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Review List of ヒューブーン 

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  • 6 people agree with this review
     2014/03/25

    リスナー諸氏からも、多くの批評家達からもきわめて評価の高いこの盤に対して、否定的な感想を述べるのは非常に勇気が必要だったが、僕とほぼ同意見の方も見受けられたので、同調の意味も兼ねて★1つに一票を。あまりの評価の高さに、購入して聴いて、幻滅して売って、もしかしたらと考えて図書館で借りて、やっぱり幻滅… その繰り返しを何回したことか。ちなみにカラヤンのブルックナーは、どちらかというと好きなほうで、ベルリンフィルとの第5番、第8番などは『愛聴』していると言ってもよい。しかしこの最晩年の第8番は、音の外面的な美しさこそ他の追随を許さないほど完璧なものとはいえ、目の前に見えているだけで、まったくココロに染み込んで来ない。音楽の「美しさ」とは何なのか?感動できない「美しさ」に何の意味があるのか?と、考えさせられた。この演奏に比べたら、某批評家氏から「聴くほうが悪い」とまで言われたメータの演奏のほうが、僕にはよっぽどシックリ来る。

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  • 1 people agree with this review
     2014/03/25

    カラヤン時代のベルリンフィルや、ベルリン就任以前のアバドを期待して聴くと、期待を充分に裏切られてしまうディスクだ。悪い演奏ではないが、ココロを引っ張っていくような魅力や、この盤でなければ!的な個性を感じない。先日お亡くなりになった諸井誠氏がこの演奏を評して「演奏解釈の骨格がフルトヴェングラー的」と述べておられたが、シロートの耳からは、どこがフルトヴェングラー的なのか?サッパリ解からない。欠点の特にない立派な演奏、同曲が明確に理解できる演奏、そういった評以上でも以下でもない、というのが正直な感想である。

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     2014/03/15

    旋律美を強調した、垢抜けた演奏だ。従って Svetlanovなどで聴きなれたリスナーには、土臭さや重量感に物足りなさを感じるかもしれない。ブラームスやチャイコフスキーにも共通して言えることだが、第1交響曲というのには、どことなく「気負い」が感じられ、頑張りすぎてダサくなってしまう傾向があるように思える。(その傾向は3者とも第一楽章に顕著だ)。 クチャルの演奏では、そういった未熟さは影をひそめ、聴きなれた古典を鑑賞しているような、才気あふれ(過ぎ)る趣がある。第2番はこの演奏しか聴いていないのでコメントは難しいが、曲想から考えて、第1番以上に上記のことが言えるように思えた。

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     2014/03/08

    バーンスタインともテンシュテットとも違う、目が据わった狂人のような感触の、独特の迫力を感じるマーラーだ。朝比奈隆の晩年のベートーヴェンのように、一音一音をこの上なくしっかりと音に出し、くっきりとした太線で描かれ表現されている。これがこの演奏会一回こっきりのものであれば残念なことだが、仮にこのスタイルでマーラー全集が作られたなら、その個性は今世紀に燦然と輝くだろうこと間違いない。

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     2014/02/23

    こういう演奏を聴いても、カラヤン嫌いのリスナー達はカラヤン嫌いなのだろうか?と考えてしまう(かく申す僕も、カラヤン最晩年の演奏だけを取り上げるなら充分にカラヤン嫌いなのですが)。 バッハがもし現代に生きていてこの演奏を聴いたら、おそらく自分の作品にいい意味でプラスαを感じて感激するのではないだろうか? この演奏を一言で言い表すとすれば、「ベトベトせずにジンワリ感動させてもらえる演奏」みたいな表現になる。

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  • 8 people agree with this review
     2014/02/20

    楽譜を忠実に演奏し、オケも優秀に答えている…という点では100点満点な演奏と言えるだろう。評価が高いのもその点が大いに関係していそうだ。
    ただ、ニュアンスというか、「その向こうにあるもの」が見えずに、ただただ演奏会風景だけが眼前に展開される。僕個人としては、インバル盤以外の同曲は、アシュケナージ盤とサロネン盤しか聴いたことないのでその範囲での比較となってしまうが、聴覚を刺激する音楽という意味では、このインバル盤がビリである。この曲を聴きこんだ人が、最終的にスコアに忠実に帰りたくなった時などに聴くといいのかもしれない。

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     2014/02/15

    ヨッフム、ワルター、クレンペラー等でこの曲を聴き込んだ後、このベーム盤を聴いたときは 過去に聴いた同曲の演奏に比して、段違いの驚異的な名演だと思った。ただ21世紀になって聴きなおしてみると、音の「美しさ」においては未だに他の追随を許さないものの、内容的深みにおいては、やや薄いものを感じないではなかった。それはマゼールやカラヤンつむぎだす音楽の美しさに、「生活臭」が感じられないのと同じように、ベームのブルックナー第4番の行間からは、この作曲家独特の宗教臭がやや希薄に感じられるからかもしれない。

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     2014/02/15

    読み始めて最初は、とにかくグイグイ惹き込まれて行き、文底に漂う静謐感にただただ酔いしれてしまった。登場人物たちの「顔」が想像できないほど心理面に意識を持っていかれたのは いまだかつて記憶にない体験だった。ただだんだんと登場人物も多くなると、良くも悪くもトレンディードラマの様相が垣間見られるようになる。音楽に例えるなら、冒頭はシベリウスの第4あるいは第7交響曲で、だんだんとモーツァルトのオペラ化していく…ような違和感が残った。

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     2014/02/14

    第3楽章など、時としてフツーにオーケストラ版を聴いているような錯覚に陥るほど。ブルックナーの音楽は実にオルガン的なのだと改めて感じ入った次第。ただ同じような試みの第4番に比して、やはり編曲そのものに無理が出てしまっているような気もする。例えば終楽章のラストの箇所など、もう一台オルガンがあって音圧を倍増したい。

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  • 0 people agree with this review
     2014/02/14

    ソリストよりもカラヤンが前面に出ている演奏だ。個人的好き嫌いを述べさせてもらえるなら、カラヤンのドヴォルザークは、このディスクとあとウィーンフィルを振った旧盤の第8交響曲(デッカ)以外はまったく好みではない。 それに、同曲の大評判として挙げられる[スーク/ノイマン]の名演奏の後に聴いてしまうと、第1楽章などちょっと垢抜けしすぎているような気もする。それでも第2&終楽章などはスーク盤が霞んでしまうほど素晴らしく、長年のベストセラーとして同盤が君臨してるのも充分にうなずける。辛口批評家も、ここまでの名演の前ではけなすのも躊躇するのではないだろうか?と思われる。チャイコフスキーの方は、他の演奏を聴いたことがないので感想はひかえる。

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     2014/02/12

    21世紀人の視点(聴点?)からこの演奏を鑑賞すると、どことなくピシッとしたところのない、間延びした、あるいはふやけたような印象を受けないではない。これは録音年代を考えると、おそらく当時のマーラー解釈は、例えばワルターのような情緒的な側面からマーラーの音楽を描いたものが今よりも、メジャーだったのだろう。ただ、それだからこそ?第4楽章などは 昨今の演奏には見られない(聴かれない?)ようなシットリ感があり、このディスクの価値を大いに牽引していると思う。

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  • 3 people agree with this review
     2014/01/08

    ワルター、バーンスタイン、ショルティなど、さまざまな個性がこの演奏の歴史を刻んできた。ここに聴くフィッシャー盤には、そのような演奏の歴史を変えるような衝撃はないが、ただひたすらに美しく、聴き入っては恍惚としてしまうというタイプの演奏で、近年久々に現れた『巨人』のヒット演奏である。少なくとも数年前に話題になったホーネック盤などに比べたら、はるかに納得のいく存在だと思う。録音も優秀。ただ、30年位前だったか? LPで購入して聴き込んだ、同指揮者の「旧盤」(もなかなかの秀演だった)にあったように、『花の章』付きでないことだけが惜しまれる。

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  • 2 people agree with this review
     2014/01/08

    冒頭からオーケストラが雄弁に語りかけ、これが協奏曲であるということを完全に忘れて聴き入ってしまう。色彩感が豊かで、繊細さも豪快さも合わせ持つ稀代なブラームスだ。それに対し、ピアノは素朴で力強く、色彩感よりも透明感が感じられて意外な感じもする。好みは分かれそうな演奏だが、同曲中、1,2を争う名演である事は間違いない。

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  • 9 people agree with this review
     2013/12/16

    ここに聴けるモーツァルトは、冷たいわけではないが微笑(ほほえみ)を感じない。それは聴衆に媚びる必要のない社会主義体制の中から産まれた、典型的な「東ドイツの名演」的演奏 とでも評せるのだろうか?客観的にはもちろん非のつけようの無いほどの名演でもあるが、このようなスタイルにもかかわらず、聴き始めると聴覚を捕らえて話さず、「これぞ正統」と言わんばかりの説得力を内在している。個人的には、ピアニストの主張が濃厚明確な内田光子/テイト盤や、曲自身にすべてを語らせたようなバレンボイム/ベルリン盤の2全集を愛聴していたが、このシュミット盤はそれらを充分に凌駕する魅力がある。

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     2013/12/10

    付録に付いてきたCD、オットー・ゲルテス指揮の「新世界より」は、僕が幼稚園時代からLPで聴きこんだ演奏だ。CDの時代になって、イシュドヴァン…の表記ミスではなかろうか?とまで思ったくらい、CD化を待ち焦がれていたが、このような形で実現できるとは思いもよらなかった。この演奏、LPだったため、昨今まったく聴いていなかったのだが、今回CDで久々に耳にすることが出来た。第2楽章途中で、「パサッ!」と楽譜の落ちるような音が聞こえてくるのもそのままで、泣けてくるくらい嬉しかった。

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