蚤と爆弾

吉村昭

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167169169
ISBN 10 : 4167169169
フォーマット
出版社
発行年月
1989年08月
日本
追加情報
:
221p;16X11

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読書メーターレビュー

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  • kinkin さん

    再読本。太平洋戦争の末期、満州の関東軍が行っていたとされる細菌兵器の人体実験について書かれたもの。氏は記録文学で様々な良質の作品を残しているが本作も短いながら読み応えのある一冊。「丸太」と呼ぶ中国やソ連人の捕虜をペストやコレラといった感染症に感染させるだけでなく鼠についた蚤を最近兵器として実用しようとする日本軍人たちの狂気が読むものを戦慄させる。今猛威をふるっている新型コロナウィルスも細菌兵器が流出したのではないかという噂を聞いたことがある。この本を読んでいるとまんざら噂にとどまらないような気がした。

  • 大阪魂 さん

    タイトルからまったく想像できひんかったむちゃくちゃ重たい作品…第二次大戦のとき、細菌兵器開発のため人体実験を行ってた731部隊って謎の部隊があったことは他の小説とかでもみたことあったけど、この本はその詳細を綴った記録文学やった…主人公・曽根陸軍中将が開発のリーダー、どうせ敵国の諜報員は捕らえたら処刑するんやから、戦争に勝つために人体実験して何が悪いって考え。それで非人道的なことをしまくってたのを淡々と大戦の時系列に沿って語られてく…される立場たったらこんな残酷なことありえへんし2度とあったらあかんやんね…

  • おかむら さん

    731部隊というと、私の世代だとまずは森村誠一の「悪魔の飽食」を思い出しますが、それよりも前に吉村昭も書いていたー。戦時中満洲で行われていた秘密裏の細菌兵器開発の一部始終。森村さんのようなセンセーショナルな書き方ではなく、例によって淡々と冷静に事実を述べる吉村節の方が百倍恐ろしい。人道的なんてものは戦時には通用しない。人間って怖い。250ページに満たない本ですが読み応えがすごい。吉村昭にハズレなし!

  • アメマ さん

    医者や科学者が持つ探究心が突き詰められ過ぎると時として狂った方向へ向かってしまう。それが戦争という人と人が殺し合う状況下の中、人が人と思わなくなり人が人で無くなる本当に狂気に狂った行為が行われる事もしばしばある。俗に言う"731石井部隊"が極秘で行った細菌戦用兵器開発と人体実験が生々しく描写された史実小説は予想通りの重苦しさで頭が痛くなった。実験材料となる囚人達を丸太や満州猿と呼び毎日非道な実験を行う心境は計り知れないし知りたくもない。理性をこれ程まで無くしたら最早人間として終わりでは無かろうか。☆3.5

  • そうたそ さん

    ★★★★☆ 第二次世界大戦末期、ハルピン南部で繰り返された関東軍による細菌兵器開発のための研究および人体実験。夥しい数の鼠や蚤が飼育され、またチフス菌やコレラ菌等の菌も培養されていた。これらの開発をおこなった人物のモデルは石井四郎なる人物であるらしい。このような人物及び事実は初耳だった。実戦で活用できるまでに日本は敗戦したが、もしこれが広範囲で用いられ多数の死者を出していたらと想像するだけでも悍ましい。それと同時に、石井四郎の天才性に感服する。細菌兵器を開発したとはいえ彼自身に残忍性は感じにくい。

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人物・団体紹介

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吉村昭

1927(昭和2)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。58年、短篇集『青い骨』を自費出版。66年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。73年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、84年『破獄』で読売文学賞を受賞。2006(平成1

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