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CD オペラ・アリア集 ユリナッチ(S)(2CD)

オペラ・アリア集 ユリナッチ(S)(2CD)

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    丸木DE佐渡  |  東京都  |  不明  |  2012年09月13日

    カラス、テバルディその他、名ソプラノがひしめき合った50〜60年代でも、セーナ・ユリナッチは声の美しさで飛び抜けていた歌手である。クサい芝居をせず、ナチュラルで伸びやかな歌をうたう人だった。当時のウィーンではシュヴァルツコップやゼーフリートの陰に隠れていたが、洗練された音楽性と近代的な発声法で、間違いなく彼女らを上回っていたと言える。 ただ、若いころはキレイな声で小鳥のようにピーピーさえずるばかりで歌に深味がなかった。また後年は、ピッチが不安定になるという欠点があった。こうした短所が現役時代、彼女の評価を下げていたと思われる。そういうわけで、ユリナッチの録音にはムラが多い。 この2枚組は、出来不出来の波を端的に示している。55年の「ドン・ジョヴァンニ」で録音史上おそらく最良のエルヴィーラを聴かせるかと思えば、67年の「ドン・カルロ」は音程狂いっ放しの悲惨な出来だ。ユリナッチのエリザベッタなら、58年や62年の優れた録音があるのに、なぜこんな出来の悪い歌を入れたのか。あと、強いて挙げるなら61年の「オネーギン」。1960年前後が、彼女の絶頂期であろう。 いずれにせよ、ユリナッチのベストはここでは聴けない。CDで彼女の名演を聴くなら、ベーム指揮「フィガロの結婚」(56)の伯爵夫人、カラヤン指揮「オルフェオ」(58)のエウリディーチェ、カラヤン指揮「バラの騎士」(60)のオクタヴィアン、クーベリック指揮「タウリスのイフィゲーニエ」(67)のタイトルロールといったところ。フリッチャイ指揮「ドン・ジョヴァンニ」(58)のアンナも名演だったが、不適切なリマスタリングでLP時代とは似ても似つかぬヒステリックな歌に変質してしまった。 なおYouTubeで、61年にロンドンで歌ったR・シュトラウス「4つの最後の歌」のすばらしい名演を聴くことができる。この曲をユリナッチは50年代初めに録音しているが、それは舌足らずな若さの、まるで満足できない歌だった。

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