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シェーンベルク(1874-1951)

DVD 『モーゼとアロン』 デッカー演出、ボーダー&ボーフム響、デュージング、コンラート、他(2009 ステレオ)

『モーゼとアロン』 デッカー演出、ボーダー&ボーフム響、デュージング、コンラート、他(2009 ステレオ)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2010年11月23日

    ストローブ=ユイレ監督の映画版を含めると三組目の本作の映像だが、デッカーの冴えた演出のおかげで、もともと良かったウィーン国立歌劇場版を凌ぐほどの出来。既に『兵士たち』の上演でも使われていた非常に特異な会場をまず紹介しておくと、20世紀初頭に見本市会場として建てられた体育館のような場所で、両側にヒナ壇のような観客席があり、その間の細長い部分が演技空間。細長い部分の片方の端にオーケストラが陣取る。しかし観客席全体やオケピットすらも可動式であり、この演出では、演技は観客席やオケピットの中ですら行われる。冒頭、暗闇の中からモーゼの声が響いてくると、スポットライトは観客席に座っていた背広姿の男性を照らしだす。第二次大戦後の前衛演劇ではおなじみの手法だが、この男性がモーゼなのだ。第1幕では観客席の壁や、壁が半透明の膜になった箱型の装置などに映像を投影するが、第2幕の乱痴気騒ぎではウィーン版とは逆に、映像に逃げず「四人の裸の乙女」などもト書きそのまま(これが18禁ではなく12禁に過ぎないところにドイツとの国情の違いを感じる)。デュージングはこの役でよく聴かれる深々としたバスではなく、バリトンの声だが、風貌からも役柄にふさわしい。下着一枚、ついには全裸になっての演技者たちの熱演には感服させられるし、合唱団、オケともに完全に作品を手の内に入れている。かつての難解な「現代音楽」も半世紀を経て、見事に演奏者たちに消化されたことを実感できる。きわめて機動的なカメラワークも秀逸。

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