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シェーンベルク(1874-1951)

CD シェーンベルク:浄夜、ベルク:叙情組曲、ヴェーベルン:ラングザマー・ザッツ、他 ベルチャ四重奏団

シェーンベルク:浄夜、ベルク:叙情組曲、ヴェーベルン:ラングザマー・ザッツ、他 ベルチャ四重奏団

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2016年01月16日

    このところすっかり惚れ込んでいるのがこの一枚。輝かしいベートーヴェン全集の録音&録画でついに「世界に冠たる」クワルテットの座についたベルチャSQ。またレーベルを替えて新ウィーン楽派の作品集を出してきた。抒情組曲のカップリング曲と言えば、LP時代には同じベルクの弦楽四重奏曲 Op.3あたりと相場が決まっていたのだが、これは総演奏時間 80:32という盛り沢山なプログラム。新しい第2Vnのシャハーが「出」と「引っ込み」の呼吸を良く心得た人なので、かつてはエマーソンSQ似の双頭型クワルテットだったこの団体、結局は第1Vn主導、つまりはベルチャという名前通りの「女王様」主導の形に落ち着いた感があるが、持ち前の表現主義はもちろんまだ健在。このアルバムでは5つの楽章と抒情組曲の最後の二楽章が特に凄い。ヴェーベルンは無機的、冷たいというこの作曲家のイメージをくつがえすような演奏。何ともエロティックで、なまめかしい。抒情組曲はそもそも曲自体が、楽章が進むごとに表現の振幅が大きくなるように書かれているわけだが、この演奏では速い楽章はさらに速く、遅い楽章はさらに遅い。第6楽章「ラルゴ・デゾラート」は『ルル』の最終場みたいな陰鬱でクールな音楽という感触を持っていたのだが、これほど絶叫型の側面を見せるとは驚いた。ヴェーベルン、ベルクの後に置かれると『浄められた夜』はどうしても微温的に聴こえてしまうが、抒情組曲の最終楽章はまさしく「荒涼とした(デゾラート)」音楽なので、ちゃんとカタルシスの感じられる曲でアルバムを締めようとするのは仕方のないところ。もちろんこれも、きわめて起伏の大きい、濃密な演奏だ。

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