闇を裂く道 文春文庫

吉村昭

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167905507
ISBN 10 : 4167905507
フォーマット
出版社
発行年月
2016年02月
日本
追加情報
:
515p;16

内容詳細

熱海―三島間を短時間で結ぶ画期的な新路線・丹那トンネルは大正7年に着工されたが、完成までに16年もの歳月を要した。けわしい断層地帯を横切るために、土塊の崩落、凄まじい湧水に阻まれ、多くの人命を失うという当初の予想をはるかに上回る難工事になった。人間の土や水との熱く長い闘いを描いた力作長篇。

【著者紹介】
吉村昭 : 1927年、東京生まれ。学習院大学中退。66年「星への旅」で太宰治賞を受賞。同年「戦艦武蔵」で脚光を浴び、以降「零式戦闘機」「陸奥爆沈」「総員起シ」等を次々に発表。73年これら一連の作品の業績により菊池寛賞を受賞する。他に「ふぉん・しいほるとの娘」で吉川英治文学賞(79年)、「破獄」により読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞(85年)、「冷い夏、熱い夏」で毎日芸術賞(85年)、さらに87年日本芸術院賞、94年には「天狗争乱」で大佛次郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • yoshida さん

    東海道線の熱海と三島を結ぶ丹那トンネル。大量の湧水や崩落事故もあり非常な難工事となる。大量の湧水はトンネル上部の丹那地域の人々に多大な水不足ももたらす。対策と補償に走る鉄道省や静岡県庁の役人達。あまりの難工事に果たしてこのトンネルは完成するのかと思いつつ読む。本坑が難所にぶつかると、副坑を掘り逆側から難所を掘る。莫大な湧水に多くの排水坑を作る。先人達の技術と知恵の結晶として様々な難工事が終わることを改めて知る。自然の力の前に人間は弱い。しかし、叡智を結集して何とか立ち向かう人々の様子は感動を与える。力作。

  • じいじ さん

    昨夜、読み終えた。あまりに凄すぎて、すぐには感想が書けなかった。これは約100年前に成し遂げられた、とてつもない鉄道工事「丹那山トンネル」の完成までを綴ったの実話である。当初の計画では海外からも最新の掘削技術も導入して、工期7年を予定して着工。つぎつぎに押し寄せる難題で工事は難航に難航を重ねた。壁面の崩落事故、爆破による粉塵・硝煙、予想を超える出水量…。そして67名もの工夫らの尊い人命も奪われた。予定をはるかに超える、16年も要した難工事だった。1934年、海岸線を走る生まれ変わった東海道線が開通した。

  • アッシュ姉 さん

    登録本1111冊目は吉村昭さん。大正七年に着工し、完成までに十六年もの歳月を要した丹那トンネル。崩落事故、大量の湧水からの渇水被害、天災に幾度となく阻まれ、多くの犠牲を払った世紀の難工事。トンネル貫通までの長きに渡る自然との格闘、多くの人間がいかに犠牲となって完成にいたったか、時代背景を絡めて克明に綴られた力作。五百ページを超える長篇を読み終えて感慨無量。

  • キムチ27 さん

    高熱隧道などとテーマを等しくする記録文学。熱海-三島間を繋げる丹那トンネルの完成に労した時間・労力そして尊い人命と彼らを踊らせた上層部や権威者を描いている。ここにある「道」は当然ながら我々が日ごろ歩くそれではなくトンネル工事に必須の岩盤を掘り込んでいく作業。当時は大正末期、今のような最新鋭の機器はなく心血を注ぐ、指先を使っていく作業。毎度ながら、読み進むのは苦しく、休み休み読んだせいか詳細まで情景の脳内再現作業が出来た感じ。以前大人気だったNHKのプロジェクトX、あの感覚とは真反対の感覚で読了。

  • 読特 さん

    東京から新大阪への2時間半の旅。首都圏には三島から通う人もいる。そのとき潜る隧道がある…両端から掘り始めて行き会うのに16年。それぞれの堀口での崩落事故。奪われた坑夫の尊い命。作業を妨げる湧水の一方、上部の町での水枯れ。陳情から抗議に変わる。一触即発を避け、何とか得られた補償。…世紀の難工事、丹那トンネル。67名の殉職者。二度と戻らない水田とわさび田。多大な犠牲を払って得た教訓。地質調査や掘削技術の発展。反対を押し切っても成せば成るの成功体験。…リニア、万博、原子力発電。変な風には活かされて欲しくない。

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人物・団体紹介

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吉村昭

1927(昭和2)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。58年、短篇集『青い骨』を自費出版。66年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。73年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、84年『破獄』で読売文学賞を受賞。2006(平成1

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