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3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2014/05/06
ようやくこのCDを聴くことができました。80年の日本公演での感動が蘇ってきます。当時20歳直前の私にとって全てが初体験でした。生のウィーン・フィル(しかもピットに入っている。)リヒャルト・シュトラウスの実演。(カラヤンのサロメをLPで聴いだけ)当時ブレイクしたアグネス・バルツァ。(その時のサイン大切にしています。)そして、さいごのカール・ベーム体験でした。高齢で当日キャンセルを心配した初日公演。ドキドキして上野駅を出ました。すると最初に目に入ったのが、文化会館前の赤提灯で一杯飲んでいたに、ウィーン・フィルのメンバー(燕尾服を着ていたから一目で判りました)でした。覚えたてのたどたどしいドイツ語で「今晩、マエストロ・ベームは指揮されますか?」と恐る恐る尋ねると、「Ja,今晩マエストロ・ベームは指揮されますよ。」と真剣なまなざしで答えてくれました。(確か、おでこの眩しいヴァイオリン奏者の方)。この公演の素晴らしさは語り草になっていますが、このCDを聴くと同じ歌手の声でも、4年という時間を感じてしまうのが、思わぬ発見でした。このCDで聴けるのは最高のシュトラウスとベームの音楽であることは間違いありません。今のウィーン・フィルからは自然消滅した、人間を魂ごと包み込むような包容力のある響きや、幸福感に浸れます。そして、フィナーレでの聴衆の反応。正に、オペラを愛しているウィーンの聴衆ならではの、反応です。演奏も素晴らしいけど、この聴衆の反応も是非聴いて欲しいものです。オペラがもっとも幸せだった時代(黒田恭一さんの「雨夜の品定め」の巻末にある奥様の名言)を証明してくれる貴重な記録です。このCDを聴いていると、ほんとうにオペラならではの幸福感に満たされます。このCDをリリースしてくれたレーベルと、当時の出演者に、そしてマエストロ・ベームとシュトラウスに無限の感謝の念を表します。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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