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トップ > My ページ > u.f.o.313 さんのレビュー一覧
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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2021/03/17
エレクトロニック・ミュージックとしての核は持ちつつも、特定のジャンルにその足を留めないスタイルのModeratのメンバーが設立したベルリンのレーベルMonkeytown Records。始祖であるModerat及びModeselektorと同様にあらゆるジャンルのアーティストのリリースを実現してきた。本作はそのMonkeytown Recordsの10周年を記念したコンピレーション。 文字通り、あらゆるテイストの曲が揃っていて、それも、すべて同レーベルからリリース経験のあるアーティストばかりのものだ。ミュータントのもつ不気味さを必ずどこかに忍ばせながら淡々と無機質なビートを刻んでいくポストIDMの最右翼ともいえるRedshapeや、WarpからもリリースのあったフィンランドのBrothomstates的な、ポスト・オウテカなような雰囲気を醸し出しているShedのテクノ曲は個人的には気に入っている。聴き応えがあるのは、Modeselektorのアシッドながら壮大なアンビエントとテクノのハードさが絶妙にミックスされた曲と、Mouse on Marsのワールドミュージックからトライバルの間を行き来しながら、エレクトロニクスによる躍動のカオスを増幅させていく曲。その他、ヒップホップ、トリップホップ、ダブステップ、ダウンテンポ…色々な要素が垣間見える楽曲が盛りだくさんの1枚で、純粋にただひたすら楽しめる。
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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2021/03/16
ハウス界で長いキャリアを持つFelix Da Housecatの別名義Aphroheadによる13年ぶりのアルバム。エレクトロやデトロイト・テクノを絶妙に消化したニュー・ディスコに始まるが、徐々にインダストリアル、ニューエイジやレゲエに至るまでの要素をギリギリの技巧とバランス感覚で練り込んだモダンテクノにまで押し上げていく。個人的には、Lil Louis & the Worldの「Journey with the Lonely」のようなアーバンな雰囲気にデトロイトテクノの地平線にまで伸びるシンセのバックグラウンドを合わせた「Come to me」の心地よさが大好きだ。まさにハウス・マエストロと呼ぶにふさわしいAphoroheadによる曲がまとまって聴ける作品なので、とても貴重といえる。
彼の作品にはクラシカルな要素が常にあるだけに、姿は見えなくても、人の気配はいつもそこにあった。どのような崩壊のただなかにも、それは存在していたが、今回のアルバムはタイトルにもあるように、人間ならでは、感情の営みである「愛」に焦点を置いただけのことはあり、人の生々しい声がその音空間に多く介在している。また、ギターの生々しい音も比較的多く使われているところが、90年代のコクトーツインズに通じる、シューゲーザー的な荒涼感とは、また違う感じで心地よい。
本作はClaudio Puntin、Samuel Rohrer、Max Loderbauerによるミュージック・コンクレートにして、アヴァンギャルド・ジャズと呼んでもよい作品となっているが、冒頭から不気味なエレクトロニックサウンドが絡みついてくるあたりが私好みでもある。Max Loderbauer といえば、Ricardo Villalobosといくつものコラボ作を発表していて、本作からのリミックスもRicardo Villalobosがリリースしている。その事実だけからも、本作の不気味テイストが予測できると思う。「Tragus」には暗闇にたちこめるドラムとホーンの霧の中を電子の精子がうごめくような奇妙さがあり、12分にも及ぶ「Toxic Underground」は、有毒な沼の中をジワジワと毒が回っていくのを感じつつゆっくり移動しながらアンサンブルを演奏しているようなサウンドスケープとなっている。「Timone」も、変調するエレクトロニクスの隙間を縫うように流れる中世の亡霊の営みの音楽に聴こえる。ただ、Claudio Puntinのクラリネットが一縷のジャズ的解放感を「Touching The Present」や「Tangoreceptor」で表現していて、それがせめてもの救いだといってもいい。とはいえ、元の場所へはなかなか引き返せない狂気の世界がアルバム全体に広がっているので…、まぁ、心してお楽しみあれ。
ハードウェアを駆使したコンポジションで注目を集め、Ostgut Tonレーベルからデビューアルバムを2012年に出して以来のセカンドアルバム。唯一無二ともいえるレベルで電子音の美しさを表現している。ハイレゾでUSBバージョンが出ているだけのことはある。オーロラや微細な光の粒や針がアトモスフィアを埋め尽くし、全ての音のまとまりが3Dの空間の正しい場所に配置され奏でられている。フロア的な規則性や約束ごとはなく、あくまでコンポジションとしてのリッチネスが秀逸の1枚だ。IDM、ダブテクノ、エレクトロ、インダストリアルの要素をアナログシンセの柔らかさで溶かしながら、レイヴやバレリックの中に滑り込ませる力量には感服させられるばかり。
元々音楽的にトランスカルチャーに寛容であるフランスに生まれ、現在では南米エクアドルを拠点に活動しているNicola Cruz。ワールドミュージックを基本とした作品作りにはこだわり続けるとも言っている。本作でも、その基本は十分に見て取れる。 あるときは、ジャズ的なスリル感のあるラテンのパーカッションが鳴る熱空閑の中でチープなロボットが逃げ惑い、またあるときはレゲトン寄りのテックハウスでロックギターのようにシタールがかき鳴らされる。ラバーズレゲエのような甘い高音で女性が歌う「Voz de Las Montanas (Con Minuk)」は重いダブテクノの片鱗を見せるレゲエのスープに紛れ込んだArcaの「Xen」の世界のように不気味で美しい。ワールドミュージックやレゲエが電子音楽のエッジな部分を支配したがっているかのように聴こえるのが本作の魅力的なところでもある。
00年代のグリッチの潮流の中の一角をなしていたフィンランドのPan SonicのメンバーでもあったMika Vainioと最近ではAlva NotoのレーベルRaster-Notonの後継レーベルRasterからエクスペリメンタルなアルバムをリリースしたFranck Vigrouxのコラボアルバム。 Mika Vainioのインダストリアル・エレクトロニックノイズにFranck Vigrouxギターノイズがスパークし合う展開。特にギターがあくまでノイズアイテムのように変質しているところが見事。また、電子ボイスが多用されているのも、なかなか新鮮で、ややメディーテーショナルで面もあっていい。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2021/03/15
90年代初頭にもてはやされた、いわゆる「ハッピーバレー」系で、個人的な捉え方としては当時の4ADにあって、いい意味で一番素人臭いシューゲー・バンドでもあったLush。シューゲーと言ってもマイブラほどアナーキックでかっこいいわけでもなく、荒削りなビートポップなんかもやっていたバンドでもある。あろうことかコクトーツインズにプロデュースされたときでも、「何か違う」と生意気な態度をとったりして、インディ気質な危うさを引きずっている感じも自分は好きだった。 一度は活動を終了したが、再結成して出した本作は、いかにもLushがやりそうな曲ばかりで、真新しさを全く感じない。むしろ、それは元々ファンだった身としては嬉しいことではあるのだが、心の片隅ではどうもモヤっとするものがある。ここまでLushっぽい曲ばかりだと、それらが単純に最集結したメンバーがかつてのLushの真似事をして作っただけの曲にしか聞こえないのだ。ただ、それも活動を休止してから長い歳月が経っているわけだから仕方ないといえば、それまでである。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2021/03/14
Monolakeは入手困難となる名盤をいくつも出している。その中でも、1999年にCDのみでリリースされた「Gobi.」は、一番の名盤とも言われてきたが、ほぼ20年の歳月を経て、遂にヴァイナル盤で復活となった。 40分近い長尺曲1曲のみで、それはアンビエントとドローンの狭間にすっぽりはまり、ダブテクノを密かに意識しているスタイルで展開される。そこでは、永遠に吹き続ける風に細かい砂の粒子がチリチリと音をたてながら吹かれていき、日中の熱波による空気の揺らぎや、夜に辛うじて動き回る虫や精霊の気配までをも感じることができる。ただ、それら全てが地球上に存在するリアリズムというよりは、見知らぬ宇宙空間に鏡のように再現されたパラレルワールドでの出来事のように聞こえるのが、本作の魅力でもある。ヴァイナル化によって、更にその感覚が深みを増すのが、ことのほか嬉しい。 Floating pointsの「Reflections - Mojave Desert」のように、フィールドレコーディングが当たり前となった今の時代において、あえて本作のようなアプローチのものを愛でるのも良いものだ。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2021/03/13
Nu DiscoやDeep Houseの王道ビートにありとあらゆる要素をクロスオーバーさせるだけなら誰にでもできること。ただ、それをどこまでキャッチーにして、「たまらないセンスだなぁ…」とオーディエンスを唸らせるかが、プロデューサの腕の見せどころ。Levon Vincentはニューウェーブとディスコの豪華なマリアージュにDerrick Mayのシンセレイヤーを乱入させたり、ポストIDMのスペイシーで優美なシンセレイヤーを幾重にも重たうえにジョルジオ・モロダーの亡霊が解き放ったりする。なんならNew Orderだってすぐそばで散歩をさせる。こんなキラキラしたダンスミュージックがウケないわけがない。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2021/03/12
1994年にWarp Recordsからリリースされた、IDMとアンビエントを繋ぐ名盤「Artificial Intelligence II」の2枚組盤にDarrell Fitton名義で参加し、脚光を浴びたBola。以降、IDM界でもいぶし銀的存在として知られていた。2007年を最後に主だったリリースは止まっていたが、10年後に本作が突如リリースされた。聴くと、驚くほど生き生きとしたIDM感がドローンやニューエイジ的な展開の中に見てとれる。懐かしいエレクトロの要素もありつつ、Global Communication的な歪みに吸い込まれて行く感覚や、宇宙空間を漂う感じが全体を通して存在する。インナースペースを浮遊するもノスタルジックな世界がここにはある。
現代のコマーシャリズムを揶揄するかのように、人間の営みの全てがトランスフォーマーにより踏みつけられ、吸い込まれ、粉々されて宇宙の藻屑となっていく。マクドナルドのようなグローバル企業の商標を独特なグリッチでアブストラクトな音楽世界で弄んだりもしている。ひとことでいうと、そんなイメージの本作のコンセプトはAlva Notoの「Xerrox」シリーズで扱われた記号論、共通言語論に起因した視点を「俗」な方向へと落とし込んだような感じとも言えよう。
90年代のチルアウト系が完全復活したような作品。いわば、原点回帰ともいえる。曲ごとのテイストが変化しながら連なり、チャントのような語りが曲間に挿入され、世界観のフェーズの変化を緩やかに体験することができる。Roger Enoをフィーチャーしたピアノもバランスがいい。過去数年のダブ寄りの作品から、若干軸足をハワイアンの快楽へと移した脳内トリップ系の作品。
これだけ豪華なゲストアーティストを迎えてのアルバムなら、よくないはずがないというのが一般の見方だが、かつてグラミー賞を総なめにした全盛期の彼らには王道のポップセンスの中にも、どこかゲットーから這い上がったような、ギラギラしたものがあったように思う。Fergieのソウルネスもそこで大きな存在感を発揮していたわけだが…。どれだけ煌びやかにぶち上げても、何か物足りなさを感じてしまう…。本作がそんな作品に思えてならないのは、私だけなのであろうか…。
本作ではPlaid本来のエレクトロのアプローチは変わらず、若干、インダストリアル風な重めなビートも意識している。DnBのカオスへ向かう激しさが曲の後半で多々見て取れるのも印象的。ただ、どこかノスタルジックなメロディーの片鱗や、牧歌的なアトモスフィアは相変わらずで、アコースティックギターの味付けがところどころにあるのが、おもしろい。ただ、それはJohn Beltranのセンチメンタルというのではなく、やはりNew Orderの方向性に近いのが、Plaidらしい。Tr.6のジプシー音楽的なアプローチはおもしろいので、一聴の価値あり。
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