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Review List of 七海耀 

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  • 0 people agree with this review
     2011/02/03

    新しく出た全集のところで言及し忘れたのだが、この演奏は、世評ほど悪くないと思う。まず、結論から言うなら、VPOとの再録やバイエルン放送響とのDVD等の演奏が総合的に上である。しかし、これはこれで魅力的である。一気呵成に運んだ第一楽章は、後年の彼には見られない覇気があるし、スケルツォも同様。特にトリオでテンポを落とさず疾風のように駆け抜ける様は爽快ですらある。アダージョも非常に良く歌っていると思う。問題があるとすれば、終楽章の声楽のみ。バスのノーマン・スコットの芝居がかった歌声からしてコケるが、テノールはかなり笑えるレベル。ジュリアード合唱団は人数がやや少ない感じで迫力が足りない。オケはそう悪くないだけに、声楽が足を引っ張った典型的な「第9」の失敗例。しかし、全体として見れば、わりと満足出来るレベルである。余白の「フィデリオ」序曲はなくてもよかったかな。ドライな録音に、およそバーンスタインらしくない、足取りの重い、田舎くさい演奏。第9の録音は十分及第点。

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     2011/02/01

    クレンペラーらしい「厳しい」演奏である。ライヴなので「熱さ」もある。ライナーノーツも合唱団の結成に字数を割いているが、録音も合唱にスポットライトが当たっている感じである。声楽部門は文句ないが、これほどロマン性からかけ離れた第9は、トスカニーニに匹敵する。第三楽章など、タイム表記は14分44秒となっているが、実際は14分切っている。フレーズにしなを作ったり、溜を作ったりするようなところは一切なく、とにかくスイスイと進む。しかし、全体に意思の力が充溢しており、まさしくクレンペラーである。フルトヴェングラーが世をさり、19世紀的ドイツ音楽演奏の芸風はクレンペラーの双肩に委ねられたかのごとき時代だったと思うが、イギリスのオケを率いてのこの録音は、フルトヴェングラーの一連の第9と較べても、かなり様相が異なる。何というか、造形の厳しさが際立った演奏で、ベートーヴェンの交響曲の演奏に、ある種の芳しいロマン性を求める向きには合わないかもしれない。会場ノイズはかなり聴こえてくる。録音はオンであるが、時代を考えれば相当に良い。

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     2011/01/30

    ブリュッヘンの「グレート」は、リズムの前進性に富んだ、生気あふれる、光彩陸離たる表現である。古楽器をつかいながら、これほど古楽器臭くない演奏も珍しい。とにかく大迫力。しかし、低弦部の克明な動きが手に取るように分かるのは小編成故の利点。この曲には名盤が多いが、これも明らかにその一つに加えて良いと思う。金管の迫力も素晴らしい。録音も適度な残響を伴い見事である。

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     2011/01/27

    この盤の聴きものは、録音点数の少ない未完のヴィオラ協奏曲かと思う。これが、大変素晴らしい演奏。ベンヤミニのソロも凄いが、バレンボイム・パリ管の伴奏がまた見事。録音もほぼ完ぺき。この曲は、第二楽章の静謐が、同じく未完のピアノ協奏曲第三番のアダージョ・レリジオーソに通じるもので、厳粛な美しさがある。クーベリックのオケコンは、このボストン響とのものが唯一のスタジオ録音で、これがまた素晴らしい。音質もこのオーストラリアエロクエンス盤は非常に良い。まさに完璧なオケコンではないか。正攻法でこれだけのインパクトはさすがというほかない。ボストン響は、この曲を初演したオケだが、ラインスドルフはイマイチ、小澤は初稿の短縮フィナーレ盤、クーセヴィツキ―は録音が古い。となると、このクーベリック盤にあらゆる意味で軍配が上がる。

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     2011/01/25

    ブリュッヘンが80年代から90年代にかけて、18世紀オーケストラと旧フィリップスに録音した、ベートーヴェン、シューベルト、モーツァルト、ハイドンの交響曲の数々は、ガーディナー、ホグウッドらの古楽器演奏と並んで、 バブル後期のクラシック録音界の華だったと思う。彼は、ベートーヴェン以外は全集を作るということに執着しなかった。彼は、今でも新譜を出すことがあるが、彼が最も注目を浴びていた頃の録音群がこうして復活するのは嬉しい限りである。小編成でピリオドスタイルというのは、今やモダン楽器でも当たり前にあるのだけれど、ブリュッヘンの演奏の不思議なところは、確かに古楽器で、ノンヴィブラートなんだが、アーノンクールなんかと較べても、非常に正攻法に聞こえて、アタックも強く、迫力もあるのに、なお且つ古楽器の鄙びた雰囲気もあって、それらが違和感なく共存していることである。こういうスタイルなら、ブラームスなんかをやっても面白そうなんだが、少なくともまだ録音はしていない。当盤のシューベルトの6番、「未完成」にも、上記の特徴が遺憾なく発揮されている。6番は、やり方によっては、いかようにも退屈になる曲なのだけれど、ブリュッヘンはツボを心得ている。弾むリズムに、素朴な歌もあり、飽きさせない。緩急も計算されている。シューベルトには、素朴でイノセントに歌う演奏スタイルがあっていて、これはまさにそれである。録音も、格別SACDでもDSDリマスタリングでもないようだが、十分なクォリティである。音場が広く、適度な残響があるのが好ましい。
     

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     2011/01/12

    一応これを☆5つにしたのは、値段が安いわりに全体に高水準だからです。所謂インテンポのブルックナーではなく、かなり緩急の起伏が激しいです。0番〜2番あたりも、かなり意識的に重心を低くしている感じです。朝比奈のように、自分を普通に出して、自然と重心が低くなるのとはちょっと違う感じ。4番は、最終楽章がやや失速気味か。5番は、第一楽章など堂々たる展開ですが、一転第二楽章はテンポが速い。コーダは、徐々にリタルダンドしていくような感じで、これはこれで嵌ります。6番は大変気に入った。3番も良いですね。7番も、stop-and-goで、第一楽章などコーダの直前で、かなりテンポが上がります。8番は、わりと普通の演奏。9番はなんでこんなに遅いのでしょうか。第一楽章なんてチェリに匹敵する遅さだけど、音楽が停滞気味で流れていない。オケも金管なんか部分的に息切れ気味。コーダ直前でまたもやテンポを上げますが、そのあとすぐスローダウン。遅いけれど、重量級という感じはせず、ジュリーニ・VPOの演奏ほどの凄みがない。短期間の放送録音で、音の傾向に統一感があって、サクサク聴ける。録音は、今ひとつの透明感が欲しいけれど、全体に良い部類。マゼールがブルックナーに向き合って出した、一つの結論がこれだと思います。決して悪くはないのだけど、こういう演奏を聴くと、やっぱりチェリビダッケは凄いんだなと思ってしまう。

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     2010/12/25

    輸入盤を入手(笑)。まだ、1番と2番しか聞いてないが、既にもとを十分とって、お釣りがきた気分でいる。これは新世代ベートーヴェン交響曲演奏の映像バージョンとしては、一つのメルクマールになりうるものだと思う。映像と音声は必要にして十分のクオリティ。舞台の後方に3台のカメラが設置され、それが左右に移動するので、会場にいた人はひょっとするとそれが気になったかもしれない。他にも固定カメラがあると思われ、マルチマイクのみならず、マルチカメラである。カメラワークについては、最初はどうも機動性が良すぎるのと、ユニテルらしい意味のないアップがあったりして、煩わしいと思ったが、だんだん慣れてくると、むしろ白熱した音楽に併せて、映像も動くという感じで、音と絵が一体化しているという意味で、違和感が消し飛んだ。音楽が激動している印象を与えるのに、映像が貢献しているのである。さらに、会場の気温が高かったのか、指揮者はもちろん、かなり汗をかいている奏者がいて、まさに熱演という感じである。共同制作にNHKが名を連ねている。このコンビによる、SACD盤を持っている人でも、この映像盤は必須で、両方持つ価値がある。5千円を切る値段で、これが入手可能なのは素晴らしいが、そのうちブルーレイで出るかもしれない。私的にはこれで十分だが。

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  • 2 people agree with this review
     2010/12/22

    スタジオ録音にはない燃焼度の高さがこの演奏の売りである。かなり切迫した表現であり、テンシュテット特有の振幅の大きい見事な演奏である。ロンドンフィルも、まさに人生がこの演奏にかかっているかのようなのめりこみよう。アンダンテも非常に艶めかしい。リュートの音が明瞭に聞こえるなど、総じて打楽器系統は非常にクリアに録られており、かなり近接マイクのようである。ロイヤルアルバートホールとかロイヤルフェスティバルホールとかだとこういう風には響かないはずである。つまり、間接音控えめの、インパクトのある録音で、1980年のライブということを考えれば、相当の高水準と考えて良いと思う。41番はNDRハンブルグとの好演もあったが、こちらも良い。こちらは、会場がロイヤルアルバートホールでマスの響きで、間接音が豊かである。星5つを躊躇する理由はない。やはり、テンシュテットはマーラー指揮者だ。バーンスタインとはまた異なる燃焼系である。

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     2010/12/22

    スタジオ録音にはない燃焼度の高さがこの演奏の売りである。かなり切迫した表現であり、テンシュテット特有の振幅の大きい見事な演奏である。ロンドンフィルも、まさに人生がこの演奏にかかっているかのようなのめりこみよう。アンダンテも非常に艶めかしい。リュートの音が明瞭に聞こえるなど、総じて打楽器系統は非常にクリアに録られており、かなり近接マイクのようである。ロイヤルアルバートホールとかロイヤルフェスティバルホールとかだとこういう風には響かないはずである。つまり、間接音控えめの、インパクトのある録音で、1980年のライブということを考えれば、相当の高水準と考えて良いと思う。41番はNDRハンブルグとの好演もあったが、こちらも良い。こちらは、会場がロイヤルアルバートホールでマスの響きで、間接音が豊かである。星5つを躊躇する理由はない。やはり、テンシュテットはマーラー指揮者だ。バーンスタインとはまた異なる燃焼系である。

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  • 6 people agree with this review
     2010/12/21

    もはや贅言は不要。軽く、この曲の決定盤のような気がする。千円切る値段で、このクラスの新録音はLP時代にはなかったことである。とにかく、NAXOSというレーベルが、クラシック音楽市場に与えたインパクトはすさまじい。つまり、クラシック音楽に関して、名演奏=スター軍団にあらずということを、これほど証明して見せたレーベルは他にない。

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  • 9 people agree with this review
     2010/12/21

    広上淳一と京都市響の定期ライブ録音。二枚組で2千円と値段も良心的。日本のオケは財政的に苦しい状況にあるわけだが、各レコード会社は、地道に良い音楽作りをし、地方文化に貢献しているオケを支援する意味でも、積極的にこういうリリースを進めて欲しい。定期の録音なら、今回のように値段を抑えられるはず。今の日本のオケの実力を考えれば、はまれば、海外の一流オケに劣らない成果が期待でき、それを記録に残しておくことは重要と思う。さて演奏だが、まず1枚目。イタリア奇想曲は星4つの好演。プロコフィエフのバイオリンコンチェルト2番は、シャハム盤とか、他にも良い演奏があるけれど、若手黒川によるこの演奏も佳演で、星3つ。しかし、何より素晴らしいのは、河村尚子との共演による、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲。指揮者、ソリスト、オケともに集中しているし、河村の並々ならぬ感受性が光る秀演。これは、文句なく星5つ。2枚目は、ベートーヴェンの第4番交響曲。広上のベートンヴェンの交響曲は、これまで日フィルレーベルで7番と5番が出ており、これらも非常に良い録音だったけれど、この4番も充実している。所謂ピリオド的要素のない、伝統的解釈だが、重心が低く安定しているのみならず、かなりスピード感もあり好印象。メインはシューマンのライン。速めのテンポだが、弦もしっかり弾き切っており、かなり力が入っている。この曲は、ともすれば第一楽章の印象が全てみたいなところがあるが、この演奏は、多分に幕間のような印象のある、スケルツォや第3楽章などで、手を抜かない職人仕事が光っている。山場の第4楽章は、トスカニーニのような厳しさには欠けるが、十分に雰囲気は出ており、金管も健闘している。広上の気合いを入れるような声が絶えず聞こえるが、コバケンのそれと違って、鑑賞の妨げにはならない。グローバルな水準からすれば、弦のボリューム感がやや足りないが、しかしかなり入念なリハをやったと見え、広上の細部まで気を抜かない仕事がそれをカバーしている。金管や木管も好演。録音も、オン気味だが、ドライではなく、適度な潤いがあり、水準を超えている。いずれも拍手つき。観客席も盛り上がっている。フォンテックから、仙台フィル、九響、広響、東京シティフィル、札響などの録音がリリースされ、エクストンからは山形響も出ているが、これまで京都市響の録音は、Arte Novaから数点出て以来、昔の録音の復刻を除けば、あまりなかったので今回のリリースは嬉しい。Arte Novaからのバルトークのオケコンとシベリウスの「四つの伝説曲」がイマイチだったので、この際、広上とやり直して出して欲しい。大友との音源にも良いものがあるはず。

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  • 3 people agree with this review
     2010/12/21

    物凄く機能的なオケという感じはないのですが、十分な技量をもったオケで、ヨーロッパの層の厚さはやはりさすがです。薄味ということもなく、適度な重量感を伴った、着実な演奏だと思います。特に最終楽章はおよそ34分かけていますが、かなり大見えを切るようなところもあり、聞きごたえがあります。アンダンテは非常に美しい。第一楽章も25分かけてますが、なぜかダレない。さらに、スケルツォも軽くなっておらず、これも理想的。録音が各パートをしっかり捉えており、複雑且つ錯綜とした中でも、弦の内声が埋没することがない。しかし、この録音は素晴らしい。低弦も引き締まっている。かなり遅いテンポなのに、肥大感がなく、且つスケールもあるというなかなかの演奏です。個人的には、この曲のベスト10に入れたい録音です。

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  • 2 people agree with this review
     2010/12/17

    うん、好いですね。音も良い。5番は、昔聞いた時は凝縮力不足かと思ったが、今聞くと腰が据わった素晴らしい表現。ティンパニも雄弁。唯一イマイチなのは6番か。これは、VPOとの新盤が断然良い。しかし、4番、8番は、絶対こちらのほうが良いと思う。全体の勢いは、些か落ち着いたVPO盤よりあって、その若々しさが好ましい。

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  • 4 people agree with this review
     2010/12/03

    4番の1稿は、やはり魅力の点で改定版に及ばないと思うけれど、8番に関しては、第1稿は、魅力の点で改定版と拮抗しているように思い、第1稿が好きという人も結構いるのではないか。それに、4番のように、スケルツォが全然違う音楽というようなことはないのも、とっつき易い理由だ。スケルツォのトリオは、私は第1稿のほうが清廉な感じがして好きだ。第1楽章がフォルティシモで終わるのも、非常に必然的に聞こえる。「なくもがな」なのは、第3楽章のシンバル三連発くらいのものか。しかし、楽章の魅力自体は、改定版に劣らない。第4楽章は、テンポの動きが激しく、インバルは前回同様、その部分を強調する。現時点では、私の知る限り、インバルの初回盤、ラッセル・ディヴィス盤、ヤング盤、ティントナー盤とあるが、この度のインバル盤は、一枚に収まっているのと、録音がSACDで優れていることなど、初録音盤や他盤に比べて、いくつか利点があるし、表現もより練れている。都響も、音色はやや地味だが、熱演している。ティントナー盤やヤング盤などもよく、その時々の気分で聴くことにしている。確か、スクロヴァチェフスキも、以前読響と第1稿で演奏したことがあったと記憶しているので、もう一度やって、録音していただきたいと思う。

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     2010/11/28

    「軽い」という意見がありますが、当方はそうは感じません。2番の第4楽章など「軽い」とは逆で、「重厚」ささえ感じます。もちろん、編成が大きくなく、カラヤンやバーンスタインなどのカロリー満点のビックバンドシューマンとは一線を画するのですが、テクスチュアが明瞭で、弦の動きが分離して分かりやすい。ハードスティックで叩くティンパニの効果も面白い。このコンビによるベートーヴェンの交響曲のイメージそのままで、木管の装飾などにそれがあらわれ、2番のアダージョなどでは、ちょっとわざとらしいのですが、それもまあ面白い。バーンスタイン、セル、サヴァリッシュあたりが全集として人気があるのですが、これも悪くなく、何より千円を切る値段なのがうれしいですね。個別には、1番ならバーンスタイン、2番ならシノーポリ(PO)、3番はジュリーニ、4番はアーノンクール(BPO)あたりが好みですけど。

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