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Review List of エーテルの風 

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     2011/09/06

    なんとも生命力の無さげなモーツアルトであります。それが諦観の境地に達したような27番では大いにプラスに働いていて、同曲を語る上で無視できない演奏となっているのです。こういった微笑みの削げたモーツァルトは、本来なら願い下げのはずなのに、ここまで徹底して薄ら明るい世界を表現しつくされてしまうと、これはこれで唯一無比の解釈として絶大な価値を持つのだと思われます。ただし24番の第2楽章の編曲?装飾?だけは、絶対におかしいでっす。ここの楽章だけで、全集総てがダイナシになりかねない愚技と言えるのではないでしょうか。

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     2011/08/26

    かつて評判のよかった(…たしか諸井誠氏が推薦していた記憶が…)第5番がどことなくフラフラしていて、個人的にはピンと来なかった⇒★★。
    第1番第2番は、思ったより起伏の大きな表現で、万人向けかつ私的にもベストに近い演奏⇒★★★★★。
    問題は第4番。シベリウスの第4番と言えば、難解晦渋なイメージがあるが、デイヴィスのこの演奏からは、体温や鼓動が伝わってきそうな人間臭さがある。こういう演奏は、もしかしたらシベリウスフリークには嫌われるのだろうか? シベリウスと言えば、未だに1番と2番が好きな私としては、この演奏はひたすらわかり易くて嬉しかった。デイヴィス/ボストンのシベリウス交響曲の中では最高のの収穫⇒★★★★★。

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     2011/08/20

    「美し系」のブルックナー演奏だ。7番だからこそ許せる解釈だと思うが、例えば外面的にはカラヤン盤などのほうがより徹底した美しさだし、アバド/ウィーンpoのような骨の髄まで美しいCDすら存在する今となっては、この盤の存在意義が相対的に薄くなってしまったとは言えるだろう。

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     2011/08/12

    N響は、その指揮者の個性を薄めてしまうというのが私のイメージだったが、マタチッチは別のようだ。 随所にマタチッチの個性が散りばめられており、なおかつCDのファーストチョイスとしてもなんら違和感のない名演。ライヴでありながらこの完成度は驚異的と言える。

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     2011/08/10

    正統的なベートーヴェン交響曲全集としては、スウィトナ−の全集と双璧とである。そしてスウィトナーと比べたら、ベートーヴェンに対するアプローチがやや柔らかい…と言えるかもしれない。そのためか、総じて偶数盤に より名演が多い気がする。中でも第6番などは、強烈な個性を抑えたタイプの数あるディスクの中では、今もって同曲中のベスト演奏と言っても過言ではない。

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     2011/08/04

    様々な爆演・怪演を聴きつくし、そして最後にこの演奏に触れた時、『これぞ本物!』と確信できる類の名演。解釈はこの上なく平凡だが、この演奏を明らかに超えるようなディスクを捜すのは至難の技だろう。

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     2011/07/26

    これほど完成度の高い演奏は過去に聴いた記憶がない。しかもこれがライブとは恐れ入ってしまう。しかしここまでスゴい必要があるのだろうか? 「こんな演奏が可能なのか?」と演奏に感激したいリスナーには最高の感動を与えること間違いなしだが、例えば「モーツァルトの40番を聴きたい」「シベリウスの2番を聴きたい」というリスナーには、最初に薦められる一枚(2枚組み)ではない。

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     2011/07/24

    スヴェトラーノフやザンデルリングで聴きなれていた私には、最初この演奏(2番)を聴いた時は「なんとスケール感の小さい演奏だろう」とあまり好印象を持てなかった。ただ聴いていくうちに、じつはこのチェクナヴォリアンの演奏のほうが自分のツボにはまって来て、他の演奏がウソっぽく感じてきた。確かに、広大な草原を彷彿とさせるような揚揚さはないが、今では1番も3番も、総てのフレーズがシックリ来て、同曲中の最高の一枚になっている。録音も満足。

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     2011/07/24

    この盤でしか聴いていないので、相対評価は出来ない。しかし(初期の作品だから未熟だと言うつもりはないが)1番や2番を聴いただけでも、相当のの名曲&名演だと思ったのでとりあえず最高評価を。。。

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     2011/07/24

    ほんず内閣総理大臣さんの意見に同感です。要は『特に非の付け所のない名演だが、ショルティー、バーンスタイン、テンシュテット などの演奏に比してしまうと1ランク落ち』という意味で★4つ。

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     2011/07/09

    こういう古臭い?演奏を聴いてしまうと、ベートーヴェンの演奏スタイルは現代よりこの時代のほうがシックリ来るような気がする。なにより録音されてから数十年たった今でも現役で販売されているというのが、名演である証拠。同曲のベスト盤と推薦するリスナーがいたとしても何の疑問もない。

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     2011/06/29

    グリーグ&シューマンのカップリングCDでは、ルプー盤とこのリヒテル盤とが双璧と言える。外面的な美しさではルプー盤が勝っているものの、リヒテル盤は、我を忘れて没入?してしまうような磁力を感じる。惜しむらくは録音だ。LP盤ではそれほど気にならなかったのだが、CD化されて音質が干からびてしまったような感がある。

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     2011/06/23

    「青春の巨匠」時代の森田健作を想わせる演奏…つまり熱と力でグイグイ推進する若さが素晴らしい。演奏そのものも完璧と言える。もし難を言うなら、ドヴォルザークに土臭いカントリースタイルを望むリスナーには、物足らないのかもしれないが…

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     2011/06/20

    「豪快さ」という表現が、ことこの演奏に関しては 曲想にそぐわないのだろうか? マタチッチの作り出す「音」そのものではなく、「クウキ感」にシットリした湿気を感じない。そうなると、よく言われる『原始霧』の味わいが薄くなってしまう。この演奏がツボを外しているように思えるのは、そういったところが原因なのかもしれない。

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     2011/05/29

    朝比奈隆&N響 の録音を彷彿とさせるCD。おそらくナマで聴いたら腰が抜けるほどの名演だっただろうことは予想出来る。ただCDとして聴く場合は、こう言った演奏は例えばジョージセル/クリーブランドのようなスタジオ録音で充分満足できる。やはりマタチッチのライブに自分が期待するものは、豪快さの中にもにじみ出る不器用な作曲者の人間味であり、N響のアカデミックな優秀さが、そういった泥臭さを払拭してしまっているように感じられるのが至極残念だ。

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