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Pink Floyd

CD Endless River: 永遠 (Towa)

Endless River: 永遠 (Towa)

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  • ★★★☆☆ 

    金沢の堕落プログレ  |  石川県  |  不明  |  2014年11月15日

    フロイドに関してもう一つ。PFを70年代のプログレバンドに含めるのが一般的だけど、それは歴史的に間違っている。彼らはビートルズが「リボルバー」を発表する前からLSDを体験し、「サージェントペパーズ」の録音中に隣のスタジオでデビュー作を録音していたバンドである。ZEPやQueenの同期ではなく、JImi HendrixやCreamの同期生とするのが正しい(実際、ジミヘンの前座をやっていた)。70年代のスーパーバンドの多くがベストメンバーを目指してオーディションやメンバーチェンジを繰り返したのとは異なり、ビートルズに似て、ケンブリッジにたむろするお互い顔見知りの先進的な若者たちが、ロンドンの建築大学(アートスクールではなく!)で結成し、脱退者が出ても新参者を加えることなく、最後までたどりついた珍しいバンドなのだ。当然親たちも進歩的で、労働階級出身ではなかった。彼らは出自的にも音楽の技術より文化的斬新さに惹かれ、ポップアートの旗手達と同様に芸術に必要なのは技術よりもアイディア(の構築)であると強く確信していた(Jazzの対局にあるが、この考え方は、後のRoxy Musicなどに大きな影響を与えた)。(悪く言えば)このアマチュアリズムが災いして、「狂気」での成功までに時間がかかりすぎ、King CrimsonやZEPなどに追い越されたので、”70年代を代表するプログレバンドと認識されてしまったのだろう。時代の空気を反映したバンドは、自然発生的に無数存在していたはずだが、運良く彼らだけが音楽シーンの淘汰の圧力から生き延びたのは、全く偶然に才能のあるメンバーが複数そこに集ったからにすぎない(彼らはその恩恵と代償をとても良く自覚している)。結局、歴史に残るバンドはレノンとマッカートニーのように、時代の空気と来るべき予兆を反映した偶然の出会いからしか生まれない。だからこそ、彼らはビートルズの同世代の生き残りとして、ビートルズと他のプログレバンドとを結ぶ生き証人でありつつ独自の路線を歩み、不幸にして70年代にたどり着かなかったビートルズに代わって英国文化の変遷を体現したバンドとして愛され続けているのだ。ポール=マッカートニーがフロイドを特に好むのは、よく理解できる。

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