蟹工船/党生活者 新潮文庫 改版

小林多喜二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101084015
ISBN 10 : 4101084017
フォーマット
出版社
発行年月
2003年06月
日本
追加情報
:
16cm,281p

商品説明

海軍の保護のもとオホーツク海で操業する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。“国策”の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキを扱い、帝国主義日本の一断面を抉る「蟹工船」。近代的軍需工場の計画的な争議を、地下生活者としての体験を通して描いた「党生活者」。29歳の若さで虐殺された著者の、日本プロレタリア文学を代表する名作2編。

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プロレタリア文学の傑作。資本を持つ者と権...

投稿日:2021/04/12 (月)

プロレタリア文学の傑作。資本を持つ者と権力を持つ者が繋がり、力のない貧者をいいように支配する世界。それは完全なフィクションではなく、かつてこの日本も似たような世界だったのだろう。そして貧富の差が広がってきている現在の日本も再び近づいてきているように思える。

タカノブ さん | 神奈川県 | 不明

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プロレタリア文学の代表格として嗜んでおく...

投稿日:2012/02/06 (月)

プロレタリア文学の代表格として嗜んでおくだけでもよいと思いますが、何回か読み返して自分ありに味わうとよりよい本のように思います。 中学生の時に初めて読んだ名作(文学史に残った作品)ですが、読むにしたがってのめり込んで行きます。 未熟な頭の中で労働者側を応援した気持ちが忘れられません。義憤に駆られる人もいるかもしれません。資本家VS労働者という構図はいかにもですが、イデオロギー臭くないので大丈夫ですよ。

霧島ヤルル さん | 青森県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 優希 さん

    プロレタリア文学の代表作として名高い作品ですね。それだけにかなりの迫力があります。劣悪で過酷な状況に置かれ、一切守られることもない時代があったことに衝撃を受けました。それも昭和初期というのですから、然程昔のことでもないんですよね。絶望にまみれ、底辺で這いつくばることしかできない人々がいたことを思うと鳥肌が立ちます。待遇が違うだけで労働条件は今も昔も大きな差はないのが現実なのかもしれませんが、人としての尊厳が与えられていないというのが恐ろしくもあり、悲しくもありました。

  • サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥 さん

    帝国主義の日本において逮捕されわずか29歳の若さで国家権力に虐殺された小林多喜二。歴史の教科書にも出てくるプロレタリア文学の古典とも言える作品。蟹工船の中で過酷な労働条件で働かされる労働者の姿には読んでいて気持ちが重くなる。しかしながら、改めて読むと最近の社会には、これよりももっとブラックな企業が沢山あるのではないかとも思える。企業は人なり、労働力が使い捨てになってはいけない。若い人、ぜひ読むべし。★★★★

  • てち さん

    蟹工船。一度は誰しも聞いたことがある作品であろう。しかし実際に読んだことがある人は少ないのではないだろうか。私もそうであった。本作は、蟹工船の内実を描こうとしたのではない。資本主義の本質を書こうとしたのだと私は感じた。資本主義という名の形のないものを具現するために蟹工船を用いたのだ。では、なぜそれを用いて資本主義を体現しようとしたのだろうか?それは、帝国軍隊、財閥、国際関係、労働者といったものが全体的に関わっているのが「蟹工船」だからである。

  • 扉のこちら側 さん

    2018年522冊め。春頃に読了していたが登録を忘れていた。人を人と思わない、死んでも顧みられることがない労働者の姿は悲劇的である。よくよく考え見れば昭和初期のそう遠くない昔の話なのだが、現在の格差社会についても考えてしまう。共産圏のロシアが夢の国のように描かれているのがおもしろい。文体は固い印象。『蟹工船』があまりに特殊すぎる環境のため『党生活者』の方が読みやすい。三浦綾子の『母』は長いこと積んであるので早く読みたいところである。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    駆逐艦が国境の海と労働者を睨む力が正義の世界。法の真空地帯の蟹工船で貧困層出身の労働者が非人道的に酷使される様子が写実的。登場人物を群像として描く手法は今でも新鮮。共産主義が福音として描かれるが、この頃は、スターリンの大粛清の足音が聞こえ始めていた。彼の国では破綻したが、1980年代のわが国は低失業率と低格差が実現、実質的な共産主義になったのは歴史の皮肉。古代・中世は中国、近世はオランダ、戦後はアメリカと時の最強国に傾倒し、隣の芝生が青く見えてしまうのは、わが民族の性。本質を見極め、変質を見抜くのが課題。

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人物・団体紹介

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小林多喜二

秋田県出身。小樽高等商業学校卒業後、北海道拓殖銀行に就職するが『蟹工船』を発表し、解雇され上京。プロレタリア文学の旗手として注目される。当時非合法の日本共産党に入党し、左翼活動に注力するが、内通者によって特高警察に逮捕され、苛酷な拷問により29歳の若さで獄中死した(本データはこの書籍が刊行された当時

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