『石の客』全曲 エルムレル&ボリショイ劇場、アトラントフ、ヴェデルニコフ、他(1977 ステレオ)(2CD)
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ユローヂィヴィ | 大阪府 | 不明 | 2011年06月29日
この作品を初めて聴いたときは、ロシア語の話言葉からヴォーカル・ラインを作曲した記念碑的な作品という先入観からヴォーカル・パートやロシア語の歌い方に耳がいってしまい、作品全景をぼんやりとしか聴かずにいて全体的にあまりメロディックでないと感じていたが、改めてエルムレル盤を聴いてみると戯曲の雰囲気が管弦楽でよく表現されていることに気がついた。 とくに第一幕第二景ではスぺイン情緒が良く出ている。 また、同じ題材であるモーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』はバリトンがタイトル・ロールになっているが、歌劇『石の客』ではドン・ファンはテノールに歌わせているのでテノールの音域ならではの甘い旋律もある。 単純に言葉を声楽作品にしたのではなく戯曲の背景を歌劇としていわば翻訳した素晴らしい作品だ。 ダルゴムィシスキイが長生きしてロシアを題材とした作品をこの作曲技術で生んで欲しかったとくやまれる。 ある意味20世紀を予言した作品だ。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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