死のある風景

吉村昭

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167169251
ISBN 10 : 4167169258
フォーマット
出版社
発行年月
1992年11月
日本
追加情報
:
269p;16X11

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読書メーターレビュー

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  • mondo さん

    「死」に関する短編が10篇納められている。いずれも、私小説で主人公である「私」は吉村昭自身である。最初の「金魚」では、吉村昭の幼少期から18歳で徴兵検査に合格するまでを描く。すでに本人は肺病を患い、兄を中国戦線で亡くしている。悲惨な戦禍の中で、唯一鮮やかな朱色で目を楽しませていたのが「金魚」だった。極限状態の中での人々の生と死が淡々とした表現で語られている。また最後の「屋形船」は昭和60年代。花火を観に深川から千住新橋までの移ろう景色の中で、戦中、戦後の出来事が走馬灯の如く語られていく。好きな短編の一つ。

  • ぼちぼちいこか さん

    金魚、煤煙、初富士、早春、秋の声、標本、油蝉、緑雨、白い壁、屋形船 の短編10話。いずれの話も吉村氏の実体験を書いている。金魚と戦争というのは結びつきがなかった。煤煙はヤミ米の買い付け。初富士はある年の正月。早春は従兄への見舞い。秋の声は禁酒していた頃の思い出。標本は切除した自分の肋骨との対面。油蝉は従姉の葬儀。緑雨はある女流作家の葬儀。白い壁は病院の思い出。屋形船は少年時代の思い出が書かれている。一番心に残ったのは、やはり標本だ。

  • 黒豆 さん

    死を意識せざるおえない、長い入院による闘病生活や葬儀での交流風景など、作者の経験から生み出されたと思われる10編の短編物語、自身も同様な経験が多々あり共感しながら読みおえた。ストーリーとは別に 白い壁 の出だしで驟雨という言葉で始まり、どんな意味?と思い調べる→にわか雨、夕立、

  • fubuki さん

    「あとがき」を読むと、短編集を編むにあたって「死」に関するものばかりが集まったとか。年齢を重ねると、こういう情景が多くなるものだが、それにプラスして「戦争」という大きな「死」も存在した。淡々とした記録のような文章で、小説として読むと面白みに欠ける。ただ、死を前にしていると、生きていたいという思いが強くなるのかもしれない。ある意味、生きて行く指南書になっているかもしれない。生きて行くことは、誰かを、何かを犠牲にすることかもしれない。

  • しんのすけ さん

    日々の出来事から戦争時に回帰した話になり、実際に体験した人でなければわからないことがたくさん書かれてあった。ふとした瞬間の心の動きや繊細な気持ちの変化なども自然な文体で描かれてあるのがまたよかった。

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人物・団体紹介

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吉村昭

1927(昭和2)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。58年、短篇集『青い骨』を自費出版。66年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。73年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、84年『破獄』で読売文学賞を受賞。2006(平成1

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