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SHM-CD 『ヴァイオリン・ソナタ集〜ドビュッシー、フォーレ、シマノフスキ』 キム・ボムソリ、ラファウ・ブレハッチ

『ヴァイオリン・ソナタ集〜ドビュッシー、フォーレ、シマノフスキ』 キム・ボムソリ、ラファウ・ブレハッチ

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  2021年07月08日

    ラファウ・ブレハッチによる、初の室内楽アルバム。協演者は、2015年チャイコフスキー国際コンクールで5位入賞を果たした韓国のヴァイオリニスト、キム・ボムソリ。キム・ボムソリのヴァイオリンを聴くのは、当盤が初めてだが、とても素直な音楽性を感じる演奏。ヴィブラートはやや控えめで、楽曲の影響もあるだろうけれど、ダイナミックレンジの大きさも感じないが、むしろ安定した音量で、暖かみのあるサウンドを引き出すスタイルは、聴き易い柔らか味をもたらす。楽想の弾きこなしも、感情の激しい移り変わりより、音楽的な脈絡を大事にした整いがあって、それが私には彼女のスタイルに感じられる。ブレハッチのピアノも聴きモノだ。室内楽録音が初めてとはいえ、様々なキャリアを積んだ人だから、そこは心配無用。絶妙の節度を感じるバランスが保たれている。フォーレの冒頭部分の輝かしさ、それに続くヴァイオリンの導入との呼吸の整いの美しさも、当たり前と言えば当たり前なのだろうけれど、やはり良い。ドビュッシーは、キム・ボムソリのスタイルとあいまって、やや抑制的に響く演奏であるが、ピアノの細やかな陰影は、演奏が凡庸になることを巧妙に避けている。シマノフスキのヴァイオリン・ソナタが収録されたのは嬉しい。このアルバム、楽曲構成が良いこともあって、繰り返し聴いてもまったく飽きが来ないのだが、その効果には、シマノフスキのヴァイオリン・ソナタの存在が、大いに貢献している感がある。シマノフスキのヴァイオリンとピアノのための楽曲としては、「神話」が有名で録音も多いのだが、このヴァイオリン・ソナタは、ロマン派の残り香と、作曲者特有の語法が合わさった魅力的な作品。特に第2楽章のミステリアスな耽美性を私は好むが、録音数が少なく寂しい思いがあった。そのようなわけだから、当盤の登場は、一気に不足を補ってくれた感がある。この曲でもブレハッチの伸縮自在といったピアノのしなやかさが、楽曲の魅力を掘り下げているだろう。末尾にショパンの甘美な夜想曲を編曲した1編が置かれる。こちらも落ち着きを感じる優しい演奏で、当アルバムの締めくくりに相応しい。

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