤です。 グレン・フライがなくなってから初めての作品です。グレンの息子である ディーコン・フライとカントリーシンガーとして実績のあるヴィンス・ギル が加わっています。 この2人を加えたコンセプトは、MCでヘンリーが少し言っていますが、 「イーグルスの伝統を守る」ということだと思います。 ディーコンは単にグレンの息子ではなく、イーグルスとして必要な歌と 演奏ができるから加わっていることがわかります。また、ディーコンに 加えてギルもいるのは、イーグルスが歌うバンドとしてのクオリティの 向上をねらっているからです。ライブを聞いて、これらが強く伝わって 来ます。 歌にこだわる姿勢は1曲目が「Seven Bridges Road」で、これをフルコーラス 披露するところからもわかります。ハーモニーがとても美しい。 2曲目はおなじみ「Take It Easy」。リードボーカルはもちろんディーコン です。グレンのように節回しを聞かせるのではなく、伸びやかなボーカル。 そしてバックコーラスはギルが中心です。 6曲目「Take It To The Limit」では、ギルがリードボーカル。 このように、グレンの曲をディーコンとギルが分け合っています。バンドの ディーコンとギルに対する信頼と期待の大きさがよくわかります。 13曲目「How Long」は、スタジオテイクを再現するように、ディーコンと ヘンリーのダブルボーカル。これは燃えますね。 disc1は、主に初期の曲やカントリー風味の曲が中心です。disc2以降は ロックで押しまくります。 1曲目は「Already Gone」。ディーコンのリードボーカルにティモシー・B・ シュミットとサポートのスチュワート・スミスを加えた厚みのあるロック コーラスが出ます。当然、ギターソロがディーコンとスミスでこれも よいですね。 そして、ロックといえばジョー・ウォルシュが大活躍です。にぎやかなグレンが いないいま、ウォルシュの比重も極めて高いです。 2曲目「Walk Away」からはブラス隊も加わって、歌もギターのカッティングも、 ステージアクションも、ウォルシュは全く枯れていません。4曲目「Life’S Been Good」 でもウォルシュの独壇場です。いつも思いますが、この曲でのヘンリーの ドラムが素晴らしいです。 アンコールは「Hotel California」からスタート。ヘンリーがドラムを叩いて歌う ことにこだわる、ヘンリーの「伝統を守る」という姿勢が強く伝わる1曲です。 ヘンリーの歌も、素晴らしい安定感です。イーグルスのライブには大きな破綻 はありません。これを長年維持するのがどれだけ大変だったことが、そして これからはヘンリー1人で担うのか、ヘンリーへの重圧も感じます。 しかし、ライブ盤を通して聞いて、ヘンリーはバンドの結束でこれを乗り越えて いると実感しました。決して「ヘンリー&バンド」ではなく、これからも 「イーグルス」です。 最後は「ならず者」かなと思ったら、なんともう1曲「ロング・ラン」を 披露してくれました。うれしいサプライズでした。映像ではライブのシーンが なかったので、曲順は編集されたのかもしれませんが。 イーグルスの今後の活動はライブが中心になると思います。是非、このクオリティ を維持してもらって、再び来日公演も行ってほしいです。
2000年発表の「The Construkction Of Light」の新装盤です。 パット・マステロットのドラムが、Vドラムから生ドラムに変更されました。 他のパートは同じなのですが、かなり印象が異なります。2000年代の クリムゾンは、Vドラムを中心とした猥雑感が魅力でした。これが後退 しています。しかし、生ドラムですのでライブ感がぐっと増しました。 以上のように、2000年代のクリムゾンらしさでは「Construkction」、 ライブ感重視で「Reconstrukction」。2000年代クリムゾンが好きな 私ですが、今回は「Reconstrukction」に軍配を上げようと思います。
姫川警部補シリーズの第4弾で、長編としては3作目になります。 今まで以上に姫川の内面というか、刑事としての側面と女性としての側面のせめぎ合いが描かれています。 女性として、キレイ系であることを自覚している描写がおもしろい一方で、刑事としての執念や粘りを 見せる切り替えが鮮やかであり、またストーリーの進行にともなってスリリングです。 またこの作品では、警察もまた官僚組織であることが描かれています。これに対して姫川がどう立ち向かうのか、 結末は作者の警察への考え方が現れていると思いました。
2 people agree with this review 2021/03/03
スプリングスティーンがEストリートバンドと制作した久しぶりのスタジオ作品です。 この作品は、スプリングスティーンに対して今までは思ったことのない「いぶし銀」という表現 がとても合います。奇をてらったところが全くありません。70年代から今に至るまで、バンドが 積み上げてきたロック一本で勝負しています。そしてこれこそ、ファンが一番聞きたかったものです。 また、スタジオでほぼライブ録音されています。このためダイナミックな躍動感にあふれており、 またスプリングスティーンのボーカルの伸びと張りは驚異的ですらあります。 1曲目「One Minute You’re Here」は意表をつく弾き語り。2曲目「Letter To You」は抑制を効かせた前半から サビでグッと熱くなるボーカル、哀愁あるピアノとオルガン。まさにEストバンドの王道を見せます。 3曲目「Burnin’ Train」はギターのリフを生かして疾走感にあふれています。4曲目「Janey Needs A Shooter」は ちょっとソウルというか、70年代を彷彿させます。と思ったら、実際に70年代の未発表曲を新たに 録音したそうです。男性陣のワイルドなコーラスもいかにも70年代Eストバンドです。 6曲目や7曲目は2000年代を思わせるシンプルながら雄大な曲。「The Power Of Prayer」はサビでサックスが入る ところにEストバンドを強く感じます。「House Of A Thousand Guitars」はボーカルやオルガンがゴスペル風です。 9曲目「If I Was The Priest」は、最後のサビでパティ・スキャルファを中心にしたコーラスが入るところで、 こちらの胸も思わず熱くなります。ロイ・ビタンのピアノや、シンプルながらマックス・ウェインバーグの ドラムも非常によく、最後はスプリングスティーンのハーモニカが入ってきます。6分以上の曲ですが、 もっと聞いていたくなります。 最後の2曲はライブのアンコールのようです。「Song For Orphans」はじっくり聞かせて、「I’ll See You In My Dreams」 はミディアムテンポながらギター中心のアレンジ、サビはお客も合唱に加わって、盛り上がりそうです。 全体的に、演奏にすごく厚みがあります。改めて、スプリングスティーンがEストバンドと組んだ アルバムは必ず傑作が生まれると思いました。
2 people agree with this review
前作の最後で警視庁本庁から池袋署へ移動した姫川警部補の最初の物語になります。 今作では姫川の成長ぶりに目を見張ります。今までは自身の直観を頼りに行動するところが 多かったです。「直観」は、この場合は捜査の過程や証拠に導かれるものですが、 姫川自身がそれをよく理解せずに動くことが作品の特徴でもありました。 今回は、状況をよく見極め、ペアとなる捜査員ともしっかりと連携します。 最後は直情的な行動に出ますが、それでも冷静さを失いませんでした。捜査一課を離れた ものの、姫川を高く評価する幹部が出てくるのもうれしいです。 お話自体も、犯人側の徹底した復讐心が描かれていてよかったです。
ボーナスディスクの感想です。 新譜「Who」発表後の2020年2月に行われた、今までありそうでなかった アコースティックライブです。 ロックバンドのアコースティックライブ(アンプラグド)といえば、 なぜかバラード曲が多かったり、アップテンポの曲をわざわざスローで演奏したり などが多いです。しかしそこは大物のザ・フー、原曲どおりに堂々と ロックスタイルで演奏しています。 このライブでもロジャー・ダルトリーが迫力あるボーカルを披露します。深みが あって、年齢を感じさせません。これを、ピート・タウンゼントのアコースティック ギターのストロークが独特のドライブ感で盛り上げます。目立つソロは ないものの、これがフーの演奏の基本なのでしょう。エレクトリック演奏に 負けていません。 曲は代表曲5曲+新曲も2曲。久しぶりの演奏になるのか、2曲目の 「恋のピンチヒッター」がうれしいです。また、3曲目「Squeeze Box」 をアコースティックで披露するのはとても意外でした。
謎解き専門の探偵事務所の事件簿です。 乾先生の作品は、作品ごとに多彩な仕掛けがありますが、実は読者に謎解きを迫る古典的推理小説です。 ただこの作品は逆で、一見すると普通の推理小説に見えますが、結構な仕掛けが用意されています。 第3作になりますので、「もう仕掛けてこないだろう」と思ったら、まんまと騙されました。 ただ、第3作になりますと、第2作までを踏まえていろいろとニヤニヤしてしまう、そんな風にも楽しめました。 おもしろかったです。 作中の語り部である助手の井上によると、「事件の小説化はこれで最後」とありますが、事件そのものは まだまだあるようですので、続編に期待したいです。
2014年の「24 Karat Gold」をフィーチュアした2017年3月のライブ盤が10月に突如発売されました。 全17曲でソロ曲は13曲、このうち新曲は4曲も入っていています。 ライブは全体を通して「圧巻!」の一言です。年齢的に原曲からキーを下げて歌って いますが、これがある意味ライブならではの迫力を増しています。 そしてスティービーのソロといえばやはりロックです。Fマックより「ロックボーカリスト」 としての立ち位置をアピールする楽曲と演奏になっています。 バンドはギターにおなじみのワディ・ワクテル。そしてコーラスはこれも常連のシャロン・セラーニ に加えて、なんとマリリン・マーティンが参加。この人はスティービーのとっておきの未発表曲 「ソーサーラー」をサントラで歌った人で、もう万全の体制といえます。 1枚目は新譜、代表曲などが緩急つけた流れになっています。 2曲目「If Anyone Falls」は、80年代風のシンセアレンジがかえって新鮮に聞こえます。 スティービーのドスのきいた歌声と美しいコーラスの対比がよいです。3曲目「Stop Draggin’ My Heart Around」 は確かトム・ペティとのデュエット曲だったと思いますが、このライブでも男性ボーカルと歌っています。ここでも シンセが活躍。5曲目はいい流れで入ってきたFマックの名曲「Gypsy」。イントロのギターと 切々と歌い上げるスティービーにとても感動しました。さらに追い打ちをかけるように6曲目「Bella Donna」。 Fマックでもソロでも、本当によい曲を作る、歌うと改めて驚かされます。 2枚目は代表曲が連打されます。1曲目はロックなスティビーの代表曲「Stand Back」。豪快に歌うスティービーと うなるワクテルのギターのからみ。そしてこの曲はコーラスも要です。ワイルドなスティービーのリードボーカルに、 間奏でのシャロンとマリリンの一糸乱れぬコーラスの妙。素晴らしいです。 4曲目「Gold Dust Woman」と6曲目「Rhiannon」はソロ、そしてライブ用にヘヴィなアレンジが施されています。 これにのって、妖艶かつ低音で迫るスティービーのボーカルが楽しめます。 5曲目「Edge Of Seventeen」は9分近い演奏ながら全くだれません。ヘヴィなギターのリフ、アウトロの疾走感あふれる オルガン、そして完璧なコーラス隊とスロットル全開で歌うスティービーで大団円です。 最後はFマックの名曲「Landslide」。この曲はスティービーにとっても大切な曲で歌うときはいつも目に涙を 浮かべていました。しかしこのライブではあたたかな笑顔で歌ってくれたのではないか、そんな感じがします。 どの曲でも観客が大歓声を上げます。スティービーがとても愛されているミュージシャンであることが伝わってきました。 Fマックのニュースがないなかで届けてくれたスティービーのライブ盤。とてもうれしい作品です。
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