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TOP > My page > Review List of 西荻椿山
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1 people agree with this review 2013/02/13
ルイ14世は、劇場などではなくプライベートではどんな音楽を聴いていたのだろうという興味で購入。とても不思議な音空間が現出します。ヴィオラダガンバとharpsの組み合わせなら聴いたことがあるが、ガンバをもう1本加えたり、テオルボやギターがミックスされます。5巻あるヴィオール曲集のうち第2巻から二つの組曲ということは氷山の一角で、これだけで判断するのは何ですが、とても素晴らしい作曲家だと思いました。二つの組曲はどちらもプレリュードから始まり、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグなどが並んでいます。嫌でもバッハの無伴奏チェロ組曲を想起するわけですが、こちらの方が断然聴きやすい。前述のとおり他の楽器が伴走していて、各楽章が比較的短いこともあります。が、何より舞曲がミイラ化していないのです。バッハの無伴奏曲で踊りだしたくはなりませんが、これなら踊れます。音楽の学識はバッハにありでしょうけど、音楽の喜びは一世代前のこの作曲家のほうにあるのです。1曲としての構成もなかなかのものです。両組曲はどちらも6分を越えるトンボー(これだけはバッハより長大、追悼のための曲)でしめくくられます。墓の上に木枯らしが吹きすさび、枯葉が舞い散ります。ラストなど地の底にのみこまれるようです。つまり全体は面白うてやがて哀しき人生の縮図とみえなくもありません。地上の栄華を極めた太陽王が死を思えを聴いていたとすれば、現代の脳天気な独裁者よりはマシかと思います。サヴァールが名手という評判だけで本盤にしましたが、少なくとも他盤をあたろうとは思わない出来映えです。
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0 people agree with this review 2013/02/13
一聴、水準以上の音楽であると感じます。ジュースといって無果汁の清涼飲料水を飲まされている感じはしません。単なる効果の連続ではなく感情の発露があります。6曲からなり、第4番が3楽章な他は緩ー急ー緩ー急の4楽章です。イタリア的晴朗が支配的で、ヴィヴァルディの喧騒がなくよほど落ち着きがあるのも好もしい。ただ、演奏がベストかと問われると即座に肯定はいたしかねます(といって選択肢がたくさんあるわけではなく将来への期待だが)。独奏部をなす4つの弦楽器には全て作曲家と同時代に作成された楽器が使用されています。その他もauthentic instrumentsだと記されています。とても権威があるみたいですが、個人的には労多くして効薄しと聴こえます。また、ヴァイオリニストはそれ自体で聴衆をとりこにする音を持っていないと思います。とはいえ、ラックのバロック音楽のコーナーにあれば趣味がよいと思える1枚です。
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0 people agree with this review 2013/02/12
大ヴァイオリニストであるが、LPを買ったことはありません。ヴィルトォーゾ、アウアー門下のロシア人ということならハイフェッツのほうが有名でした。そしてバックを務めるピッツバーグS.O.というのが得体が知れない。U.S.A.にその街があるのは知っているが、地図上でどこと指し示すことができないし、他者の盤で見たこともありません。グラズノフの協奏曲は作曲者自身の指揮で演奏したことがあるという話を聞いて興味をそそられたが、如何せん名曲の誉が高い曲でなし。そうこうしているうちにバッハの無伴奏ソナタ・パルティータ全曲のステレオ新録、ブラームス、メンデルスゾーン、チャイコフスキーの協奏曲の新録が出て皆評判がいい。協奏曲はVPOだし買おうかと思ったが、今度は70歳ということにひっかかりました。いくらなんでも力感は衰え、反応は遅くなっているのではないか。この度熟年期の録音選集が1CDあたり500円以下で入手できることとなったので購入してみました。上記3協奏曲はこちらもステレオですし。アンソロジーということは全録音でないわけで、協奏曲ではバッハやモーツァルトが割愛されています。これはこのヴァイオリニストの本領がロマン派にあることを示しているのでしょう。事実待望(?)のグラズノフの協奏曲の第1楽章を聴くと濃厚な情緒を見事に弾き切っています。次は2度も録音したバッハの無伴奏曲で、最も有名なBWV1004を聴いてみました。第1印象は速ッです。が、一音たりとも疎かにしているわけではありません。シェリング(67年)27.18に対し22.12です。シェリングで聴きなれていたらたぶん投げ出すでしょう。それで、ベートーヴェンのクロイツェルソナタも聴いてみました。これも28.47で、シュナイダーハン・ケンプ盤の41.53より13分も速いのです。これもシュナイダーハン盤ですりこまれていたら何じゃこれでしょう。しかし、聴きなおしてみると第1楽章15分近くを11分弱に圧縮しているので劇的な感じが高まっています。そうなるとシュナイダーハンらはぬるくて聴いていられなくなります。さらにこの人たちソリストになるには今一つ力不足かという気さえしてきます。そしてミルスタインのすごいところは両曲を口実にして曲芸を聴かせられたという気はしないことです。確かに両曲は聴いたのです。両曲苦手な私的にはひじょうにけっこうでした(まあ、無理して好きでもない曲を聴くなんて愚の骨頂なわけですが)。両曲に過剰なロマン派的情緒は禁物という確かな様式感から自分のロマン派傾斜を封じるためこのようなテンポをとっているのではないかという想像までしてしまいました。Vn好きな方なら一聴の価値あるセットでしょう。
0 people agree with this review 2013/02/09
デムスは若い頃、グルダ、バドゥラ=スコダとともにウィーンの三羽烏とよばれていたことがありますが、大協奏曲のソリストと認識されるようにはならなかったと思います。それが逆に程がよくてPf四重奏曲、五重奏曲にはいいのではないでしょうか。本曲にはシュナーベル、ルービンシュタイン、カーゾンの録音もありますが、弦楽器奏者たちには伴奏を付けさせていただくという気分がどこかにあるのではと思います。簡易Pf協奏曲みたいになったとしても大ピアニストのPfが聴けるだけで素晴らしいという考え方もあるとは思いますが。デムスはウラッハ(Cl)、バリリSQといったフィルハーモニカーたちと昔から室内楽の録音をしてきた方でもあります。経験は十分です。ウィーン室内合奏団はフィルハーモニカーによる団体ですが、メンバーは異同があります。本盤のメンバーでは71年来日記念のモーツァルトの弦楽四重奏曲第14・19番のLPを愛聴していましたが、本盤で同じ美しい響きに接しなつかしく思いました。両者のアンサンブルは見事で流麗なウィーンのモーツァルトを具現しています。本曲には先行するフィルハーモニカーの録音はなく、その点でも貴重です。
1 people agree with this review 2013/02/09
モーツァルトの協奏曲はペライアの全集があればいいんでないのというハーメルンの笛吹き男のお尻についていく子供のような者です。そんな奴だからLP時代24番はハスキル/マルケヴィッチ盤で聴きました。印象は何かおどろおどろしい曲、進んで聴きたいとは思いませんでした。ところが本音源で聴くと爽快で聴けてしまうのです。理由を考えるとこのピアニストのほうが、打鍵が強く細かい音符が続くところでは疾風のごとく駆け抜けるのです。確信にみちた小気味良さは24番に限らず本音源のどこでも聴かれ男前です。モーツァルトの協奏曲なんて女性の顔芸でまにあうだろうなどという思考とはおよそ違う次元にあります。このピアニスト、中期のベートーヴェンのソナタなど絶品ではないかと想像します。指揮もピアニストに合わせ、余計な情緒をつけずキビキビしていて本当の意味でサポートしていると思います。なお、聴いているのはEMI盤ですが、同一音源だと思います。
2 people agree with this review 2013/02/09
若い美男(T)をめぐって、若い女(S)と年増(MS)が恋の鞘当てをするというお話です。だーから(イタリア)オペラは・・・。ちょ、ちょと待って、オペラでは極端にいうと話は場面をつくるための口実、場面場面で歌手の超絶技巧によりその場の情緒(例えば恋愛感情)に酔えればOKなの・・・ん、人間業ではないというほど難しそうでもないし、S・Tの二重唱にしてももう一段の盛り上がりに欠けるのでは。そこらへんが、評論家が第1級の作品とするに躊躇う所以なのでしょう。しかし、アリアは全て平均点以上はとれているし、オケだって1回聴いただけで耳に残る節があり、今世紀も演じつがれていくと思います。さて、本DVDは日本語字幕焼き付けの記録で、日本人はSubtitlesでNoneを選べば筋はわかります。この字幕と重なりますが、Italianoを選べば原語歌詞も目で追えます。もともと夜か昼といっても重くカーテンが垂れこめた部屋で展開されるのだが、当時の技術の限界か、暗めに写っています。が、第2幕の暗がりの場面を除き出演者の顔の表情がわかりづらいということはありません。舞台装置や衣装は貴族華やかなりし時代の雰囲気をまずまず作りあげられていると思います(パッケージご参照)。Sは、登場時一瞬マツコDXがでてきたのかと思います。ムガール帝国風の衣装もあって象みたいにも見えます。それに若々しくもないので、この作品の恋愛における年齢条件の厳しさが浮かび上がってきません。Tとの二重唱にしても字幕がなければ母親との歌にみえます(Tになつかしの母の面影を云々という歌詞がありますが)。かといってサザランドやフレーニのほうがましともいえません。細く伸びるppの美しさに免じて目をつぶってやってください。目をつぶるなら映像の必要はないといえますし、前述のとおり歌唱力にあまり拘泥する必要はありませんから、思い切って容姿重視で他のDVDを選ぶというのもありでしょう。色恋沙汰から解放され、芸術の僕として昇天していく幕切れなど役柄の舞台女優という側面は立派に表現されていると思います。MSは第2幕登場のアリア実に気持ちよさそうに歌っています。ご本人が作品の状況に置かれたら実行しかねないと思える性格で怖いくらいはまっています。容姿も合格、小柳ルミ子の心情がよくわかります。Tは政治家といっても自ら戦場で陣頭指揮もするという役柄ですからだらだらに太っていては興ざめです。カレーラスはそういうことはなく甘いマスクと若々しさでイメージに合っています。Sと並ぶと蚤の夫婦という語が浮かんでくるのはお気の毒です。中年過ぎてしみてくるのはBrの役柄です。仕事の苦労が絶えない。若い気になる娘がいる。コクろうか、いややめておこう、でも明日はもっと歳をとる。しかも、相手を最もよく理解しているのは自分なのに、相手は若い男に夢中ときています。老いらくの恋などにとらわれていない身の幸せがつくづく感じられます。主要登場人物にからむ前景に日本人が出てこないので安心していたら、第3幕バレーシーンでガックリです。西洋起源のものは技量はもし上であっても日本人がやると違和感がぬぐえないのです。オケとともにここまで引っ張ってくるのはお金が許さなかったのでしょう。とはいえ本作品の本邦初演だそうです。それをS、MS、Tをはじめ本場当代一流を揃えて行うところがアジアのなかでわが国の民度の高さを証明していると思います。
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6 people agree with this review 2013/02/07
「ハスキルの17枚ボックスセットでございます。」「えー、それだけー。一葉様が一葉飛んでいくんだぞ、こちとら御殿に住んでるわけでも後何十年も生きれるわけでもねえ、ゴミ曲のクズ演奏つまったボックス積み上げて喜んでいられるご身分じゃねえんだ(怒)」と、そこで↓の方があらわれて、「買う?」「買います、買わせていただきます。」まあどっかで見たような展開ですが、言いたいのはもう少し売り手のほうできっちり商品説明しないとクラシック分野のCDはますます買い手がなくなっていくだろうということです。音楽は所詮娯楽だから何を聴いても本人が楽しければOKなわけですが、クラシックも悪くはないと思うんですよね。(以下何も知識なしの方向け)。ゴミ曲でなさそうなのは先のレビュアーのおかげで明らかでしょう。17枚全て大作曲家の名がのってないCDはありません。スカルラッティやファリャというと聞いたことないかもしれないが、よく弾かれる作品です。ただ、曲目の偏りが気になるかもしれません。モーツァルトの協奏曲は番号からみて27曲はありそうだが、全部はないのにある番号ではダブッている。ベートーヴェンだってカブっているのに名前をよくきく皇帝協奏曲や月光だのニックネーム付ソナタ全部はない。この一因としては彼女が生来体力、健康に自信のある方ではなく録音も初老に近くなってからだったということがあげられます。量的にみるとモーツァルトで半分近い。そう彼女のモーツァルトには定評があったのです。さて、他のピアニストとどこがどう違うから素晴らしいのかについてはこの聴き手は残念ながら説明能力に欠けます。誰が弾いているかどうやらわかることがあるのはルービンシュタインだけというレベルだからです。しかし、まじめでスキのない演奏だとはいえます。なかで愛聴しているのはグリュミオー(大ヴァイオリニストのひとり)とのソナタ2枚です。これも耳を傾けているのはVnの美音の方という始末なわけですが。これも全曲ありません。実は彼女録音進行中死去したのです。グリュミオーがおくっていこうと申し出たのに断って転んだ怪我がもとだったといいます。老人は年少者が手を貸そうとすると、まだまだ一人でやれるわい、バカにすんなとわけもなく反発することがありますが、自戒されます。出来が比較的優れている曲ばかり残ったのは幸いです。ベートーヴェンのソナタの方は全曲あり、有名な音源ですが、他にも大物同士共演の全集があります。モーツァルト、モーツァルトというが、ハスキルはむしろシューマンそれも協奏曲という方もいます。りっぱな演奏ですが、一流ピアニストでこの曲を録音してない方を探すほうが難しくどう位置づけてよいかわかりません。名前も名前だし、ジャケ写の黒ずくめの衣装といい、本曲を一生弾いて普及に努めたシューマン未亡人のイメージに重なり、悪かろうはずがないくらいのことしかいえないのが情けない。また、にんにく卵Oのおばあさんをちょっと思わせるという方もいるかもしれませんが、事実、若いときはかなり美人です。その当時は全然受けなかったらしいですが。なお、「森の情景」は地味な曲ですがCD初出とあります。生前のヨーロッパの3大レーベルおよびウエストミンスターに残された音源は全て網羅しています。クズ演奏は一つもないといっていいと思いますが、初心者をもう一段納得させるには、このピアニストの比類なきコントロールはCD○収録の○の第○楽章○分過ぎ、洗練度はどこ、感受性の鋭さはどこに聴き取れ、各々誰々の演奏と比較してみるとよかろうなどとコメントできるレビュアーのご登場が期待されます。作曲者基準でCDを揃えようとしている方には即断はできないでしょうが、このピアニストどうせ全録音聴くことになりそうだという方にとってはいちーち単発を揃えていくよりまんどくさくなくお得なのは自明です。1CDあたりにすると300円きっていますから。
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0 people agree with this review 2013/02/06
モーツァルトの協奏曲はペライアの全集があればいいんでないのというハーメルンの笛吹き男のお尻についていく子供のような者です。それでこの盤もモーツァルトはハスキルと皆がいうものだから購入しました。買った後で、DECCAレーベルで17枚組のハスキルのボックスが出ましたが、モーツァルトが入っているものだからもちろん購入しました。本盤の演奏はボックスには入っていませんが、曲目としてはダブっています。持ち続ける意味はある(ボックスの演奏より優れている)のでしょうか。まず本盤がライヴであることによるマイナス面はほぼありません。ミスタッチ一つなく、聴衆の演奏中の咳も19番に1箇所あるだけです。それ以上は自己判断力があるわけもなく例によって本盤付属のパンフレットにのっているリリース企画者の見解の尻馬に乗ることといたします。ハスキルの絶頂期は56年で57年も大体良いそうです。19番は本盤は57年に対しボックスに2種収録されているうちの一つは56年です。しかもフリッチャイ/BPOでこっちの方が良さそうです。しかし、企画者がいうには本盤の演奏には他盤にない不変の落ち着きがある(きっぱり)。24番、本盤の管はフランス系の尻軽な明るさで、曲調に合わない感じですが、ボックスの方もフランスで記憶は定かでないが似たりよったりか。ボックスが60年に対し、本盤56年で本盤勝利となります。以下は個人的事情になります。(本盤で聴いたときの)両曲についての感想は、19番は社交的お愛想があるだけ、24番はベートーヴェンを思わせ煙ったいです。取り立てて聴きたい曲ではなかった。本盤が両曲についてハスキルのベストとしてもこれからかけることはまずないのであった。評価はその特殊事情に沿ってのものです。
モーツァルトの協奏曲はペライアの全集があればいいんでないのというハーメルンの笛吹き男のお尻についていく子供のような者です。そんな大雑把な聴き手だから耳は専らPfを追っています。ここのオケはいいなと思うときもあるが瞬間的。第14番の出だしにしてもお決まりの前口上、今か今かとPfを待っているわけです。しかし、この盤はどうだろう、ズーンと低音をきかせた中をVnが天女のようにしなやかに舞い上がる、もう耳はオケから離れることはできません。第2楽章の歌など不覚にも涙がにじんできます。ワルターのモーツァルトという評判だけのことはあると実感する次第です。このピアニストの音色や演奏がモーツァルトにふさわしいのか否かはわかりませんが、つたないと思う箇所はありません。オケだけ聴くというやり方はブラームスのほうにいっそうむいているかもしれません。管弦楽部の書法はぶ厚くブラームスのなかではこの指揮者により適している範疇に属する曲と思われるからです。が、この曲、管弦楽部がPfと対等になったというだけでPfが劣後するわけではありません。このピアニスト女だてらに善戦してはいるが、最高の自由度のもとで演奏できているとは思えず、気になるのです。こういう聴き方ができるのはPfが万全に鳴らされていることが前提だということに気付くことになります。本曲を聴くのに本盤を取り出すことはないと思います。評価はモーツァルトについてです。
フリードリッヒ大王が宮廷で自らFlを楽しんでいる絵は音楽書の範囲をこえてかなりよくみます。さて、どんな曲を吹いていたのでしょうかという興味で、大王の宮廷に仕えたというC.P.E.バッハとクヴァンツの協奏曲の盤を購入。C,P.E.バッハの盤は1曲聴いて投げ出したが、こっちはどうにか聴き終えました。C.P.E.バッハ作品は独奏部と弦楽部とがバラバラでお互い勝手にやっている感じ、それに焦燥感というかせわしなさですが、クヴァンツは協奏し、よほど落ち着きがあります。といっても手放しで褒めるわけにはいきません。各曲で比較的聴けた楽章をあげると第1曲T、第2曲V、第3曲V、第4曲Tです。全部急速な楽章です。緩徐楽章は退屈だが、急速楽章に挟まれているので1曲なら勢いで聴けてしまう。4曲続けて聴くのはつらい。モーツァルトの同種目作品のようにFlが好きか否かにかかわらずお薦めできるような水準ではありません。よっぽどFl好きな方がときになかから1曲選んで聴くために置いておこうかという盤。
1 people agree with this review 2013/02/06
HMVレビューが詳しい、どの商品についてもこのくらい説明いただくと選択が楽なのですが。購入の目的はBWV1027〜1029です。本セットは無伴奏組曲全曲をつけてたったの千百きゅーーーじゅーえーーん(思わずジャパネットたかた社長をやってしまいました)。単発盤より安く迷わずこっちで購入。ただし、お値段だけに曲目解説パンフレットは付いていません。BWV1027〜1029はコッホ、レオンハルトの盤で初めて聴いたが2度聴きたいとは思いませんでした。ブリュッヘンのテレマン作曲ターフェルムジークの盤でビルスマの美音に驚き、再チャレンジというわけです。キーボードがコッホ盤のharpsでなくOrgなのが新鮮です。どんな楽器なのかは知りませんが、教会にあるデカ物とは違うようです。ヨーロッパの広場で大道芸人(ストリイトミュージシャン)が演奏する手風琴を思わすピコピコした響きです。これが調子よくて何とかついていくことができました(私、harpsが大の苦手なのです)。もちろんビルスマの音は美しい。聴いてもいい曲に昇格です。といっても一番しみたのは併録のJ.C.F.バッハのソナタの第1楽章だったというのがこの聴き手の耳の限界を示しています。その程度では無伴奏組曲は荷が重い。私はこの曲集を聴くのは3回目です。第1回目はLPでフルニエ盤を買ったとき、第2回目はそれをCDに買い替えたとき、いずれも1度聴きとおしただけです。3度目の今回は第1番のプレリュードはさすがに覚えていたが、後は途切れ途切れ。本曲集はカザルスがプログラムにのせ、以後チェリストの聖典となったのは有名なお話です。が、200年間忘れ去られていたという面にもご注目いただきたい。第1番プレリュード以外では一般受けする親しみやすさが乏しいと思います。無伴奏だから他の楽器で紛らせることもできません。私のような素朴な聴き手には娯楽にならないのです。だから、フルニエ盤があるんだろう、違いは何なんだ、ちょっと聴いて意見を述べよといわれても→断る(キリッ)。まあ、跳びはねれる部分ではもう少しそうしていただいた方が鑑賞のハードルが下がるような気はしました(あくまで素人の感じ)。演奏者に罪はないが、3度目も1回きりになりそうです。この歳になっては4度目があるかどうか。そんな体たらくで無伴奏組曲について評価できるわけもなく、星はBWV1027〜1029についてです。
0 people agree with this review 2013/02/04
モーツァルトのFl四重奏曲特に第4番K298は彼の室内楽全部に範囲をひろげても上位にランクされる曲ですが、これを含めて4曲しかありません。似たものがあるならもっと聴きたいと思って目を付けたのがこの作曲家です。モーツァルトより3年後に生まれ、モーツァルト死後も10年余り生きています。さて、同じ四重奏曲の盤がありますが残念ながらFl-Trでの演奏です。ここまで時代が下ってこれでわざわざ演奏する意義があるのか存じませんが、尺八風味、空気が漏れるような音で聴かされたのではたまりません。Cembとのソナタになりますが、本盤を選びました。目論見どおりイディオムはバロックから解放され古典派です。晴朗にして軽快です。Op.13-2のロンドがやや冗長(退屈)かと感じたが、早く1枚すんでくれないかなとは思いませんでした。どころか、パリの修道院付属の図書館からモーツァルトの自筆楽譜発見、初録音といわれてもわからない、これは掘り出し物とほくそ笑んでいました。が、すぐ後でK298をウィーン室内合奏団で聴いてみると高揚感はみるみる萎んでしまいました。同じ絵具で描いてもラファエロでないとラファエロにはなりません。その理由はどんなに美術書を読んでも謎なのだが。すぐリピートして聴きたいとは思わないのです。あたりさわりなくロココ調のFlを流したいなというときに適します。
プッチーニの人気オペラ5作品では近年最後まで聴くのはトゥーランドットだけです。後は第1幕だけ。というのは、残りは全て後で恋人たちは死別します。この歳になるとこんな異常な形ではないだろうが、視野に入ってきていること、お芝居とはいえわざわざ観たくない。二人はLove、Love、楽しく暮らしましたとさ、めでたし、めでたしでいいじゃあーりませんか。では、(トゥーランドットは第1幕相手を恋人として認識していませんから除くとしてその他で)第1幕一番愛の燃焼度が高いのはどれでしょうか。ラ・ボエームもなかなかだが、やはり本作品でしょう。ピンカートンのViene la seraからオペラ史上おそらく最長の愛のデュエットが始まります。最も美しいかといわれると躊躇われるが、最もあまーいことはまちがいないでしょう。愛のには注釈がいるかもしれません。台本をあたると男性は現地妻をもらうつもり、女性は正夫人になったつもりだからです。でも女性は男性を心から愛しているのだから男性が聴く分にはOKです。さて、どの音源を選ぶかですが、迷わず本録音をお薦めします。私は何が何でもカラスという基地外ではありませんが、本曲特に第1幕においてカラスに優るSがいようとは思えません。15才の幼妻になりきっているのです。uno due treやMadama F.B.Pinkertonの甘えん坊みたいな声をお聴きください。これらはジャケット写真の姿の女性が発したのです。美しいのは結構だし、白人の関取を見たときと同様の違和感は誰が演じても同じでそれが問題ではありません。どう見ても成人女性な点です。もし実演を観たらカマトトという言葉が頭をよぎったでしょう。彼女の公演について映像が残ってなくてもいいやと思える稀有の例です。幸いCDでは音だけで美少女が立ち現れるという寸法です。一幕通じ、彼女は凄みは毛ほどもみせまいと決心しているかのようです。第1幕だけというが、Sの最も有名なアリアはこの後にでてくるのじゃないのかねとご指摘あるかもしれません。定かに記憶してないが、第1幕の出来からみて他の幕も少なくとも他のSに劣後することはないと思います(と言って、この爺いは依怙地にも金輪際先を聴こうとはしないのであった)。個人的にはどうしても聴きたくなるような歌ではないです。次はTです。3大テノールという盤がありますが、原題は単に3人のテノールです。本盤と同時代のいろいろなオペラ音源を聴くとあまり名を知らないTが務めていることがままあります。が、だれも「3大テノール」ほどに歌っていると感じます。ゲッダは名を聞いたことがないという範疇の方ではなく不満ありません。この二重唱についてもう一人絶対ふれないわけにはいかないのが指揮者です。例えばTのStolta paura以下につけた部分、舌を捲くうまさです。フルトヴェングラーやベームにイタリアオペラ(モーツァルトのイタリア語オペラはイタリアオペラという方もあるが大方のイタリア人はそう考えていないと思うので除外)の有名録音があるとは聞きません。対してカラヤンはプッチーニに限ってもラ・ボエームや本曲があり、本曲は2度までも録音しています。たいへんな労力がいるであろうオペラの録音を2回、金儲けのためだけでは到底無理で、好きだったのだと思います。そこで、この指揮者の録音を一々聴いたことはないのだが、ベートーヴェンよりR.シュトラウスやチャイコフスキーのほうが素晴らしいのではないかと想像します。これら三者一体と化して、幕切れ、素晴らしいクライマックスを築きあげますが、指揮者も心の中で思いっきり叫んでいたのではないでしょうか。ところで、第1幕と申し上げましたが、もっと細分すると聴きたいのはSが仲間たちと登場するシーンからです。この場の音楽の幻想的なこと作曲者の他のオペラのヒロイン登場シーンでは聴かれないものです。そこでイタリア語がわからないのを幸い、私はSを乙姫様、Tを浦島太郎、龍宮城での愛の二重唱に見立てて聴いています(あんさん、昔洋画を消音にしてええ加減なセリフをつけて遊んでたんとちゃうとツッコミがはいりそうだが)。臨終のとき聴きたい1枚(歌)はこれで決定といえようーーーです(まあ美少女からの愛の告白を妄想しながら死ぬとは地獄行きは決まったようなものですが)。
0 people agree with this review 2013/02/03
メンデルスゾーンは初めて聴きました。何といっても第1楽章の青春の昂揚とでもいうべき気分が格別です。第1Vnはフィーツですが、有名なW.ボスコフスキーより個人的には好みです。フィーツらは一糸も乱れず沸き立つように歌い上げていてオールドファンとしてはこれぞウィーンの弦と涙がこぼれます。第3楽章にスケルツォのメンデルスゾーン、終楽章に古楽愛好趣味がみられますが、全体としては六重奏曲Op.110の方が優れていると思います。といっても(編成は違うが)同じ八重奏曲ならシューベルトやましてやシュポーアよりはいいと思います。ベートーヴェンは後期には交響曲、弦楽四重奏曲、Pfソナタに種目を絞ったのはよく知られています。個人的にこの中でまあまあ聴くのはPfソナタだけです。第九は年末にまとめてくれてありがとうだし、おまいも歳とったらわかるようになるさとさんざん言われたSQも未だお通夜につきあわされたような気分しかしないのは、バカは歳とらないせいなのか。かといって中期作品も強力過ぎてとても付き合いきれない。後期のPfソナタの他に聴くといったらこのOp.20だけです。というわけでどなたでも楽しめますのでどうぞお聴きください。いかつい作曲家の風貌からは想像つかない旋律があふれています。メンデルスゾーンのOp.20に比べ各楽章の出来にむらがありません。モーツァルトの世界に一番近づいた作品でしょう。楽しげな作品より深遠な気分の作品のほうが上等とは決していえないと思います。といってもそこはベートーヴェン、終始典雅とはまいりません。第5楽章はスケルツォだし、第1楽章や終結部には中期の前進する意志が垣間見えます。この曲はCl愛好の方にもお薦めです。Cl入りの室内楽というとモーツァルトとブラームスの五重奏曲が突出した存在でその他といったらウェーバーに向かわれるかもしれませんが、本曲もClが大活躍します。ボスコフスキー兄弟が歌いかわしで息のあったところを見せていています。ウィンナホルンの響きの魅力もあります。モーツァルトのディヴェルティメントやセレナーデの精神はこれらの曲を経てブラームスに脈々と引き継がれていったと思います。ところで、伝統といえばフィルハーモニカーの室内楽の新録が話題になったり、出てもロングセラーになることがなくなったように感じます。本盤に聴き取れる歌心とアンサンブルの類い稀な両立、これが近年のフィルハーモニカーには期待できなくなってきているからとしたら残念なことです。
メニューインが音楽に対して真摯でなかったことなど一度もないことに異をとなえる人はいないでしょう。しかし、一生どの時でも大ヴァイオリニストであったかとなると疑義が残ります。ここに62年グーセンスと共演したバッハのObとVnのための協奏曲の録音があります。真面目で落ち着いた演奏です。しかし、これを聴いて他のVnの大曲を別のヴァイオリニストで外れだったらメニューインの盤をあたってみようとは思いません。何かごく平凡な感じなのです。そういえばフルトヴェングラー、ベートーヴェンと極め付けで揃った盤もあったが、同曲で何をおいても聴くべき録音とはされていないようです。ところが、成人前の演奏では様相が一変します。協奏曲ではポルタメントをかけ、主題が終わるのにいやいやするかのように音を伸ばしています。演奏論的には問題かもしれませんが、思いっきり歌心が横溢しています。そして弾むような活きの良さ。これが、モーツァルト以前の音楽では絶対の適性があるとみられるグリュミオーのステレオ盤があるにもかかわらず、またいくつかの箇所で録音機械(?)のノイズに悩まされるにもかかわらず本盤を本曲たちの録音の筆頭に置く所以です。感銘は後に行くほど深まります(つまり、シャコンヌが最高)が、これは曲自体の出来故と思います。BWV1043では第2Vnはエネスコで師匠にあたります。大ヴァイオリニスト競演という盤もいくらもありそうで実際は稀です。
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