翔ぶが如く 1 文春文庫

司馬遼太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167105945
ISBN 10 : 4167105942
フォーマット
出版社
発行年月
2002年02月
日本
追加情報
:
16cm,346p

内容詳細

明治維新とともに出発した新しい政府は、内外に深刻な問題を抱え絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発した。西郷隆盛が主唱した「征韓論」は、国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく。征韓論から、西南戦争の結末まで新生日本を根底からゆさぶった、激動の時代を描く長篇小説全十冊。

【著者紹介】
司馬遼太郎 : 大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞。62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。63年、「韃靼疾風録」で大仏次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。平成5年、文化勲章受章。平成8(1996)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

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全10巻の大著である。主軸の西南戦争が始ま...

投稿日:2021/04/12 (月)

全10巻の大著である。主軸の西南戦争が始まるまでには8巻を待たなければならない。よく言われるがこの作品は脱線が多く、全体の分量の半分以上かと思わせる程だが、それによって竜馬がゆくと比べると、大分構成的には破綻している。しかし人物描写はいつもの秀逸さで、この時代の空気感を味わえる。

海尾水 さん | 神奈川県 | 不明

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この物語は、4人の薩摩人を中心に描かれて...

投稿日:2014/07/25 (金)

この物語は、4人の薩摩人を中心に描かれていく。明治維新の立役者西郷隆盛と大久保利通、そして彼らの手足となって働いた桐野利秋と川路利良である。西郷と大久保は文字通り「同じ釜の飯を食った」仲であり、二人三脚で維新の大事業を達成したが、維新後は思想、政策の相違から亀裂が生じ、いわゆる征韓論によって対立が決定的となり、政争に敗れた西郷は大久保と袂を分かった。「人斬り半次郎」の異名で怖れられた剣客桐野は西郷と行動を共にし、初代大警視(警視総監)に起用された川路は大久保に仕えて政府側に残った。両者の決裂はやがて明治10(1877)年の西南戦争へと繋がっていき、悲劇的な結末を向えることとなる。 彼らの故郷鹿児島県の状況は複雑であった。桐野以下中堅・若手の旧薩摩藩士たちは西郷を神の如く尊崇し、一種の「西郷王国」を作り上げていた。その一方で旧藩主島津家の権威も健在で、老公島津久光は隠然たる影響力を保持していた。しかも久光は西郷のことを嫌っており、西郷も久光を敬遠していた。ただ、西郷派・久光派の両派とも大久保率いる新政府を拒否していることでは共通しており、それゆえに衝突することなく鹿児島県内で同居できていた。県内は両派閥によってほぼ壟断されており、新政府の意向は無視されていた。そのことが大久保にとっての悩みのタネであり、後の西南戦争の遠因ともなってゆく。 司馬遼太郎氏の筆致は冷静でありながらドラマティックであり、中心人物である4人の薩摩人とそれに関わる人々の運命を克明に描写している。木戸孝允、岩倉具視、大隈重信、山県有朋、江藤新平といった同時代の大立者達はもちろん、那須拙速や池辺吉十郎など地方の人々の運命にも目配せしながら、西南戦争という明治初期の大事件を時に俯瞰で、時にドメスティックにと多角的に分析し、物語化してゆく。最後、4人の薩摩人達は折り重なるようにして斃れていき、彼らの屍を乗り越えるようにして明治日本は近代化への道を爆走していく。まことに読み応 えのある、傑作であろう。

金山寺味噌 さん | 愛知県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 遥かなる想い さん

    第28回(1990年)NHK大河原作。明治維新後の西郷隆盛と大久保利通を書いた 秀作。征韓論から西南戦争までの史実はある 書きにくいのはと思うが、司馬遼太郎は見事に本書の中で再現させてくれている。江藤新平・桐野利秋なども印象深く描いてくれている。

  • Die-Go さん

    再読。来年の大河ドラマのために読む。時は明治始め。西洋の文化を取り入れ始めた日本。しかし、その中には西郷隆盛を筆頭に政府の方針に意見を異するものたち(具体的には征韓論)の姿があった。余談が多く、若干読むのに苦労するかもしれないが、それでもその余談が話を膨らませてくれていて楽しめる。前回は苦労したのが嘘のようにサクサク読めた。だけど、まだまだ序盤。★★★★☆

  • mitei さん

    西郷隆盛を中心に書いた一冊。この巻は初代警視総監の川路の話が中心だった。維新の頃の雰囲気っていいなぁ。

  • 財布にジャック さん

    遂に、長い長い物語に手をつけてしまいました。実は西郷さんの誕生日が私と同じ12月7日だと知って親近感がわき、読んでみようと決意した次第です。案の定、予想通り司馬さんの主観で歴史上の有名な人達を語られてしまうので、イメージと違うかもと挫折しそうになりながらも、なんとか1巻は読了出来ました。木戸さんが西郷さんと会見するシーンで「お互い、生きすぎたかもしれませぬな」という台詞があるのですが、そこでは幕末の激動の歴史が走馬灯のように私の頭にもよぎりました。明治維新後の歴史をとくと拝見させていただきます。

  • レアル さん

    「夏までに読み終える!」と意を決した1冊目。時は明治。討幕後新政府としての新制度作りや、征韓論をめぐる対立といった導入部分。木戸、大久保、川路、大久保、桐野など、この時代を活躍する有名人が登場。維新の英傑たちが不安定な時代に苦悩の中で突き進んでいく物語は興味深い。1冊1冊じっくりと味わいたい。

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司馬遼太郎

1923(大正12)年、大阪に生まれ、大阪外語大学蒙古語学科を卒業。1959(昭和34)年『梟の城』により第42回直木賞を受賞。67年『殉死』により第9回毎日芸術賞、76年『空海の風景』など一連の歴史小説により第32回芸術院恩賜賞、82年『ひとびとの跫音』により第33回読売文学賞、83年「歴史小説の

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