モーツァルト その音楽と生涯 名曲のたのしみ、吉田秀和 第1巻
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金山寺味噌 | 愛知県 | 不明 | 2014年07月21日
『名曲のたのしみ、吉田秀和』書籍化シリーズの一環で、1980年4月から1987年2月にかけて、約7年間にわたって放送された「モーツァルト その音楽と生涯」の書き起こしシリーズの第1巻。音楽史上最高の天 才モーツァルトの少年時代の作品が中心に紹介されている。神童の名をほしいままにしていた少年モーツァルトだが、現在ではこの頃の作品は”若書き”と見なされ聴く機会は意外と少なかったりするので、吉田氏の解説で丁寧に語られるのはありがたい。 ただ、30年以上前の放送内容なので、番組内で紹介されている音盤や吉田氏の楽曲解説は現在の視点からすると一時代前のものになっている感は否めない。西川彰一プロデューサーもまえがきで「あくまでも吉田 さんが八〇年代のリスナーに語りかけ、日本のモーツァルト・ファンを育てた一時代の記録」と書かれており、情報の斬新さというよりは吉田氏の含蓄の深さ、視野の広さを楽しむための本であろう。とはいえ選ばれている音盤はベーム指揮ベルリン・フィルの交響曲全集やカラヤン&ムターのヴァイオリン協奏曲など以前からの愛聴盤なのでうれしいのだが(笑)。 付録のCDには当時の放送録音がそのまま収録されている。当時70歳前後の吉田氏の口調には活気があって楽しく、懐かしい。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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