ハウス界で長いキャリアを持つFelix Da Housecatの別名義Aphroheadによる13年ぶりのアルバム。エレクトロやデトロイト・テクノを絶妙に消化したニュー・ディスコに始まるが、徐々にインダストリアル、ニューエイジやレゲエに至るまでの要素をギリギリの技巧とバランス感覚で練り込んだモダンテクノにまで押し上げていく。個人的には、Lil Louis & the Worldの「Journey with the Lonely」のようなアーバンな雰囲気にデトロイトテクノの地平線にまで伸びるシンセのバックグラウンドを合わせた「Come to me」の心地よさが大好きだ。まさにハウス・マエストロと呼ぶにふさわしいAphoroheadによる曲がまとまって聴ける作品なので、とても貴重といえる。